スキージャンプFISワールドカップ2024/25女子個人第24戦ラハティ【シーズン総合成績】

総合女王のニカ・プレヴツが10連勝で今季15勝 偉大な記録に並びシーズンを締めくくる

30th World Cup Competition
  • 2025年3月21日(金)
  • ラハティ(FIN)
  • HS130/K116

Official Results

1  ニカ・プレヴツ(SLO) 328.8pt
2  セリーナ・フライターク(GER) 277.4pt
3  エマ・クリネツ(SLO) 274.4pt
 
8  高梨 沙羅(クラレ) 259.3pt
9  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 254.0pt
17  丸山 希(北野建設SC) 228.0pt
27  勢藤 優花(オカモトグループ) 188.5pt
29  一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ) 174.0pt

本戦リザルト


ワールドカップスタンディングの上位30名だけが出場することのできる最終戦。
8日前のオスロで既にニカ・プレヴツの総合優勝は決定しており、総合2位と3位もほぼ確定している。
局所的には争いが残っているとはいえ、どことなく和やかムードが漂う。

唯一(かどうかは人によって分かれるだろうが)にして最大の興味は、ニカ・プレヴツが勝つかどうか。
勝てば10連勝となり、高梨沙羅が2015/16に達成した連勝記録に並ぶことになる。
そして、同じく高梨沙羅が2013/14に打ち立てたシーズン最多勝利数15勝に並ぶことになる。

プレヴツはこれを当たり前のようにやってのけた。
10連勝にして今季15勝目。高梨沙羅の記録に並んだばかりでなく、2位との間についた51.4pt差は、女子ジャンプ史上最大の点差だというから恐れ入る。

昨日は129.0mと135.5mを飛び、いずれも腰が落ちテレマークを入れることができなかったが、128.0ms133.5mを飛んだこの日はしっかりとテレマークを入れてきた。
ここにきて、まだ日々進化している凄まじさ。

昨季エンゲルベルクで初優勝を遂げ、そのシーズンに7勝を挙げ初の総合優勝。そして今季15勝を挙げ2年連続の総合優勝。
初優勝の際には「これが最後とならないことを祈っています」と淡々と語ったが、今やライバルたちに「これを最後にしてほしい」と思わせるような選手となった。

女子ワールドカップ総合優勝者

2011/12  サラ・ヘンドリクソン(USA)
2012/13  高梨 沙羅(JPN)
2013/14  高梨 沙羅(JPN)
2014/15  ダニエラ・イラシュコ・シュトルツ(AUT)
2015/16  高梨 沙羅(JPN)
2016/17  高梨 沙羅(JPN)
2017/18  マーレン・ルンビ(NOR)
2018/19  マーレン・ルンビ(NOR)
2019/20  マーレン・ルンビ(NOR)
2020/21  ニカ・クリジュナル(SLO)
2021/22  マリタ・クラマー(AUT)
2022/23  エバ・ピンケルニッヒ(AUT)
2023/24  ニカ・プレヴツ(SLO)
2024/25  ニカ・プレヴツ(SLO)

そう思っているかどうかは知らないが、フライタークは今シーズン中に初優勝をあげることは叶わなかった。
今季は8回の2位表彰台があるが、そのうちの6回はプレヴツの右下に立つこととなった。
2022/23の総合5位を上回る総合2位。勝利はなかったが強いインパクトを残したシーズンではあった。

高梨沙羅は、女子WCの歴史が始まった2011/12からの14シーズン目で初めて一度も表彰台に上ることのないシーズンとなった。
そのことが確定した時点で、1本目を表彰台まで0.3pt差の4位で折り返した伊藤有希に可能性が残っていたのだが2本目は伸ばせず。
これにより、日本勢は初めて一度も表彰台に上がることなくシーズンを終えることとなった。

ただ、上位30人しか出られないこの試合には5名が出場。
突出した結果を出す選手はいなかったものの平均点は高い印象で、予選落ちや2本目に進めないということの極めて少ないシーズンではあったと思う。

2023/24シーズン総合成績

フィラハの第1戦でシュミットがプレヴツの連勝を止めたときには、この両者のマッチレースが続いていくだろうと信じて疑わなかった。
この時点ではいずれも4勝。しかし、シュミットはこれがシーズン最後の勝利となり、プレヴツはここから11の勝利を積み上げた。

シュミットが第2戦で手にしたイエロービブが再びプレヴツのものになったのは第12戦蔵王。
このあたりからシュミットの調子が落ちはじめ、逆にプレヴツは無双していくことになる。更にはこれに呼応するかのようにフライタークが覚醒。

三つ巴の戦いとはならなかったが、それでもシュミットは大崩れすることなくシーズン終盤には持ち直しシングル順位に入り続け総合3位を死守した。
シーズン中盤から、シュミットvsプレヴツの構図がプレヴツvsフライタークに移っていったとはいえ、シュミットは今シーズンの主役の一人だった。

去就が不透明ではあるが、引退するのだとしたらあまりに惜しい。

ワールドカップ 総合順位

順位 Name ポイント 最高位 昨季順位
1  ニカ・プレヴツ(SLO) 1933 15勝 (1)
2  セリーナ・フライターク(GER) 1293 2位8回 (18)
3  カタリナ・シュミット(GER) 1201 4勝 (10)
4  エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) 1026 2勝 (7)
5  ジャクリーン・ザイフリーズベルガー(AUT) 978 1勝 (5)
6  リサ・エダー(AUT) 877 2位 (16)
7  エバ・ピンケルニッヒ(AUT) 819 1勝 (2)
8  アンナ-オディヌ・ストローム(NOR) 801 2位3回 (31)
9  エマ・クリネツ(SLO) 710 2位2回 (13)
10  アレクサンドリア・ルティト(CAN) 681 1勝 (3)
12  高梨 沙羅(JPN) 601 4位 (9)
13  伊藤 有希(JPN) 509 6位2回 (4)
18  丸山 希(JPN) 325 10位2回 (23)
19  勢藤 優花(JPN) 312 9位 (25)
24  一戸 くる実(JPN) 187 10位 (50)
35  佐藤 柚月(JPN) 49 16位 (-)
53  岩佐 明香(JPN) 11 24位 (37)
   中山 和(JPN)   33位 (-)
   宮嶋 林湖(JPN)   39位2回 (53)
   櫻井 梨子(JPN)   35位 (-)
   小林 諭果(JPN)   38位 (-)

WC個人総合順位

大会別優勝者

1 リレハンメル LH  N.プレヴツ(SLO)
2 リレハンメル LH  K.シュミット(GER)
3 張家口 NH  K.シュミット(GER)
4 張家口 NH  K.シュミット(GER)
5 エンゲルベルク LH  N.プレヴツ(SLO)
  エンゲルベルク LH  中止
6 ガルミッシュ‐パルテンキルヘン LH  N.プレヴツ(SLO)
7 オーベルストドルフ LH  N.プレヴツ(SLO)
8 フィラハ NH  K.シュミット(GER)
9 フィラハ NH  E.ピンケルニッヒ(AUT)
10 札幌 LH  A.ルティト(CAN)
11 札幌 LH  E-M.クバンダル(NOR)
12 蔵王 NH  N.プレヴツ(SLO)
13 蔵王 NH  J.ザイフリーズベルガー(AUT)
14 ヴィリンゲン LH  E-M.クバンダル(NOR)
15 レークプラシッド LH  N.プレヴツ(SLO)
16 レークプラシッド LH  N.プレヴツ(SLO)
17 リュブノ NH  N.プレヴツ(SLO)
18 リュブノ NH  N.プレヴツ(SLO)
19 ヒンツェンバッハ NH  N.プレヴツ(SLO)
20 ヒンツェンバッハ NH  N.プレヴツ(SLO)
21 オスロ LH  N.プレヴツ(SLO)
22 ヴィケルスン FH  N.プレヴツ(SLO)
  ヴィケルスン FH  中止
23 ラハティ LH  N・プレヴツ(SLO)
24 ラハティ LH  N.プレヴツ(SLO)

2 Nights ツアー 総合順位

1  ニカ・プレヴツ(SLO) 587.7pt
2  エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) -19.0
3  カタリナ・シュミット(GER) -39.9
4  セリーナ・フライターク(GER) -43.3
5  アンナ-オディヌ・ストローム(NOR) -44.1
6  エマ・クリネツ(SLO) -52.6
11  伊藤 有希(JPN) -83.4
12  高梨 沙羅(JPN) -91.2
17  丸山 希(JPN) -130.6
19  勢藤 優花(JPN) -260.2
21  一戸 くる実(JPN) -283.2

2NT総合順位

RAW AIR 総合順位

1  ニカ・プレヴツ(SLO) 455.2
2  エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) -83.9
3  アンナ-オディヌ・ストローム(NOR) -98.0
4  ジャクリーン・ザイフリーズベルガー(AUT) -99.5
5  セリーナ・フライターク(GER) -102.0
8  伊藤 有希(JPN) -126.4
10  丸山 希(JPN) -153.3
13  高梨 沙羅(JPN) -170.8
24  佐藤 柚月(JPN) -306.9
28  勢藤 優花(JPN) -318.4
31  一戸 くる実(JPN) -345.8

RAWAIR総合

団体戦 大会別優勝国

1 リレハンメル Mixed Team LH ドイツ 日本5位
2 蔵王 Super Team NH ドイツ 日本6位
3 ヴィリンゲン Mixed Team LH ノルウェー 日本4位
4 レークプラシッド Mixed Team LH ドイツ 日本8位

ネイションズカップ総合順位

1 ドイツ 4241
2 ノルウェー -522
3 オーストリア -617
4 スロベニア -950
5 日本 -1927

国別総合順位

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