スキージャンプFISワールドカップ2024/25女子個人第8戦オーベルストドルフ

プレヴツが今季4勝目で2 Nights ツアー連覇 伊藤有希は今季初トップ10

9th World CUP Competition
  • 2025年1月1日(水)
  • オーベルストドルフ(GER)
  • HS137/K120

Official Results

1  ニカ・プレヴツ(SLO) 311.9pt インドラツコバ
2  アンナ-オディヌ・ストローム(NOR) 304.5pt ラウティオンアホ
3  エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) 300.1pt ボダライ
 
10  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 276.9pt 勢藤優花
11  高梨 沙羅(クラレ) 270.8pt マルジナー
18  丸山 希(北野建設SC) 232.5pt ピンケルニッヒ
19  勢藤 優花(オカモトグループ) 227.8pt 伊藤有希
21  一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ) 108.5pt ルティト

予選リザルト マッチアップ 本戦リザルト


ニカ・プレヴツが3連勝で今季4勝目。
厳しい追い風のなか1本目を4位で折り返し、条件の良くなった2本目で134.5mまで飛距離を伸ばし逆転勝利。
2 Night ツアーを連覇し、ワールドカップ総合で首位シュミットに26pt差まで肉薄した。

インタビューで今年の目標を聞かれ「目標は特に決めていないけど、フライングで勝ちたい」というようなことを答えていたけど、皆が挙げる世界選手権に言及しなかったのは敢えてなのか、単に言い忘れただけなのか。
いずれにしても、彼女の淡々として飄々としたインタビューはいつも面白い。

2位はストローム。
ストロームは、昨季エンゲルベルクでの転倒により、その後のシーズンを棒に振った。

最後にストローム。
追い風に叩かれたか空中でガクンとスキーが下がったように見えた。
ヤバいかも…と思った瞬間にかなり危険な形で転倒。
膝を痛めたらしく心配だ。
スキージャンプFISワールドカップ2023/24女子個人第3戦エンゲルベルク

夏のGPにも参戦せず、冬の開幕戦に満を持して登場。復帰戦で4位と好発進し、その後も6位、8位と順調に来ていた。
2022/23ラハティ以来となる表彰台。大怪我のニュースは聞きたくないが、大怪我から復帰のニュースは心から喜ばしい。

3位はクバンダル。
ラージヒルではあるが追い風が強いので今回はコーチリクエストを使わなかった。
追い風がやや収まった中での2本目は最長不倒となる139.0m。尻もちをつきそうになるも何とか堪えたが、飛型点は大きく引かれて39.0pt。
普通に着地できていれば…と思わずにいられない。

前戦で5位となり今季初めて表彰台を逃したシュミット。
この日は3位で折り返したけど、2本目は123.5mにパタリと落ちた。
0.7pt差で表彰台を逃したけど、2 Nights ツアーでは総合3位。開催国ドイツの面目を保った。

前戦では予選トップと見せ場を作ったフライターク。
この日も1本目をトップで折り返した。
兄リヒャルトの見守るなか初優勝の期待もかかったけど、2本目は伸ばせず5位となり、残念なことに表彰台すら失ってしまった。
でも、すぐにまたチャンスは来ると思う。

日本勢は、同国対決となった伊藤有希が勢藤優花に勝った他は4人そろってノックアウトされてしまった。
にもかかわらず、一戸くる実を除く3名がラッキールーザーで2本目に進めるという、まさにラッキーな展開。

伊藤有希は今季初めてトップ10入り。
しかし、9位で折り返した2本目はTo Beat ラインに届かず悔しさをジェスチャーで表した。
インタビューにもトップ10入りの喜びはなく、表情も厳しい。

それにしても高梨沙羅がノックアウトされるとは。
女子KO戦はこれまで8試合が実施されてきたが、高梨が敗れるのはもちろん初めて。

  • 2021.12.31 リュブノ 〇 vs CLAIR(FRA)
  • 2022.01.01 リュブノ 〇 vs REPINC-ZUPANCIC(SLO)
  • 2022.12.28 フィラハ 〇 vs TORAZZA(SUI)
  • 2022.12.29 フィラハ 〇 vs MITU-COSCA(ROU)
  • 2022.12.31 リュブノ 〇 vs VETRIH(SLO)
  • 2023.01.01 リュブノ 〇 vs KOSNJEK(SLO)
  • 2024.12.31 ガルパル 〇 vs 勢藤優花(JPN)
  • 2025.01.01 オーベル ✖ vs MALSINER.L(ITA)

高梨は予選で上位になるので、その対戦相手は当然に予選下位の選手となる。
しかも、今回と違ってこれまでのKO戦は50人参加による25組。よって、通常のワールドカップだと予選落ちするような選手たちも参戦することになる。
実際、ご覧のとおり名前も聞いたことのないような選手とのマッチアップが多かった。

こちら」でも紹介した通り、女子KO方式にとってネックの一つであった「通常より10人多い出場ということもあって上位と下位のレベルの差が大きく、よって番狂わせは起こりに」という点が、30人参加/15組になったことでかなり解消されたのかもしれない。
ララ・マルジナーはこの夏の総合優勝者。決して簡単な相手ではない。こうしたマッチアップが増えてコンペティションとしての魅力は高まった。

ただ一方で、「2本目に進めなくてもポイントが与えられる」というフォーマットには違和感があるし、そもそも本戦出場が通常より10人少ないという点も気になる。
また、年末年始のタイトなスケジュールの中で男女の試合をこなすのは難しく、元日は男子の本戦と同時刻に女子の予選が行われていた。

女子版ジャンプ週間の実現やいかに…

2 Nights ツアー 総合順位

1  ニカ・プレヴツ(SLO) 587.7pt
2  エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) -19.0
3  カタリナ・シュミット(GER) -39.9
4  セリーナ・フライターク(GER) -43.3
5  アンナ-オディヌ・ストローム(NOR) -44.1
6  エマ・クリネツ(SLO) -52.6
11  伊藤 有希(JPN) -83.4
12  高梨 沙羅(JPN) -91.2
17  丸山 希(JPN) -130.6
19  勢藤 優花(JPN) -260.2
21  一戸 くる実(JPN) -283.2

2NT総合順位

WC個人総合順位

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