スキージャンプFISワールドカップ2024/25女子個人第11戦札幌

ルティトが2季ぶりの勝利 日本勢最高位は勢藤優花の13位 佐藤柚月が初ポイント獲得

12th World CUP Competition
  • 2025年1月18日(土)
  • 札幌(JPN)
  • HS137/K123

Official Results

1  アレクサンドリア・ルティト(CAN) 266.4pt
2  リサ・エダー(AUT) 253.7pt
3  エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) 253.1pt
 
13  勢藤 優花(オカモトグループ) 228.4pt
14  高梨 沙羅(クラレ) 227.1pt
15  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 224.9pt
21  丸山 希(北野建設SC) 212.2pt
24  岩佐 明香(大林組スキー部) 184.5pt
28  佐藤 柚月(札幌日大高校) 176.5pt
33  一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ) 75.7pt
35  櫻井 梨子(あいおいニッセイ同和損保) 68.0pt
39  宮嶋 林湖(松本大学) 60.9pt
   岩崎 里胡(戸田建設株式会社) 予選44位
   中山 和(日本ビールスキー部) 予選45位
   小林 諭果(CHINTAIスキークラブ) 予選53位

予選リザルト 本戦リザルト


この勝利を予想できた者はいたであろうか。
アレクサンドリア・ルティトが今季初表彰台にして初優勝。

夜の大倉山の風は、日中に比べれば随分と穏やかであることが多いがこの日は終始追い風。対してゲートはやや渋めの設定だっただろうか。
かなり難しい条件下の試合だったが、ルティトは1本目をトップで折り返すと、2本目では上位陣の中でも強めの追い風を受けながらも緑のラインを軽々と越えてみせた。

2022/23蔵王での初優勝以来となる通算2勝目。
これが通算9度目の表彰台だが、そのうちの3つが日本。札幌ではここまでの4試合全てでトップ10内。
今回は両親も応援に来ていたが、ルティトはきっと日本が大好きだろう。

2位は1本目の11位から9人捲ったリサ・エダー。
今季3度目、通算4度目の表彰台。2位は自己最高位。
総合5位から3位に浮上。

3位のエイリン‐マリア・クバンダルは今季4度目の表彰台。札幌では2年連続の表彰台となる。
追い風だったこともあってか、予選も含めてコーチリクエストを使うことはなかった。
それにしても、間近で見ると昨年とは空中フォームが随分と変わったように感じられる。

表彰台の3人はもちろんすごかったが、その誰よりも心を打たれたのはテア-ミニャン・ビョルセット
2本目でこの日最長の135.0mを飛ぶも着地で耐え切れずに転倒。平手でバーンをたたきつけて悔しさを表した。

助走スピードはそれほど出ていないのに、空中スピードは速いと感じる。
前傾を掛けまくりグイグイと突き進んでいくアグレッシブなフライトに惚れ惚れする。
そして、ここで見せた負けん気の強さ。
魅力あふれまくりの選手。応援せずにはいられない。

Top10 & Team Japan

1 アレクサンドリア・ルティト(CAN)
2 リサ・エダー(AUT)
3 エイリン‐マリア・クバンダル(NOR)
4 ジャクリーン・ザイフリーズベルガー(AUT)
5 セリーナ・フライターク(GER)
6 カタリナ・シュミット(GER)
7 エマ・クリネツ(SLO)
8 エバ・ピンケルニッヒ(AUT)
9 テア-ミニャン・ビョルセット(NOR)
10 アンナ-オディヌ・ストローム(NOR)
13 勢藤 優花(オカモトグループ)
14 高梨 沙羅(クラレ)
15 伊藤 有希(土屋ホームスキー部)
21 丸山 希(北野建設SC)
24 岩佐 明香(大林組スキー部)
28 佐藤 柚月(札幌日大高校)
33 一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ)
35 櫻井 梨子(あいおいニッセイ同和損保)
39 宮嶋 林湖(松本大学)
予選44位 岩崎 里胡(戸田建設株式会社)
予選45位 中山 和(日本ビールスキー部)
予選53位 小林 諭果(CHINTAIスキークラブ)

開催国枠を含め12名がエントリーした日本勢。9名が本戦に進み、最高位は勢藤優花の13位。
「世界と比べると10メートルの差がある」と満足はしていないが、5日前のHBCカップでの勝利が「すごくいいきっかけになった」ようで、大倉山に対する恐怖心や迷いが消え自信を持って臨めたようだ。

そして、佐藤柚月がついにWCでポイントを獲得。
高校1年生だった2022/23にWC日本シリーズに初選出され、札幌で予選45位、蔵王では予選52位。
2023/24は札幌のみのエントリーだったが、見事に予選を突破しWCデビューを飾り37位。
そして今年は初ポイント獲得。着実にステップアップを遂げている。
この実績を引っ提げて、春からは東京美装グループ初の女子ジャンプ選手として入社が内定している。

心を打たれた選手がもう一人。
今季初のポイント獲得となった岩佐明香はインタビューで涙を見せた。
今季はWC開幕メンバーとして臨むも2試合でノーポイントに終わり選考基準によりチームを外れた。
もちろん悔しさもあっただろうが、何よりも安堵の涙だったのではないだろうか。
こういう場面は琴線に触れる。ますます応援したくなる。

表彰式

イエロービブのカタリナ・シュミットと総合2位のニカ・プレヴツが二人とも表彰台にいないのは今季初めて。
シュミットは1本目を3位で折り返したものの、2本目は条件も悪く順位を落としてしまった。
今季ワーストの6位。6位でワーストって…

ピックアップ ギャラリー

総合2位のニカ・プレヴツがトップ10を逃したのはリレハンメルに続いて今季2度目。
札幌での過去最高位は10位が2回と、同も大倉山との相性はあまりよろしくない。

そんなプレヴツをはじめとして、遠い遠いSapporoまで遥々やってきてくれた海外選手たちに敬意を表し、下手な写真ではあるが例によって何人かをピックアップしてみた。

11 ニカ・プレヴツ(SLO)
12 アグネス・ライシュ(GER)
16 ララ・マルジナー(ITA)
18 イェニー・ラウティオンアホ(FIN)
19 アビゲイル・ストレイト(CAN)
20 ユリア―ネ・ザイファルト(GER)
22 ユリア・ミュールバッハ(AUT)
26 ニコル・マウラー(CAN)
27 アニカ・シーフ(ITA)
29 リュウ・キ(CHN)
31 ジョセフィーヌ・パニエ(FRA)

WC総合順位

金曜日に行われるはずだった予選が土曜日に順延となった。
悪天候のためでもあったようだが、一部のチームにロストバゲージが発生したためでもあったらしい。
実は、ロストバゲージにより予選が土曜日に順延になったのは3年連続。
日本遠征は、まずはロスバゲとの戦いに勝たなければならないようだ。

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