丸山希-小林陵侑-高梨沙羅-二階堂蓮で繋いだ日本が銅メダル スロベニアは二大会連続の金 ノルウェーが銀

Official Results
| 金 | スロベニア | 1069.2pt | ||
| ヴォダン、ラニセク、N.プレヴツ、D.プレヴツ | ||||
| 銀 | ノルウェー | 1038.3pt | ||
| ストローム、スンダル、クバンダル、リンビーク | ||||
| 銅 | 日本 | 1034.0pt | ||
| 丸山希、小林陵侑、高梨沙羅、二階堂蓮 | ||||
| 4 | ドイツ | 1032.8pt | ||
| 5 | オーストリア | 1027.8pt | ||
| 6 | フィンランド | 938.0pt | ||
| 7 | アメリカ | 932.9pt | ||
| 8 | 中国 | 924.1pt | ||
2本目を飛び終えた高梨沙羅は笑顔だった。
試合後の談話では「安堵の気持ちが大きかった」と語った。そして「新しくスタートを切れるような感覚になれた」とも。
これでようやく4年に及ぶ悪夢を払拭することができただろうか ―
前回大会から採用された混合団体。
その最初の金メダルを獲得したスロベニアが今大会でも他を圧倒。
2位に30.9ptの差をつけて二大会連続の金メダルに輝いた。
最初からトップを走り続けた。1本目の終了時点では2位日本と9.7pt差。その6.4pt後方にノルウェーが続いた。この時点では、まだまだ金メダルの行方は分からない展開。
だが、2本目の2組目でラニセクが会心の一発を決め2位日本に20.7ptの差をつけたことでスロベニアは一気に混戦を抜け出した。
残る二人、ニカとドメンのプレヴツ兄妹が大きく失敗することは考えにくく― あるとすればドメンが置いてはいけない場所にスキーを置いてしまうことくらいか― スロベニアは限りなく金メダルに近づいた。
個人ノーマルヒルでは本来の力を発揮できたとは言い難い二人ではあったけど、この日の1本目は互いに同組2位。そして2本目ではニカ・ヴォダンとアンツェ・ラニセクが築いたリードを二人揃って同組1位となりしっかりと拡げた。
盤石のリレーにより、圧倒的な強さで掴んだ金メダル。
ドメン・プレヴツとラニセクにとっては初の五輪メダル。
ニカ・プレヴツは個人ノーマルヒルの銀に続く二つ目のメダル。
ニカ・ヴォダンにとっては同種目で二大会連続の金メダル。
プレヴツ家にとっても同種目で二大会連続の金メダル。
一方、銀と銅のメダル争いは最後まで熾烈を極めた。
2本目の4組目がスタートする時点では、ノルウェー、日本に加えて、ドイツとオーストリアにもその可能性があった。
日本は1本目を2位で折り返したが、金メダルからは徐々に離れて焦点は銀メダル争いに移った。
2本目1組目では2.9pt差で逆転され3位に落ちたものの、3組目で1.3pt差で再び2位を獲り返すといった接戦をノルウェーとの間で繰り広げた。
それだけではない。下からは捨て身のコーチリクエストの応酬を成功させたドイツとオーストリアが迫ってくる。
銀メダルもあれば5位にまで落ちてしまうことも考えられるという、ヒリヒリと胸を締め付けられるような戦い。
日本は、昨年夏から2連勝を含む3試合連続で混合団体において表彰台を獲得していて、この種目における押しも押されもせぬメダル候補の一角だった。
そして、何よりも4年前の雪辱を果たさなくてはならない。
強い思いのもとで一丸となった日本チーム。
ドイツとオーストリアが猛追してきたこともあって2本目は5位の順位ではあったが、丸山希が、小林陵侑が、高梨沙羅が、二階堂蓮が必死にバトンを繋いだ。
最後はドイツに詰め寄られたが、1.2pt差で3位を死守。見事に銅メダルを獲得した。
混合団体 歴代メダルリスト
| 金 | 銀 | 銅 | |
|---|---|---|---|
| 2022 | スロベニア ・クリジュナル ・ザイツ ・ボガタイ ・P.プレブツ |
ROC ・マヒーニャ ・サドレーフ ・アバクモワ ・クリモフ |
カナダ ・ルティト ・ソークップ ・ストレイト ・ボイド-クローズ |
| 2026 | スロベニア ・ヴォダン ・ラニセク ・N.プレヴツ ・D.プレヴツ |
ノルウェー ・ストローム ・スンダル ・クバンダル ・リンビーク |
日本 ・丸山 希 ・小林 陵侑 ・高梨 沙羅 ・二階堂 蓮 |
「屈辱は同じ舞台で晴らせたかなと思う」と小林陵侑。
「あの時、一緒に飛んだ有希さん、幸椰さんと取ることができなかったメダルを取らせていただいた。自分の取ったメダルではない」と高梨沙羅。メダルが決まり、その伊藤有希に抱きしめられ号泣したという。
五輪の借りは、五輪でしか返せない。
これで4年に及ぶ悪夢から解放されただろうか。
そうだとしたら、とても良かったと心から思う。
ただ、あの日、悪夢を味わったのは一人だけではない。
シリエ・オプセット(NOR)、アンナ-オディヌ・ストローム(NOR)、カタリナ・アルトハウス(GER)、ダニエラ・イラシュコ-シュトルツ(AUT)も同じ憂き目に遭っている。
このうちストロームとノルウェーは悪夢を払拭できたかもしれないが、他の3人と2ヵ国はどうだろうか。
イラシュコ-シュトルツはすでに引退。オプセットとアルトハウス(現シュミット)はこの種目の出場が叶わなかった。そしてドイツとオーストリアはメダルに僅かに届かなかった。
その意味からは「前回大会は、本当に各国悔しい思いをしていたと思います」と、その点に言及した二階堂蓮の言葉は心に沁みる。
それにしても、やはり4人制団体戦は面白い。
4人でバトンを繋ぐ。だからこそのドラマがある。


