スキージャンプFISワールドカップ2024/25女子個人第4戦張家口

シュミットが盤石の3連勝 高梨沙羅は今季初めて表彰台に迫る

5th World CUP Competition
  • 2024年12月15日(日)
  • 張家口(CHN)
  • HS106/K95

Official Results

1  カタリナ・シュミット(GER) 221.1pt
2  エマ・クリネツ(SLO) 208.9pt
3  リサ・エダー(AUT) 200.6pt
 
4  高梨 沙羅(クラレ) 199.5pt
11  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 178.5pt
15  丸山 希(北野建設SC) 172.6pt
23  勢藤 優花(オカモトグループ) 153.4pt
28  一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ) 140.3pt

予選リザルト 本戦リザルト


高梨沙羅が今季初めて表彰台に迫った。

1本目はトップのシュミットと並ぶ98.0m。
これは1本目の最長不倒だが、ランディングで腰が沈んでしまい飛型点は大きく減点され46.0pt。
それでも3位につけて昨季第15戦ヴィリンゲン以来となる表彰台がはっきりと見えた。

2本目。飛距離はK点の手前の93.5m。今度はテレマークを大きく減点されずに済んだ。
ギリギリの争いではあったが、9位から捲ったエダーに1.1pt差を付けられ4位。表彰台には惜しくも届かなかった。

結果論で言えば、1本目のテレマークがもう少し何とかなっていれば表彰台に届いただろう。
解説の茂野美咲さんが「テレマーク、テレマーク言うのもかわいそうだけど…」と言っていたが、ルール変更により飛型点におけるテレマークの減点の比重が増えた以上、やはりここを改善しなければ苦しい。

それでも今季初のシングルに笑顔も見られた。
北京オリンピックの嫌なイメージが少しは払拭できただろうか。

この日の張家口は前日以上に難しい風が吹き、クロソイド曲線でタイミングが取りにくいアプローチの形状と相まって、2本の順位に乖離が見られる選手も多かった。
1本目2位から7位に落ちてしまったザイフリーズベルガーしかり、5位から10位に落ちてしまったビョルセットしかり、24位から12位に上がったミッツコーゲンしかり…

そんな中で安定感抜群の強さを見せつけたのがシュミット。
2位のクリネツとは2本とも飛距離はほぼ同じ。飛型点もそう大きな違いはない。両者は風の状況が随分と違ったためWFで大きく差がついた。四方八方から風が吹いていたので、クリネツにしてみればここまで減点されるほど向かい風の恩恵は受けていなかったと思われるが…

それでもシュミットは強かった。勢いがある人は条件も含めてすべてを味方につける。そんな勝ち方だと感じた。
通算18勝となるこの勝利により今季3連勝。総合で2位プレヴツに151ptもの差をつけた。
この2日間、勝利インタビューの際には「家に帰るのが楽しみ」と繰り返していたが、インターコンチネンタルカップから数えて丸10日以上はこの地に留まっていたであろうから無理もないか。

なお、日本勢は2試合連続となる全員ポイント獲得。
まだシングル順位がない伊藤有希は、ラジオ(Airてっし)に電話出演しアプローチがうまくいっていないと話していた。夏は国内戦12試合に出場し10勝と無双したが、「この夏ほど苦しんだ夏はなかった」と。
自分自身に課す技術レベルが年々上がってきているためでもあるのだろうが…

WC個人総合順位

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