二階堂蓮がグランプリ初出場で初優勝
2022年9月18日(土)ルシュノフ(ROU)HS97/K90
5th Grand Prix Competition
1 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 253.4pt |
2 | パヴェル・ヴァセク(POL) | 252.5pt |
3 | ウラジミール・ゾグラフスキー(BUL) | 250.2pt |
8 | 清水 礼留飛(雪印メグミルクスキー部) | 239.9pt |
11 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) | 230.5pt |
二階堂蓮がグランプリ初出場で初優勝。
今季国内8試合で4勝。2位2回。3位1回。
今月3日にリレハンメルで開催されたコンチネンタルカップ(COC)で初表彰台となる2位。翌日にも2位となり2試合連続で表彰台に上った。
その勢いのままに夏のワールドカップであるグランプリをも制した。
その成績もさることながら、8月28日の塩沢での試合の6日後にはリレハンメル、その6日後には白馬、そしてその5日後にはルシュノフという超ハードスケジュールの中でも、しっかりと結果を出し続けたこともまた賞賛に値する。
この夏の国内試合の成績
1988年から91年にかけてワールドカップや世界選手権で活躍した二階堂学さんを父に持つ二階堂蓮は、中学3年生から4年連続ジュニア世界選手権に出場するなど目覚ましい実績を挙げてきた。
高校3年時にはWCに初出場。
また、竹花大松、工藤漱太、小林龍尚ら同学年のライバルたちを抑えてインターハイを制した。
しかし、そのライバルたちが高校卒業後に次々と実業団入りを決めたのに対し自らはどこからも声がかからなかった。
「僕を選ばず誰を選ぶんだって。ねたましい気持ちが本当にあった」
東海大学に進んだ翌年1月、HBCカップで同学年では誰よりも早くシニア初勝利を挙げた。
その後は競技に専念するために大学を中退し自らスポンサーを集めて活動していたが、今季は新たに発足した日本ビールスキー部の所属となり小川孝博コーチの指導を受けるなど体制面は整った。
こうして切り拓いてきた結果として今がある。
決して突然変異を遂げたわけではない。
今季はSAJの強化指定は受けていない。
でも、少なくとも現時点で彼をWC開幕メンバーに選ばないことなどあってはならないことに思える。
本人も、まずはこの冬のWC開幕メンバー入りを目指し、その先のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を見据えている。
過去10シーズンの日本勢のGP優勝者
2012.08.15 | クーシュベル | 清水 礼留飛(1) |
2012.09.23 | アルマトイ | 竹内 択(1) |
2013.08.24 | 白馬 | 葛西 紀明(2) |
2014.09.21 | アルマトイ | 竹内 択(2) |
2015.08.30 | 白馬 | 作山 憲斗(1) |
2015.09.13 | アルマトイ | 小林 潤志郎(1) |
2016.08.28 | 白馬 | 竹内 択(3) |
2017.08.26 | 白馬 | 小林 潤志郎(2) |
2017.08.27 | 白馬 | 小林 潤志郎(3) |
2018.08.24 | 白馬 | 小林 陵侑(1) |
2018.08.25 | 白馬 | 小林 陵侑(2) |
2019.08.23 | 白馬 | 小林 陵侑(3) |
2019.08.24 | 白馬 | 小林 陵侑(4) |
2021.09.25 | ヒンツェンバッハ | 佐藤 幸椰(1) |
2021.10.02 | クリンゲンタール | 小林 陵侑(5) |
NEW | ルシュノフ | 二階堂 蓮(1) |
二階堂蓮は、2016/17と2017/18に海外でのFISカップやコンチネンタルカップに何度か派遣されている。元日のガルミッシュ-パルテンキルヘンで岩佐勇研、栗田力樹とともに観戦する姿が2年連続でカメラに抜かれていたりもした。
こうした海外遠征経験が今に活きていると信じたい。
そして、そうであるならば若い選手たちにはもっともっと海外で経験を積ませたい。
この夏のSAJはかなり頑張っている方だとは思うけど、もっと、もっと。