丸山希 復帰戦V 今季初登場の小林陵侑は他を圧倒
2022年8月5日(金)札幌市 宮の森ジャンプ競技場 HS100/K90
女子組(基本ゲート1本目14、2本目12)
1 | 丸山 希(北野建設SC) | 219.0pt |
2 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 203.4pt |
3 | 岩崎 里胡(下川商業高校) | 188.4pt |
少年組(基本ゲート1本目8、2本目3)
1 | 坂野 旭飛(下川商業高校) | 183.5pt |
2 | 三上 託摩(積丹美国中学校) | 171.2pt |
3 | 西田 蓮太郎(下川商業高校) | 165.2pt |
4 | 中村 正幹(東海大学付属札幌高校) | 162.7pt |
5 | 森野 幹登(札幌日大高校) | 162.5pt |
6 | 杉山 律太(下川商業高校) | 160.6pt |
成年組(基本ゲート1本目8、2本目3)
1 | 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) | 266.5pt |
2 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 232.5pt |
3 | 竹花 大松(土屋ホームスキー部) | 228.0pt |
=4 | 渡部 弘晃(東京美装グループスキー部) | 224.0pt |
=4 | 小林 龍尚(土屋ホームスキー部) | 224.0pt |
6 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) | 221.2pt |
昨年10月に大倉山で開催された第100回全日本選手権で転倒し、左膝前十字靱帯損傷、外側半月板損傷および大腿骨腓骨骨挫傷という極めて大きな怪我を負ってしまった丸山希。
約10か月ぶりの実戦となったが、女子でただ一人2本のK点オーバーを揃え、復帰戦を優勝で飾った。
2020/21シーズンのワールドカップ(WC)で総合11位。14位の伊藤有希を上回り、2位の高梨沙羅に次ぐチーム2番手のポジションにまで成長を遂げていた。
翌シーズンのWCはもちろん、当然選ばれるであろう北京オリンピックでの活躍が期待されていたが、深刻な大怪我により断念せざるを得なかった。
手術とリハビリー 恐怖心の克服のためにトランポリンやハーフパイプも取り入れたらしいー を経ての復帰戦。
その1本目は、基本ゲートをコーチリクエストにより4段下げた。それでも、飛びすぎを恐れたのか空中で大きく手を開きブレーキを掛けたかに見えた。
しかし、すぐにそれに打ち克ち飛型を整えると、95.0mまで飛距離を伸ばした。これがこの日の最長不倒。
「一番悔しかったのは(北野建設の)先輩の岩渕さんと一緒に五輪に行けなかったこと」
その岩渕香里も2012年に両膝の前十字靭帯を断裂。2013年に復帰するもソチオリンピック出場には届かなかった。
岩渕が2021/22シーズンをもって引退したため二人揃っての五輪出場は叶わずに終わった。
それでも丸山は「次の4年後の五輪を目指して頑張りたい」と笑顔で前を向く。
なお丸山は、翌日から大倉山で開催されるラージヒル2連戦のエントリーは見送った。
女子組
少年組の白眉は三上託摩。
スーパー高校生の坂野旭飛と準スーパー高校生の西田蓮太郎の間に割って入った。
この日は男子総合でも27位。余市ジャンプ少年団の大先輩である船木和喜の29位を上回った。
積丹美国中学校の2年生。
小さな町から大きな希望が生まれようとしている。
少年組
今季初登場となった小林陵侑。
北京オリンピックでのノーマル金・ラージ銀以降は多忙を極め、練習もままならなかったらしい。
それでも、1本目でHSを軽々と越えて見せ、きっちりとテレマークも決めて見せた。
終わってみれば2位に34pt差をつける大勝。
まだ試運転の状態ではあるが、付け入るスキが見当たらない。
成年組
少し驚かされたのが小林龍尚だ。
1本目で兄:陵侑に次ぐ飛距離を見せ4位。(もっともゲートは2段違ったが)
2本目もK点を超えて、その順位を守った。
4位は土屋ホームに入部してからのベストリザルト。
シニアでのこれまでのベストは今年3月の宮様NHでの6位。
2019年宮の森サマーでは、少年組ながら、あわやWC総合優勝者の兄を打ち負かしそうになったこともある。
龍尚の身体能力は素晴らしく素質は陵侑よりも上と、葛西紀明監督がコメントしていたことがあったはず。
身体能力の高さは、ノーマルヒルに強いところに表れているように思う。
ただ、空中で身体が左右にねじれる癖があり、素人目に見てもロスしているように見える。
そこが改善されれば、まだまだ上に行けるはずだ。
表彰式
上の写真は岡部凛大郎。
長野オリンピック団体金メダリストで、現:雪印メグミルクスキー部監督の岡部孝信を父に持つ中学2年生。
凛大郎か被るアイアンマンのヘルメットに見覚えのある方も多いだろう。
2020/21シーズンに伊東大貴が愛用していたものだ。
北京オリンピック前に大貴から凛大郎に贈られたらしい。
下記のリンクは、そのことについて書かれた新聞記事。
大貴はなぜヘルメットを贈ったのか? とても良い話なのでぜひ読んでいただきたい。
(ログインが必要です。末永くリンク切れなきゃいいけどなぁ)
観戦無料。シャトルバス無料。
平日の宮の森にしては、多少お客さん入っていたかな。
で、彼はいったい何をそんなに見つめているの?