内藤智文が全日本選手権初優勝 伊藤有希は2年連続2回目のノーマルヒル制覇
女子スペシャルジャンプ
1 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 229.4pt |
2 | 高梨 沙羅(クラレ) | 221.6pt |
3 | 丸山 希(北野建設スキー部) | 209.8pt |
4 | 中山 和(日本ビールスキー部) | 186.0pt |
5 | 一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ) | 184.4pt |
6 | 勢藤 優花(オカモトグループ) | 183.4pt |
男子スペシャルジャンプ
1 | 内藤 智文(山形県スポーツ協会) | 245.7pt |
2 | 小林 陵侑(TEAM ROY) | 231.0pt |
3 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 217.9pt |
4 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 213.3pt |
5 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) | 213.1pt |
6 | 中村 優斗(COOTS SC) | 204.1pt |
2015年の第94回大会以降は、それまでの冬から秋に開催にされることとなった全日本選手権。
WC組不在で決めていた全日本チャンピオンの座を、全員参加で競わせようというのがその趣旨。
よって、ここで勝つことは名実ともに日本一の称号を得ることを意味する。
さらには、2018年頃からは日本一の称号に相応しい “ご褒美” が用意されるようになった。ワールドカップ開幕メンバーの権利がそれだ。
先日お伝えした通り、今季の男子においては、その権利を得るためには必ずしも優勝が求められてはいない。
ただ、いずれにしても、その権利を懸けて戦う舞台は日曜日のラージヒル。ノーマルヒルの成績は、選考上はなんら意味を持たない。
でもそのことは、ひとまずは置いておいていいだろう。
今はただ、この試合に勝利した内藤智文をひたすら愛でたい。
追い風が吹く中でのシビアなゲート設定により、全日本選手権にふさわしい真の実力が試される試合となった。
そんな中、内藤は1本目でこの日の最長不倒となる96.5mを飛び、絶対王者の小林陵侑に飛距離で7.0m、ポイントで12.6もの大差をつけトップに立った。
おそらくは緊張したであろう2本目でも93.0m。2本ともK点を超えたのは内藤だけだ。
ブレーキング時には勝利を確信し両手を天に突き上げた。そして何度かガッツポーズし最後は”ナンバーワン”とばかりに右の人差し指を頭上に掲げた。
初の全日本選手権優勝。いつもはクールな内藤がここまで感情を表に出す姿に、このタイトルの大きさを改めて思い知る。
前述の通り、この日の勝利は、選考上は意味を持たない。でも、そのことはひとまずはどうでもいい。
フルメン参戦のガチンコ勝負の中で、実業団に所属せず地道に活動を続けていた選手が日本一の称号を得たことは最大限の称賛に値する。
「あさってもうひと爆発できれば」
喜びは喜びとして。でも既に気持ちはワールドカップ開幕メンバーの最後の1枠を懸けた日曜のラージヒルに向いている。
なお、男子ワールドカップ開幕メンバーの選考についての詳細は下記の記事に。
一方で、女子においてはラージヒルのみならずノーマルヒルも選考に影響する。
女子ワールドカップ
Lillehammer選考方法
- 2023/24 シーズンWCランキング30位以内の選手
- 2024/25 シーズンのSGPにおいて3位以内、または10位以内の成績を2回以上収めた選手(但し、前シーズンWCランキング10位以内の競技者が50%以上出場した試合の成績に限る)
- 全日本選手権ノーマルヒル、ラージヒル大会優勝者
- 2024/25 SGPランキング上位の選手
- 派遣選手6名
これらを基に選考基準に当てはめると、まずは❶の基準により伊藤有希(4位)、高梨沙羅(9位)、丸山希(23位)、勢藤優花(25位)が当確ということになる。
次に❷の基準だが、一戸くる実がルシュノフで8位と5位となり「10位以内の成績を2回以上収めた選手」に該当するものの、但し書きにある「前シーズンWCランキング10位以内の競技者が50%以上出場した試合の成績に限る」に引っ掛かってしまっている。(ルシュノフにおいて10位以内の選手の出場はニカ・プレヴツのみ)
よって残り2枠を❸と❹の基準で競うことになるのだが、❸の基準は❶の4名以外の選手がその4名を全員倒して優勝するということ。これは正直言って至難の業と思える。
現に、この日は伊藤有希が優勝し2年連続2回目のノーマルヒル覇者となった。
2位に高梨沙羅、3位に丸山希。勢藤優花も6位につけた。
ラージヒルでも、この4者のうちの誰かが優勝するという図式は変わらないだろう。
だとしたら❹の基準となるが、その場合の上位2名は一戸くる実(10位)と岩佐明香(12位)ということになるが…
いずれにしても、ラージヒルで何らかのドラマが起こることを期待したい。
全日本選手権ノーマルヒル歴代優勝者
大 会 | 男子 | 女子 |
第94回 | 伊藤 謙司郎(雪印メグミルク) | 高梨 沙羅(クラレ) |
第95回 | 中村 直幹(東海大学) | 勢藤 優花(北海道メディカルスポーツ専門学校) |
第96回 | 小林 潤志郎(雪印メグミルク) | 高梨 沙羅(クラレ) |
第97回 | 竹内 択(北野建設) | 高梨 沙羅(クラレ) |
第98回 | 小林 潤志郎(雪印メグミルク) | 高梨 沙羅(クラレ) |
第99回 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルク) | 高梨 沙羅(クラレ) |
第100回 | 小林 陵侑(土屋ホーム) | 高梨 沙羅(クラレ) |
第101回 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 高梨 沙羅(クラレ) |
第102回 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) |
第103回 | 内藤 智文(山形県スポーツ協会) | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) |
なお、この試合はジュニア世界選手権の選考対象試合の一つにもなっている。
が、布施飛雄真は予選で失格になってしまった。体重コントロールを失敗してしまったらしい。
残念だけど、めげずに頑張ってもらいたい。
2024夏季・秋季 表彰台(女子)
大会 | 優勝 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
サンピラー記念 | 伊藤 有希 | 一戸 くる実 | 葛西 優奈 |
札幌市長杯NH | 丸山 希 | 葛西 春香 | 伊藤 有希 |
札幌市長杯LH | 伊藤 有希 | 丸山 希 | 勢藤 優花 |
チャレンジカップ | 伊藤 有希 | 勢藤 優花 | 丸山 希 |
サマー蔵王 | 丸山 希 | 伊藤 有希 | 中山 和 |
塩沢 | 伊藤 有希 | 岩佐 明香 | 一戸 くる実 |
白馬記録会 | 伊藤 有希 | 岩佐 明香 | 葛西 優奈 |
白馬サマー | 伊藤 有希 | 勢藤 優花 | 一戸 くる実 |
妙高サマー | 伊藤 有希 | 岩佐 明香 | 一戸 くる実 |
鹿角サマー | 葛西 優奈 | 櫻井 梨子 | 中山 和 |
全日本選手権NH | 伊藤 有希 | 高梨 沙羅 | 丸山 希 |
全日本選手権LH | |||
UHB杯 | |||
NHK杯 |
※ 白馬記録会は全日本公認試合ではない
2024夏季・秋季 表彰台(少年)
大会 | 優勝 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
札幌市長杯NH | 布施 飛雄真 | 森 大耀 | 三上 託摩 |
札幌市長杯LH | 布施 飛雄真 | 佐々木 星語 | 三上 託摩 |
チャレンジカップ | 布施 飛雄真 | 森 大耀 | 姫野 蒼大 |
サマー蔵王 | 布施 飛雄真 | 森 大耀 | 西田 蓮太郎 |
塩沢 | 西田 蓮太郎 | 布施 飛雄真 | 三上 託摩 |
妙高サマー | 布施 飛雄真 | 糸氏 琉人 | 西澤 希陸 |
2024夏季・秋季 表彰台(男子)
大会 | 優勝 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
サンピラー記念 | 佐藤 幸椰 | 佐藤 慧一 | 坂野 旭飛 |
札幌市長杯NH | 佐藤 慧一 | 二階堂 蓮 | 内藤 智文 |
札幌市長杯LH | 二階堂 蓮 | 佐藤 慧一 | 竹内 択 |
チャレンジカップ | 小林 陵侑 | 竹花 大松 | 小林 朔太郎 |
サマー蔵王 | 小林 陵侑 | 中村 優斗 | 二階堂 蓮 |
塩沢 | 内藤 智文 | 藤田 慎之介 | 中村 優斗 |
白馬記録会 | 竹花 大松 | 竹内 択 | 葛西 紀明 |
白馬サマー | 内藤 智文 | 二階堂 蓮 | 葛西 紀明 |
妙高サマー | 小林 朔太郎 | 内藤 智文 | 佐藤 慧一 |
鹿角サマー | 内藤 智文 | 藤田 慎之介 | 山﨑 叶太郎 |
全日本選手権NH | 内藤 智文 | 小林 陵侑 | 中村 直幹 |
全日本選手権LH | |||
UHB杯 | |||
NHK杯 |
※ 白馬記録会は全日本公認試合ではない