大成建設チャレンジカップ2024大倉山サマージャンプ大会

小林陵侑が今季初参戦でV 布施飛雄真が3連勝 伊藤有希は大会3連覇

全日本スキー連盟A級公認
  • 2024年8月4日(日)
  • 札幌市 大倉山ジャンプ競技場
  • HS137/K123

女子組

1  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 240.3pt
2  勢藤 優花(オカモトグループ) 216.0pt
3  丸山 希(北野建設SC) 195.3pt

リザルト

少年組

1  布施 飛雄真(日大山形高校) 141.5pt
2  森 大耀(札幌福井野中学校) 103.2pt
3  姫野 蒼大(札幌前田中学校) 99.1pt

リザルト

成年組

1  小林 陵侑(TEAM ROY) 268.0pt
2  竹花 大松(土屋ホームスキー部) 254.3pt
3  小林 朔太郎(雪印メグミルクスキー部) 241.8pt

リザルト 男子総合


残り2枠をめぐる男子グランプリ前半戦メンバーの選考争い。
渦中におかれた5選手の3大会中2試合(計4本)を終えた時点での順位とポイントは次の通り。

  • 佐藤 慧一 445.9pt
  • 内藤 智文 407.4pt
  • 竹内 択  399.7pt
  • 葛西 紀明 370.3pt
  • 佐藤 幸椰 369.1pt

前日と違って時折強い向かい風が吹くが、強弱に差があり数値以上にやや難しいコンディションだったであろうか。

そんな中でも佐藤慧一は4位で折り返し当確と言ってよいポイントを積み上げた。
一方で、葛西紀明は7位、内藤智文は8位、竹内択は10位、佐藤幸椰は11位と、いずれも争いに決着をつけるには至らない。
1本を残すのみとなった時点の順位とポイントは次の通り。

  • 佐藤 慧一 572.6pt
  • 内藤 智文 524.8pt
  • 竹内 択  512.1pt
  • 葛西 紀明 489.1pt
  • 佐藤 幸椰 478.1pt

前日に7.7pt差にまで竹内択に詰め寄られていた内藤智文が、僅かながらも差を広げ12.7pt差に。
事実上、この両者が最後の1枠を懸けて最後の1本を飛ぶという展開となった。

成年組

1 小林 陵侑(TEAM ROY)
2 竹花 大松(土屋ホームスキー部)
3 小林 朔太郎(雪印メグミルクスキー部)
4 葛西 紀明(土屋ホームスキー部)
5 竹内 択(team taku)
6 二階堂 蓮(日本ビールスキー部)

2本目。
葛西紀明が3番手の得点で4位、竹内択が4番手の得点で5位と大きくジャンプアップ。佐藤幸椰も7番手の得点で8位まで順位を上げた。

一方で、内藤智文は9番手の得点で順位を一つ下げ9位に。結果として竹内択に逆転を許してしまった。

  • 佐藤 慧一 663.2pt
  • 竹内 択  632.4pt
  • 内藤 智文 629.3pt
  • 葛西 紀明 610.0pt
  • 佐藤 幸椰 592.7pt

竹内と内藤の差は僅かに3.1pt。
最終的には葛西と幸椰も捲ってきて、本当に熾烈な戦いとなった。
最後の1本で佐藤慧一は14番手の得点で11にまで順位を下げた。当確で安心してしまったということではないだろうが、それぐらい難しいコンディションの中での試合ではあった。

この結果を受けて、先に発表されていた小林潤志郎、中村直幹、小林朔太郎に、佐藤慧一と竹内択を加えた5名が、グランプリ前半戦に派遣されることとなった。
5名の選手には、先ずはおめでとうと伝えたい。大暴れしてきてほしい。

一方、今回選考に漏れた選手たちにも、『国際主要大会参戦基準』により、冬のWCとCOCの選考の機会が巡ってくる。
そのためには、この3試合と次の蔵王での成績が重要となる。下を向かずにチャンスを掴んでほしい。

女子組

1 伊藤 有希(土屋ホームスキー部)
2 勢藤 優花(オカモトグループ)
3 丸山 希(北野建設SC)
4 一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ)
5 葛西 優奈(早稲田大学)
6 葛西 春香(早稲田大学)

伊藤有希はやはり別格だ。
大倉山での2試合は4本すべて130mオーバー。
前日は2位の丸山希に26.6ptの大差をつけたが、この日も2位の勢藤優花に24.3ptの大差をつけた。
前日の札幌市長杯ラージヒルに続いて、今大会でも大会3連覇を達成。

女子のグランプリ前半戦の最後の2枠は、櫻井梨子と佐藤柚月が射止めた。
渦中にあった小林諭果、佐藤柚月、櫻井梨子、岩崎里胡が8位から11位に並び、こちらも男子同様に熾烈な戦いだった。

この結果、先に発表されていた高梨沙羅、岩佐明香、一戸くる実、宮嶋林湖に加えて櫻井梨子と佐藤柚月がグランプリ前半戦に派遣されることとなった。

少年組

1 布施 飛雄真(日大山形高校)
2 森 大耀(札幌福井野中学校)
3 姫野 蒼大(札幌前田中学校)
4 佐々木 星語(札幌日大高校)
5 岡部 凛大郎(下川商業高校)
6 三上 託摩(余市紅志高校)

布施飛雄真が少年組で3連勝。
日大山形高校の2年生だが、中学生の時はそれほど目立った成績を残せなかった選手のこれほどまでの急成長は衝撃的だ。

この急成長が本人の才能と努力の賜物であることは言うまでもないが、指導者に恵まれたことも大きいと思う。
その指導者は、自らの選考争いで逆転を喫し涙をのんだが、教え子は見事な結果を残した。
胸中複雑であるかもしれないが、これはこれで喜ばしい。

中学3年生の森大耀は、この3連戦で2位-4位-2位という見事な成績。本職はコンバインドだがジャンプに非凡なところを見せた。
その大耀を、ジュニアサマー北海道シリーズ総合成績で上回った同じく中学3年生の姫野蒼大が3位。

実は、この3連戦には、優勝候補の筆頭と思われていた西田蓮太郎が病欠している。
次戦の蔵王は、布施飛雄真が西田蓮太郎や森大耀ら北海道勢を地元山形に迎え撃つ… という構図が熱い。

表彰式

女子組
女子組
少年組
少年組
成年組
成年組

今季初戦となった小林陵侑。
1本目で、この日唯一のヒルサイズオーバーを見せた。
2本目は、やや条件が悪く130mにわずかに届かず2番手の得点となったが、1本目の貯金で勝ち切った。

その陵侑に迫ったのは竹花大松。
1本目は135.5mを飛んだものの5位だったが、2本目で再び135.0mに届き陵侑を上回るトップスコア。
男子で135mに届いたのは全部で6本あったが、2本揃えたのは大松だけ。最後は陵侑に13.7pt差まで迫った堂々たる2位。

3位は雪印メグミルクスキー部入部後の初入賞となった小林朔太郎。
社会人4試合目で早くも結果を出したが、初のグランプリ出場に向けて自信にもなったのではないだろうか。

男子成年組は、開幕からの4試合すべてで異なるウィナー。そして9人が表彰台に上がっている。
小林陵侑が出場してこなかった為とも言えるが、それでもやはり全体の力が上がって群雄割拠の様相を呈している感はひしひしと伝わる。

こうなった理由の一つが『国際主要大会参戦基準』にあると思える。
札幌3連戦がグランプリ前半戦の選考試合であること、この3試合と次の蔵王の成績が冬の選考にも影響すること。これらが示されたことで選手たちの目の色が変わった。

以前から再三言ってきていることだが、それぞれの試合に意味を持たせ、「その試合に勝てばどうなるのか? 何位までに入れば次にどんなステップが待っているのか?」を選手にもファンにも示せば、国内戦をもっと盛り上がるはず。
個人的には、その考えに確信を持てた札幌3連戦だった。

2024夏季・秋季 表彰台(女子)

大会 優勝 2位 3位
サンピラー記念 伊藤 有希 一戸 くる実 葛西 優奈
札幌市長杯NH 丸山 希 葛西 春香 伊藤 有希
札幌市長杯LH 伊藤 有希 丸山 希 勢藤 優花
チャレンジカップ 伊藤 有希 勢藤 優花 丸山 希
サマー蔵王      
塩沢      
白馬記録会      
白馬サマー      
妙高サマー      
鹿角サマー      
全日本選手権NH      
全日本選手権LH      
UHB杯      
NHK杯      

2024夏季・秋季 表彰台(少年)

大会 優勝 2位 3位
札幌市長杯NH 布施 飛雄真 森 大耀 三上 託摩
札幌市長杯LH 布施 飛雄真 佐々木 星語 三上 託摩
チャレンジカップ 布施 飛雄真 森 大耀 姫野 蒼大
サマー蔵王      
塩沢      
妙高サマー      

2024夏季・秋季 表彰台(男子)

大会 優勝 2位 3位
サンピラー記念 佐藤 幸椰 佐藤 慧一 坂野 旭飛
札幌市長杯NH 佐藤 慧一 二階堂 蓮 内藤 智文
札幌市長杯LH 二階堂 蓮 佐藤 慧一 竹内 択
チャレンジカップ 小林 陵侑 竹花 大松 小林 朔太郎
サマー蔵王      
塩沢      
白馬記録会      
白馬サマー      
妙高サマー      
鹿角サマー      
全日本選手権NH      
全日本選手権LH      
UHB杯      
NHK杯      
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