スキージャンプの結果を下手な写真でお伝えするブログです

2019/20 FISスキージャンプワールドカップ女子個人第5戦札幌

連日のオーストリア旋風 ピンケルニッヒがワールドカップ初優勝

2020年1月12日(日)札幌(JPN)HS137/K123

5th World Cup Competition

1 エバ・ピンケルニッヒ(AUT) 250.8pt
2 マーレン・ルンビー(NOR) 239.6pt
3 ダニエラ・イラシュコ-シュトルツ(AUT) 227.4pt
 
5 高梨 沙羅(クラレ) 214.9pt
6 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 214.7pt
15 丸山 希(明治大学)185.1pt
19 勢藤 優花(北海道ハイテクAC) 168.9pt
31 岩渕 香里(北野建設スキークラブ) 65.0pt
33 小林 諭果(CHINTAIスキークラブ) 61.9pt

予選リザルト オフィシャル リザルト


 

前日は、ここが大倉山であることを忘れるほど風は穏やかで、しかも驚くことに終始追い風だったが、この日はいつもの大倉山。特に2本目の終盤で強い向かい風が吹いた。
これに対し、ゲート変更のタイミングが少しおかしいかなと感じられたし、コンピューターによるシグナルコントロールも相変わらず雑な印象は受けた。

 

だからといってこの日エバ・ピンケルニッヒが成し遂げたことには一点の曇りもない。
昨季の女子ジャンプを彩り豊かにしてくれた功労者のうちの一人であり総合6位。
今季開幕戦では自身最高位の2位。昨日は3位。機は熟した。

 

空中での姿勢は他の誰とも似ていなくて、正直言って遠くに飛べるようには全く見えないのだが、踏切の勢いを殺さずにそのまま最後まで持っていってしまう巧さがある。
スキーがすごく短く見えるけれど、実際に短いのかそう見えるだけなのか。
いずれにしても、既存の枠に収まらない不思議な選手に思える。

 

ルンビーは2日連続で大倉山のWCヒルレコードを更新したが2戦ともに2位。
3位のイラシュコは1本目の12位から爆上げしての3位。

 

個人的にはチホノワとアバクモワの二人がトップ10に入ったことがうれしい。
チホノワは2戦連続のトップ10入り。
この日は1本目で驚きの3位。
こんなに上手かったっけ? ってぐらいに空中で安定していた

 

アバクモワは頭を深く前に下げて飛ぶ選手だが、それが以前よりも浅くなったようにも見え、全体的にかつてのアグレッシブさはやや影を潜めた感じがする。
1本目は4位だったので、2013/14の土曜3位日曜3位以来となる札幌大会での表彰台も期待されたけれど2本目は伸ばせなかった。
ちなみにアバクモワはこれまでWCで12回の表彰台があるが、そのうち5回が日本。(札幌2回、蔵王3回)

 

トップ10 & チームJAPAN


1 エバ・ピンケルニッヒ(AUT)

 


2 マーレン・ルンビー(NOR)

 


3 ダニエラ・イラシュコ-シュトルツ(AUT)

 


4 キアラ・ヘルツル(AUT)

 


5 高梨 沙羅(クラレ)

 


6 伊藤 有希(土屋ホームスキー部)

 


7 シリエ・オプセット(NOR)

 


8 マリタ・クラマー(AUT)

 


9 ソフィア・チホノワ(RUS)

 


10 イリーナ・アバクモワ(RUS)

 


15 丸山 希(明治大学)

 


19 勢藤 優花(北海道ハイテクアスリートクラブ)

 


31 岩渕 香里(北野建設スキークラブ)

 


33 小林 諭果(CHINTAIスキークラブ)

 


 

それにしても札幌は世界有数の初優勝者の産地だ。
男子は過去10シーズンで5名、女子は過去8シーズンで4名の初優勝者が札幌で誕生している。

 男子札幌大会 過去10シーズンのWC初優勝者
2010/11 大倉山セヴェリン・フロイント(GER)
2011/12 大倉山伊東 大貴(JPN)
2012/13 大倉山ヤン・マトゥラ(CZE)
2013/14 大倉山イエルネイ・ダミヤン (SLO)
2016/17 大倉山マチェイ・コット(POL)
 
 女子札幌大会 過去8シーズンのWC初優勝者
2012/13 宮の森ジャクリーン・ザイフリーズベルガー(AUT)
2016/17 宮の森伊藤 有希(JPN)
2019/20 大倉山マリタ・クラマー(AUT)
2019/20 大倉山エバ・ピンケルニッヒ(AUT)

 

今季5戦中、開幕の2試合はルンビーが勝ったが、そこからの3試合はヘルツル、クラマー、ピンケルニッヒと全てオーストリア。しかも、3人ともWC初優勝。
日本シリーズ遠征中のオーストリアチームの6名中、他にもイラシュコとザイフリーズベルガーが優勝経験者。
残る一人であるリサ・エダーが蔵王で勝ったりしたらビックリだが、勢いに勝る今のオーストリアチームであれば日本シリーズ全勝もあり得ない話ではない気がする。
とりあえずは蔵王での団体戦のメンバーをどうするかは悩ましいところだ。

 

表彰式

 


 

高梨沙羅は、前日の4位に続いてこの日も5位と好結果を出した。
前日の空中での左右のスキーのバランスの悪さがこの日の予選でも見られ、着地位置が大きく左にそれた。こんな沙羅を見るのは初めてだったが、なんでも今シーズンから硬い板に変えたらしく、その操作に慣れるのに苦労しているらしい。
確かに、今季の沙羅は開幕からここまでスキーが立つ場面が散見されてきたが、それもこういう理由があったということか。
2本目では数値上この日一番の向かい風を受けたが飛距離を伸ばせなかった。スキー操作に苦しんでいる段階では追い風のほうがまだマシなんだそうだ。

 

伊藤有希は前日より3つ順位を上げて6位。
5位の沙羅との差はわずかに0.2pt。2本目だけ見れば5番手のスコアで沙羅を上回っている。
調子は上向きとのことなので蔵王での活躍に期待したい。

 


 

兄のリヒャルト・フライタークは今季絶不調でジャンプ週間の途中で代表チームを離れたが、妹のセリーナは今季は開幕から代表チームに定着。
札幌では2試合連続でポイントゲットし、この日は自己最高位を6つ更新して20位。

 

そんなセリーナ・フライタークをはじめとして、遠い遠いSapporoまで遥々やってきてくれた海外選手たちに敬意を表し、下手な写真ではあるが例によって何人かをピックアップしてみた。

 


11 ジャクリーン・ザイフリーズベルガー(AUT)

 


12 カタリナ・アルトハウス(GER)

 


14 ユリアーネ・ザイファルト(GER)

 


16 エマ・クリネッツ(SLO)

 


17 ニカ・クリズナー(SLO)

 


18 ララ・マルシネル(ITA)

 


20 セリーナ・フライターク(GER)

 


21 ジュリア・クレール(FRA)

 


23 エレナ・ルンガルディエール(ITA)

 


28 アンナ-オディヌ・ストローム(NOR)

 


 

ところで、昨季はフリューゲをはいていたピンケルニッヒは、この試合でAUGMENTという見慣れぬ板をはいていた。
調べてみたらレーシングスキーに特化したオーストリアの新興メーカーらしい。
ピンケルニッヒは24歳でスキージャンプを始めるまではたしかアルペンの選手だったはず。そのあたりが関係しているのだろうか?

2019/20 女子個人第1戦リレハンメル

 

…ってことは、AUGMENTにとってもスキージャンプ・ワールドカップ初優勝ということになるよね。

 

 


 

さて、これまでの女子札幌大会の中でも屈指の好ゲームだったと思えるこの2日間。
ただ、お客さんの数は私の目には昨年より若干少なかったように見えた。
1ヵ月近く試合がなかったことと、金曜の予選がキャンセルとなったことが大きかったのではないだろうか。予選の模様が報道されることで札幌で試合があることに気づく人も結構多いようなのでね。

 

“屈指の好ゲーム”と書いたが、そう思ったのは録画しておいたテレビ中継を見てからのこと。残念ながら現地ではあまりそう感じなかった。
その理由はひとえに場内MCが聞こえにくかった為。

 

昨年、当ブログだけでなく一部のジャンプファンの間で大不評だったDJは、今年はインターバルの時にしゃべるだけ。
競技中のMCはいつも通り青野さんとカタダさんが勤め、DJがそこにかぶせてくることは一切なかった。
あぁ、よかった。改善された。と、思ったのもつかの間…

 

DJもMCも、ブレーキングトラック周辺のスピーカーからのみ音が出ていて、なぜか上の観戦スタンドのスピーカーからは音が出ない。
いや、実際は小さく音が出ているようなのだがほとんど聞こえないし、上と下で時差があって流れてくるので何をしゃべっているのか余計に聞こえない。

 

似たようなことは昨夏のチャレンジカップでもあった。

DJはWCの時と同じ人だったようだが、上の方のスピーカーには流れておらず下のスピーカーだけで流していた模様。
上のスピーカーで流れていたのは青野さんとカタダさんのメインMCのみ。おそらく下では両方が流れる音声多重放送だったと思われる。
ただし、メインMCはDJがしゃべっているときはしゃべらずに基本は選手紹介のみ。実況や情報提供はDJが勤めていたようだが、それは上ではほとんど聞こえない。
つまり上は選手紹介以外の情報は無し。
なんだこれ?

チャレンジカップ2019大倉山サマージャンプ大会

 

大倉山の電光掲示板は6位までしか表示されないし、ウィンドファクターやゲート番号などは表示されない。
だから、場内放送での情報だけが頼りとなる。
情報がないと試合の状況や流れがつかめなくて競技観戦としての面白さが半減してしまう。

 

翌13日のHBC杯ではDJはいなくていつものMCだけだったが、朝から繰り返しマイクチェックが行われていたこともあって普通に上下のスピーカーから音が流れていた。
ワールドカップの時はチェックしなかったの?

 

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