女子WC開幕 ルンビ圧勝 伊藤有希 表彰台に迫る
2019年12月7日(土)リレハンメル(NOR)HS140/K123
1st World Cup Competition
1 | マーレン・ルンビ(NOR) | 280.8pt |
2 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | 256.4pt |
3 | キアラ・ヘルツル(AUT) | 255.3pt |
4 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 250.6pt |
9 | 高梨 沙羅(クラレ) | 237.7pt |
13 | 丸山 希(明治大学) | 224.8pt |
18 | 勢藤 優花(北海道ハイテクAC) | 215.4pt |
31 | 岩渕 香里(北野建設スキークラブ) | 82.4pt |
昨シーズンの女子WCは個人戦がこれまで最多だった19戦から一気に25戦に増え、そのうち10戦もラージヒルが組まれた。更には新たに女子版RAWAIRとロシアでのBLUE BIRDツアーが開催がされるなど大きくフォーマットが変わった。
今季も基本的にはこのフォーマットが踏襲されるが、個人戦は21戦に減り、反面ラージヒルは11戦に増え、2017/18から2シーズン続いたリレハンメル・トリプルがなくなった。
開幕戦を制したのはディフェンディング・チャンピオンのマーレン・ルンビ。
相変わらずの空中でのバタつきは見られたものの他を圧倒する飛距離を見せつけ、2位に24.4ptの差をつけ圧勝した。
同じくディフェンディング・チャンピオンとして臨んだ昨季は7戦目にしてようやく勝利を挙げたが、今シーズンはいきなりのエンジン全開。女子では高梨沙羅が過去に2度連覇を果たしているが、史上初の3連覇に向けて力を見せつけた格好となった。
ただ、昨季に続いて今季もルンビにとって最大のライバルとなるであろうアルトハウス、ザイファルトらドイツ勢がメンツが揃っていないことも含めてまだまだこれからな感じがするので、この1戦をもって”ルンビ盤石”と考えるのは早計に過ぎるだろうね。
ルンビが無双したことをもって、この試合が大味で退屈な試合だったかというとさにあらず。
表彰台の残り2席をめぐる争いはし烈を極め、その争いの中に伊藤有希が含まれていたこともあって、開幕戦からいきなりの息詰まる好ゲームが見られた。
有希は表彰台に一歩及ばなかったけれど見た感じ悪いところは何もなく、高梨をはじめとして他の日本人選手が一様に踏切後にスキーが上がってしまったのに対して有希はピタッとスキーが収まっていた。また、世界一美しいテレマークを久々に魅せてくれたのも特筆もの。
昨季は2014/15シーズン以来4季ぶりに一度も表彰台に立てなかったけれど、今季は大いに期待できそう。
今一つだったドイツ勢に対してオーストリア勢は好スタートを切った。
これまで3度の3位表彰台があるピンケルニッヒは自己最高位を更新。
3位のヘルツルは2017/18蔵王での2位以来となる5度目の表彰台。
更には7位にザイフリーズベルガー、10位にクラマーとトップ10に4人が入った。
中でも注目は18歳のクラマー。
2017ヒンツェンバッハでWCデビューし、そこでいきなり29位となりポイントゲットしたものの、その後の出場は昨季までで8戦のみという選手だったが、この日突然のトップ10入り。
イラシュコ、ピンケルニッヒ、ザイフリーズベルガーとやや年齢層が高いオーストリアにとっては期待の新鋭。大きく育ってくれればいいね。
ところで、昨季はフリューゲをはいていたピンケルニッヒは、この試合でAUGMENTという見慣れぬ板をはいていた。
調べてみたらレーシングスキーに特化したオーストリアの新興メーカーらしい。
ピンケルニッヒは24歳でスキージャンプを始めるまではたしかアルペンの選手だったはず。そのあたりが関係しているのだろうか?
やっぱり開幕戦はそんなことばかりに目が行ってしまう。