第101回全日本スキー選手権大会ラージヒル 兼 第19回SBC杯スペシャルジャンプ白馬大会

高梨沙羅が2年連続の二冠達成 小林陵侑は大会2連覇

2022年10月23日(日)長野県白馬村 白馬ジャンプ競技場 HS131/K120

女子組(基本ゲート1本目17、2本目16)

1  高梨 沙羅(クラレ)  272.1pt
2  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 255.6pt
3  勢藤 優花(YAMAtune) 247.6pt
 
4  丸山 希(北野建設スキー部) 228.3pt
5  宮嶋 林湖(松本大学) 224.4pt
6  中山 和(下川商業高校) 167.5pt

※ SBC杯の表彰は3位まで

リザルト

男子組(基本ゲート1本目8)

1  小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 145.6pt
2  山本涼太(長野日野自動車SC) 133.2pt
3  二階堂 蓮(日本ビールスキー部) 127.1pt
 
4  竹花 大松(土屋ホームスキー部) 122.1pt
5  小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) 120.0pt
6  清水 礼留飛(雪印メグミルクスキー部) 119.9pt

※ SBC杯の表彰は3位まで

予選 リザルト


高梨沙羅が2年連続の全日本選手権2冠を達成。
101回の歴史を誇る全日本選手権ではあるが、女子のラージヒルが種目に加わったのは昨年のこと。

一方で、男子において全日本選手権が大小ふたつの台で競われるようになったのは1962年の第40回大会から。
以降60年の歴史の中で、二冠達成者は笠谷幸生、原田雅彦、岡部孝信ら金メダリストを含む9人のみ。これを二度達成したのは、藤沢隆、原田雅彦、佐藤幸椰の3名のみ。

高梨は、この困難なミッションを、その権利が与えられるや否や最短で成し遂げてしまった。
もし、女子ラージヒルがもっと早く全日本選手権に採用されていれば、既にとんでもない記録を打ち立てていたかもしれないし、その可能性は今後も十分にあり得る。

高梨の2本目は夏のヒルレコードを0.5m上回る136.5m。1本目でも134.0mを飛び、ともにヒルサイズオーバー。
さすがにテレマークは入らなかったけど、2位の伊藤有希に16.5ptの差をつける圧巻の勝利。

もっとも、ヒルサイズに近いジャンプが連発した女子2本目は、かなり風が強くなってきていた。
これが予想されていたため、この日は試技をキャンセルし試合開始を8時に早めてはいた。しかし、風は収まらず男子2本目はキャンセル。1本目の成績で試合は成立した。

その1本目にヒルサイズオーバーの131.5を飛び完璧なテレマークを難なく決めて見せた小林陵侑が圧勝。
陵侑は全日本選手権ラージヒル連覇。

全日本選手権ラージヒル歴代優勝者

大 会 男子 女子
第94回  作山 憲斗(北野建設)  
第95回  竹内 択(北野建設)  
第96回  葛西 紀明(土屋ホーム)  
第97回  伊東 大貴(雪印メグミルク)  
第98回  小林 陵侑(土屋ホーム)  
第99回  佐藤 幸椰(雪印メグミルク)  
第100回  小林 陵侑(土屋ホーム)  高梨 沙羅(クラレ)
第101回  小林 陵侑(土屋ホーム)  高梨 沙羅(クラレ)

二冠を狙っていた二階堂蓮ではあったが、1本目で18.5ptの差がついてしまっていたので、2本目が行われていたとしても逆転は難しかったか。

ただ、二階堂は、今季の国内戦で10戦出場し5勝、2位2位、3位2回。表彰台を逃したのは9位入賞の1回だけと、成績は見事に高値安定。
ルシュノフでグランプリ初出場にして初優勝の他、コンチネンタルカップでも2試合連続で2位など、申し分のない成績を上げ、SAJの強化指定は受けていないが11月4日に始まるワールドカップ開幕メンバーに選出された。

なお、金曜のNHで3位だった山本涼太が今日のLHでも2位。
北京オリンピック複合団体の銅メダリストだが、今年の全日本選手権は複合勢の活躍が目立った。
この理由は私にはわからないが、スペシャルジャンプを追っかけている者の一人として、なかなかに衝撃的なことではあった。

今季の国内戦の表彰台(男子)

大会1位2位3位
全日本朝日二階堂 蓮 岩佐 勇研 馬淵 源
小林 朔太郎
サンピラー記念岩佐 勇研渡部 弘晃坂野 旭飛
札幌市長杯NH小林 陵侑二階堂 蓮竹花 大松
札幌市長杯LH小林 陵侑佐藤 幸椰二階堂 蓮
渡部 弘晃
チャレンジ杯二階堂 蓮渡部 弘晃小林 陵侑
サマー蔵王小林 陵侑二階堂 蓮岩佐 勇研
塩沢二階堂 蓮
藤田 慎之介
竹花 大松
馬淵 源
白馬サマー二階堂 蓮渡部 弘晃葛西 紀明
鹿角サマー岩佐 勇研渡部 弘晃馬淵 源
全日本選手権NH二階堂 蓮小林 陵侑山本 涼太
全日本選手権LH小林 陵侑山本 涼太二階堂 蓮

今季の国内戦表彰台(女子)

大会1位2位3位
全日本朝日伊藤 有希 佐藤 柚月 久保田 真知子
サンピラー記念伊藤 有希久保田 真知子中山 和
札幌市長杯NH丸山 希伊藤 有希岩崎 里胡
札幌市長杯LH伊藤 有希中山 和久保田 真知子
チャレンジ杯伊藤 有希岩崎 里胡五十嵐 彩佳
サマー蔵王伊藤 有希高梨 沙羅丸山 希
塩沢伊藤 有希高梨 沙羅岩佐 明香
白馬サマー伊藤 有希丸山 希宮嶋 林湖
鹿角サマー小林 諭果一戸 くる実櫻井 梨子
全日本選手権NH高梨 沙羅伊藤 有希丸山 希
全日本選手権LH高梨 沙羅伊藤 有希勢藤 優花

この日の試合の結果を受けて、11月4日に開幕する2022/23シーズンのワールドカップの序盤戦派遣メンバーがマスコミを通じて明らかにされた。

男子WC序盤戦派遣メンバー
  • 小林 陵侑(土屋ホーム)
  • 佐藤 幸椰(雪印メグミルク)
  • 小林 潤志郎(雪印メグミルク)
  • 中村 直幹(Flying Laboratory)
  • 佐藤 慧一(雪印メグミルク)
  • 二階堂 蓮(日本ビール)
国際競技大会派遣選手選考基準 【男子】

WC ヴィスワ/ルカ/ティティゼー/エンゲルベルクの選考方法

  1. 全日本選手権LH優勝者
    ※GF/WF使用の場合限定
  2. 2021/22 WCスタンディング上位3名の選手
  3. 2022/23 COC第1第2ピリオドスタンディング3位以内の選手
  4. 2022/23 SGPで8位以内の成績を収めた選手
    ※前シーズンWCスタンディング10位以内の選手が50%以上出場した試合のみ
  5. 上記選考においてクォーター数に満たない場合は2022/23シーズンのワールドランキング上位の競技者を選出する 10/3時点

選考基準【男子】

女子WC序盤戦派遣メンバー
  • 高梨 沙羅(クラレ)
  • 伊藤 有希(土屋ホーム)
  • 勢藤 優花(YAMAtune)
  • 宮嶋 林湖(松本大学)
  • 丸山 希(北野建設)
    ※ただし12/3のリレハンメルから
国際競技大会派遣選手選考基準 【女子】

WC ヴィスワ/リレハンメル/ティティゼー/フィラッハリュプノの選考方法

  1. 2021/22 WCスタンディング30位以内の競技者
  2. 全日本選手権NH・LH優勝者
    ※GF/WF使用の場合限定
  3. 2022/23 SGPで10位以内の成績を2回以上収めた競技者
    ※前シーズンWCスタンディング10位以内の競技者が50%以上出場した試合のみ
  • 過去2年間にWC又はSGP 3位以内に入賞した実績のある選手が、けが等のやむを得ない理由で上記の基準を満たさなかった場合、理由となるけが等の事情の発生前における同選手の成績を上記基準に照らして評価し、選考する。

選考基準【女子】

丸山希の参加が遅れることについては、怪我の回復を考慮してのものと思われる。
その点も含めて、個人的には選考された顔ぶれには何の異存もない。
大いに力を発揮してきてほしいし、それができるメンバーだと思う。