スキージャンプFISグランプリ2022男子個人第6戦クリンゲンタール【総合成績】

クバツキが3度目のGP総合優勝 二階堂連はGP初参戦で総合5位

2022年10月2日(日)クリンゲンタール(GER)HS140/K125

9th Grand Prix Competition

1  ダヴィド・クバツキ(POL) 271.8pt
2  小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 260.1pt
3  ダニエル-アンドレ・タンデ(NOR) 256.0pt
 
11  二階堂 蓮(日本ビールスキー部) 228.9pt
16  中村 直幹(Flying Laboratory SC) 215.5pt
27  小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) 192.2pt
50  清水 礼留飛(雪印メグミルクスキー部) 42.7pt
   佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) 予選落ち
   佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) 予選落ち

予選 リザルト


クバツキが3勝目を挙げ、2017年2019年に続く3度目のGP総合優勝に輝いた。
2020年も総合1位だったが、コロナの影響で2試合しか開催されなかったので総合優勝のタイトルは設けられなかった。
いずれにしても夏に強い。いや、今や冬も普通に強いけど。

第5戦ヒンツェンバッハから参戦した小林陵侑は、その試合はスーツ違反で失格となったため個人戦としてはこれが今季最初で最後の出場。
悪天候の難しい試合ではあったけれど、しっかりとまとめて2位。

国内戦を見ても少し出遅れ感のある夏ではあったけれど、昨日の混合団体でのパフォーマンスも含めて全く問題なく仕上がってきたように思う。

その小林陵侑を脇に追いやるほど、この夏目覚ましい活躍を見せた二階堂蓮。
各国ほぼベストメンバーが揃う中での11位は見事だ。

GP初参戦にして初優勝となったルシュノフでの衝撃から3連続上位でのポイント獲得で総合5位。
WCに参戦しても普通に戦えるだろうと思わせるに十分な成績だ。

一方、佐藤幸椰は苦しんだ。
ルール変更に伴いスラットナーの板の先端の形状が変わった。まずはその適応に時間を要した。
また、報道によるとレーザーを使っての新しい身長測定方法により身長が4cm小さく登録されたことで板を6cmも短くしなくてはならなくなった。

でも、きっと冬シーズンにはアジャストしてくるだろう。
それができる選手だ。


グランプリ総合順位

1 ダヴィド・クバツキ(POL)3803勝
2 マニュエル・フェットナー(AUT)2101勝
3 カミル・ストッフ(POL)1821勝
4 パヴェル・ヴァセク(POL)1752位
5 二階堂 蓮(日本ビール)1691勝
13 中村 直幹(Flying Laboratory)8710位
15 小林 陵侑(土屋ホーム)802位
19 小林 潤志郎(雪印メグミルク)748位
21 清水 礼留飛(雪印メグミルク)608位
25 佐藤 慧一(雪印メグミルク)5811位
66 渡部 陸太(東京美装)925位
72 藤田 慎之介(東海大学)726位
 佐藤 幸椰(雪印メグミルク)0

個人総合順位

大会別優勝者

1 ダヴィド・クバツキ(POL) ヴィスワ(HS134)
2 カミル・ストッフ(POL) ヴィスワ(HS134)
3 マニュエル・フェットナー(AUT) クーシュベル(HS135)
4 二階堂 蓮(日本ビール) ルシュノフ(HS97)
5 ダヴィド・クバツキ(POL) ヒンツェンバッハ(HS90)
6 ダヴィド・クバツキ(POL)クリンゲンタール (HS140)

団体戦 大会別優勝国

1オーストリアルシュノフ(HS97-Super Team)日本3位
2オーストリアルシュノフ(HS97-Mixed Team)日本9位
2ノルウェークリンゲンタール(HS140-Mixed Team)日本4位

ネイションズカップ総合順位

1 ポーランド1384
2 オーストリア-131
3 ドイツ-520
4 日本-565
5 ノルウェー-587

国別総合順位


さて、10月5日にSAJから2022/23 国際主要大会参戦基準が示された。
WC開幕メンバーの選考基準を見る限りは、昨年までと大きく変わったように見受けられる。

昨年までは、前年度のWCランキング上位者に偏重していたきらいがある。
当然といえば当然ではあるのだけれど、ことコロナ禍においては、これだと国内組がノーチャンスとなってしまう。(全日本選手権優勝者という基準もあるが、事実上かなりの狭き門)

というのも、ここ2シーズンは日本でのCOC、GP、WCの開催が無かった。
つまり国内組は、そもそもWCポイントを獲る機会は全く与えられていなかったわけで、従来通りのWCランキング上位者という基準だけでは、昨季のWCメンバーがそのまま先行されるだけに終わってしまう。

こうした状況に配慮しての基準なのだろう。
前年度のWCランキング上位者のウェイトを減らし、代わってこの夏のコンチネンタルカップとグランプリの成績も加味されるようになった。

個人的にはバランスの取れた選考基準だと評価したい。
ただし、発表するタイミングは大いに疑問が残る。
今夏のCOCとGPの成績を選考基準に含めるのであれば、先に発表すべきであって、これでは夏のCOCとGPの結果に合わせて基準を「あて書き」したように見えなくもない。

まぁ、この基準によって選考される選手に対しては全く異存はないけど。

国際競技大会派遣選手選考基準 【男子】

WC ヴィスワ/ルカ/ティティゼー/エンゲルベルクの選考方法

  1. 全日本選手権LH優勝者
    ※GF/WF使用の場合限定
  2. 2021/22 WCスタンディング上位3名の選手
  3. 2022/23 COC第1第2ピリオドスタンディング3位以内の選手
  4. 2022/23 SGPで8位以内の成績を収めた選手
    ※前シーズンWCスタンディング10位以内の選手が50%以上出場した試合のみ
  5. 上記選考においてクォーター数に満たない場合は2022/23シーズンのワールドランキング上位の競技者を選出する 10/3時点

選考基準【男子】

国際競技大会派遣選手選考基準 【女子】

WC ヴィスワ/リレハンメル/ティティゼー/フィラッハリュプノの選考方法

  1. 2021/22 WCスタンディング30位以内の競技者
  2. 全日本選手権NH・LH優勝者
    ※GF/WF使用の場合限定
  3. 2022/23 SGPで10位以内の成績を2回以上収めた競技者
    ※前シーズンWCスタンディング10位以内の競技者が50%以上出場した試合のみ
  • 過去2年間にWC又はSGP 3位以内に入賞した実績のある選手が、けが等のやむを得ない理由で上記の基準を満たさなかった場合、理由となるけが等の事情の発生前における同選手の成績を上記基準に照らして評価し、選考する。

選考基準【女子】

心配されていた丸山希の扱いをどうするのかについても示されたとみてよい。
怪我から復帰したばかりの丸山は、1と3の条件には該当しないが、過去2年間にGPでの表彰台が2回ある。

まぁ、これについても全く異存はないけど。