葛西紀明が接戦を制し国内2連勝 岩佐明香は大差で2連勝 森大耀と岡部凛大郎も他を圧倒

女子組
1 | 岩佐 明香(大林組スキー部) | 234.7pt |
2 | 小林 諭果(CHINTAIスキークラブ) | 171.4pt |
3 | 中山 和(日本ビールスキー部) | 137.9pt |
4 | 櫻井 梨子(あいおいニッセイ同和損保) | 130.1pt |
5 | 斎藤 優(早稲田大学) | 119.8pt |
6 | 鴨田 鮎華(ブレイズスキーチーム) | 77.6pt |
ジュニア組
1 | 森 大耀(札幌福井野中学校) | 184.4pt |
2 | 姫野 蒼大(札幌前田中学校) | 93.8pt |
3 | 長谷川 琉已(名寄中学校) | 48.2pt |
4 | 菅原 暁仁(上士別中学校) | 0.0pt |
5 | ||
6 |
少年組
1 | 岡部 凛大郎(下川商業高校) | 195.8pt |
2 | 三上 託摩(余市紅志高校) | 151.6pt |
3 | 佐々木 星語(札幌日大高校) | 148.9pt |
4 | 布施 飛雄真(日大山形高校) | 111.8pt |
5 | 西田 蓮太郎(下川商業高校) | 79.5pt |
6 | 清水 広大(余市紅志高校) | 50.7pt |
成年組
1 | 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) | 250.8pt |
2 | 小林 潤志郎(Wynn.) | 248.9pt |
3 | 竹内 択(team taku) | 244.2pt |
4 | 内藤 智文(山形県スポーツ協会) | 241.7pt |
5 | 竹花 大松(土屋ホームスキー部) | 221.0pt |
6 | 栗田 力樹(COOTS SC) | 207.8pt |
葛西紀明が先週のTVh杯に続き国内2連勝。
1本目で138.0mを飛びトップに立つと、2本目は127.5mとやや控えめな飛距離ながら、1.9pt差に迫りくる小林潤志郎から逃げ切った。
この日の大倉山は、いつも以上の強い向かい風。激しい降雪もあり試合は度々中断。
女子の2本目が始まったところでは1時間の中断を余儀なくされた。
向かい風が時折凪ぐことと雪でアプローチが詰まることを考慮したためか、強い向かい風の割には高速設定。
よって、130mオーバーが男女合計で9本飛び出した。
好調な葛西紀明だが、5日後に迫るWC札幌大会ではシビアなゲート設定になる。
同じようなパフォーマンスを発揮することは難しいかもしれない。
それでも、何かやってくれるのではないかという期待感をこの男は抱かせてくれる。
昨年は、第1戦で見事に予選を突破し2019/20札幌以来となる4シーズンぶりのWC出場を果たした。
これにより自身の持つWC最多出場記録を570試合に更新。さらには51歳での出場によりWC最年長出場記録も塗り替えた。
30位となり2018/19プラニツァ以来、実に5シーズンぶりにポイントも獲得した。
「自分でも期待している」
その言葉は力強い。
成年組






大ジャンプ合戦の口火を切った栗田力樹や、1本目で2位につけた竹花大松、あるいは昨年に続く自社大会優勝を目指す雪印メグミルクチームの坂野旭飛や工藤漱太の奮闘もあったが、終わってみればWC札幌大会の代表4名が上位を占めた。
WC札幌大会の後にはノルディック世界選手権が控える。
派遣されるのはWCスタンディングの上位5名。
下記は、WC札幌大会に選出された10名と現在のWCポイントの一覧。
- 小林 陵侑(TEAM ROY)366
- 二階堂 蓮(日本ビールスキー部)303
- 中村 直幹(Flying Laboratory SC)110
- 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部)12
- 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部)10
- 小林 朔太郎(雪印メグミルクスキー部)10
- 小林 潤志郎(Wynn.)
- 内藤 智文(山形県スポーツ協会)
- 葛西 紀明(土屋ホームスキー部)
- 竹内 択(team taku)
小林陵侑、二階堂蓮、中村直幹の上位3名は当確と言ってよいだろう。
が、残る2枠はまだまだ全然わからない。
WC札幌大会は、佐藤幸椰以下7名による世界選手権出場権の残り2枠を懸けた争いにも注目だ。
ジュニア組




雪印メグミルク杯は「若手ジャンパーの登竜門」的位置づけで長らく開催されてきたため、少年組(高校男子)だけでなくジュニア組(中学男子)の設定がある。
中学男子は、大倉山での他の国内戦には少年組としてエントリーされるが、ジュニア組として参戦するこの大会では、少年組・成年組とは切り離されているためゲート設定が異なるという点が大事なポイント。
いつもはシニア選手と同じゲートで飛ぶので飛距離を出すことが難しいが、この大会では彼らの力に合わせたゲートが設定されているので大ジャンプが期待できる。
ただ、森大耀にとってはあまり関係なかったか。
1本目で126.0mを飛んだが、先日のTVh杯ではシニアと同じゲートで129.0mを飛び8位になっている。
いずれにしても、この日はダブルスコアほどの大差をつけて圧勝。
複合のオリンピアン森敏さんを父に持ち、東海大に進んだ兄の恢晟に続く逸材。
コンバインドの選手として強化指定Dを受けているが、スペシャルの選手に負けないジャンプの力を持つ。
ゆえに、2月11日(日本時間12日未明)から始まるノルディックジュニア世界選手権手ではスキージャンプの代表として出場する。
少年組






昨年はインターハイと日程が重なったため参加1名と寂しかった少年組。
今年は、そのインターハイを終えたばかりの選手らが11名参戦した。
インターハイでは9位に終わり「悔しさマックス」だったという岡部凛大郎が、2位からの2本目で135.0mを飛んで2位に44.2ptもの大差をつける逆転優勝。
成年組と併せた男子総合でも11位。2本目だけで見れば3位!
昨年までとは違い空中でテールを大きく開き深く前傾を掛ける攻撃的で鋭いスタイルに変わった岡部凛大郎。それがしっかりと自分のものになってきている。
昨年はジュニア組を制し、今年は少年組を制した。「二階級制覇」を成し遂げたので「三階級制覇」を達成して「父に近づきたい」とのこと。
尊敬する父ー岡部孝信ーを超える選手となることを目標とする。
女子組






WC正規チームの5名に加えて、レークプラシッドに派遣された3名も不在。
更には悪天候によりこの日に順延されたインターハイ組の5名の高校生が棄権。
よって参加は9名のみと少し寂しい陣容となった女子組。
その中で岩佐明香が他を圧倒した。
2本目では女子組で唯一の130mオーバーとなる134.0m。葛西紀明と同じく2試合連続の優勝となった。
国内戦では随分とたくましくなったと感じさせるが、WCではその姿が影をひそめてしまう。せっかくの実力が発揮されずに何とももどかしい。
2位の小林諭果は、2024年3月の伊藤杯ファイナル以来の表彰台となるはず。
中山和は2試合連続の3位。
表彰式







なお、恒例のジュニア特別奨励賞は森大耀(札幌福井野中学校)
前述の通り森大耀はこの試合の後、急ぎレークプラシッドでのジュニア世界選手権へと向かうことになる。
この試合に出場した選手としては他に、坂野旭飛(雪印メグミルクスキー部)、杉山律太(東海大学)、佐々木星語(札幌日大高校)、斎藤優(早稲田大学)もアメリカに旅立つ。

雪上シーズン国内戦の表彰台(女子)
大会 | 優勝 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
名寄ピヤシリ | 岩佐 明香 | 宮嶋 林湖 | 佐藤 柚月 |
名寄吉田杯 | 岩佐 明香 | 宮嶋 林湖 | 佐藤 柚月 |
HBCカップ | 勢藤 優花 | 伊藤 有希 | 葛西 春香 |
TVh杯 | 岩佐 明香 | 佐藤 柚月 | 中山 和 |
雪印メグミルク杯 | 岩佐 明香 | 小林 諭果 | 中山 和 |
カツゲンカップ | |||
札幌五輪記念 | |||
宮様ノーマル | |||
宮様ラージ | |||
伊藤杯ファイナル |
雪上シーズン国内戦の表彰台(男子)
大会 | 優勝 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
名寄ピヤシリ | 佐藤 幸椰 | 坂野 旭飛 | 成田 絆 |
名寄吉田杯 | 佐藤 幸椰 | 坂野 旭飛 | 池田 龍生 山元 豪 |
HBCカップ | 佐藤 慧一 | 小林 朔太郎 | 中村 優斗 |
HTBカップ | R.ペデルセン | R.ヨハンソン | F.ヴィルムスタッド |
STVカップ | R.ヨハンソン | M.ミュラー | R.ペデルセン |
TVh杯 | 葛西 紀明 | 小林 潤志郎 | 内藤 智文 |
雪印メグミルク杯 | 葛西 紀明 | 小林 潤志郎 | 竹内 択 |
カツゲンカップ | |||
札幌五輪記念 | |||
宮様ノーマル | |||
宮様ラージ | |||
伊藤杯ファイナル |