2018/19 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第15戦札幌

クラフト連勝 ストッフ驚愕のヒルレコード

2019年1月26日(土) 札幌(JPN)HS137/K123 

 

 

19th World Cup Competition 

 シュテファン・クラフト(AUT)  270.1pt  132.0m  137.0m
 カミル・ストッフ(POL)  260.3pt  133.0m  148.5m
 ロベルト・ヨハンソン(NOR)  256.7pt  141.0m  127.0m
 
5  小林 陵侑(土屋ホーム)  250.5pt  131.0m  123.5m
18  伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部)  215.5pt  129.5m  122.5m
19  小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部)  213.4pt  125.5m 123.0m
20  佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部)  211.5pt  129.0m 123.0m
22  竹内 択(北野建設スキー部)  207.9pt  127.5m 122.0m
26  佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部)  197.1pt  124.0m   117.0m
32  葛西 紀明(土屋ホーム)  94.3pt 116.5m   
36  中村 直幹(東海大学)  89.8pt  118.0m  
38  伊藤 謙司郎(雪印メグミルクスキー部)  85.2pt  113.0m  
43  原田 侑武(雪印メグミルクスキー部)  81.3pt  115.5m  
44  作山 憲斗(北野建設スキー部)  76.7pt  112.0m   
45  内藤 智文(古河市スキー協会)  73.3pt 105.5m   
   栃本 翔平(雪印メグミルクスキー部)  予選落ち     

予選 リザルト オフィシャル リザルト


 

昨年は平昌オリンピックの関係もあって開催されなかった札幌大会。
今季は2年ぶりの開催であることに加え、リーダービブを身に纏い凱旋した小林陵侑、更にはトップ10選手が全員参戦… と、盛り上がる要素満載。

 

勝ったのはシュテファン・クラフト。
1週間前にザコパネで2シーズンぶりの勝利を挙げたばかりだが見事に連勝を果たした。
2本目でマチェイ・コットが持つWCヒルレコードを4.5mも更新する驚愕の148.5mを見せたカミル・ストッフが2位。
1本目で、最後に浮き上がるほどのひと伸びを見せたロベルト・ヨハンソンが2戦連続の表彰台となる3位。

 

期待の小林陵侑は2本とも最悪な風に当たってしまい結果は5位。

 


 


① シュテファン・クラフト(AUT)

 


② カミル・ストッフ(POL)

 


③ ロベルト・ヨハンソン(NOR)

 


4 ロマン・コウデルカ(CZE)

 


5 小林 陵侑(土屋ホーム)

 


6 ティミ・ザイツ(SLO)

 


7 ハルヴォア-エグナー・グランネル(NOR)

 


8 ダニエル・フーバー(AUT)

 


9 シュテファン・ライエ(GER)

 


10 マルクス・アイゼンビヒラー(GER)

 


18  伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部)

 


19 小林 潤志郎(雪印メグミルク)

 


20 佐藤 幸椰(雪印メグミルク)

 


22 竹内 択(北野建設)

 


26 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部)

 


32 葛西 紀明(土屋ホーム)

 


36 中村 直幹(東海大学)

 


38 伊藤 謙司郎(雪印メグミルクスキー部)

 


43 原田 侑武(雪印メグミルクスキー部)

 


44 作山 憲斗(北野建設スキー部)

 


45 内藤 智文(古河市スキー協会)

 


 

2本目。ストッフがスタートするや否や観客席にどよめきが起こった。
この強い向かい風でスタートさせるのか!
いつも通り高く飛び出したストッフ。100mに差し掛かる当たりで風は一段と力を増した。バーン横で見ていた私はその風に体を強く押されて少しよろめいたほど。
そんな強烈な風を受けながらもストッフはあわてず騒がず。
148.5mまで飛距離を伸ばし、驚くことに両足でしっかりと立って見せた。

 

昨年のTVh杯の小林陵侑も148.0mを飛んで話題となったが、あの時とは全然違う。
あの時の陵侑は、途中でヤバいと思ったようで明らかに高度を下げようと試みていた。そして着地でコケた。
でも、この日のストッフは「普通に着地できるか分からなかった」と後に語ってはいるものの、はた目には全く慌てる様子は見せずにフライトの曲線を崩すこともなく着地まで持って行った。

 

リザルトを見ると、この時の風速は2.17m/s
まぁ、途中で風が強まったので、スタート時点ではもう少し弱かったのではあろうけれど、よくスタートさせたものだと思う。
Jスポで元康氏が、今はシグナルの判断はコンピュータ―が行っているということを今季何度か話している。
ということは、ここでレッドではなくグリーンと判断したのはコンピューター?

 

だとすると、小林陵侑にレッドではなくグリーンを出したのもコンピューターなのか。
ストッフの2本目が2.17m/sもの強い風であったのに対して、陵侑の2本目は0.41m/sしかなく、WFで比較するとストッフの-23.4ptに対して-4.4pt。
こんなにも条件が違うのに、コンピューターはどちらもGOサインを出したということなの? しかも陵侑の方がゲートが2段低いのに。

 

なんか、コンピュータの設定はホントにこれで正解なのだろうか?

 

表彰式


ストッフ、クラフト、ヨハンソン

 


 

この札幌大会で見たかった選手が二人。
一人はマリウス・リンビーク。
昨年のCOC札幌大会で見られることを楽しみにしていたらWCに昇格。
今回ようやく見ることができた。この日は奮わず47位。

 

もう一人はヤン・ヘール。
3週間前のインスブルックでWCデビューを果たしたばかりの選手で、ザコパネでは団体戦メンバーに大抜擢されオーストリアの2位表彰台に大貢献したばかりの旬な選手。
札幌入りしてからも予選で転倒したもののただ一人130mオーバーとなる135.0mを飛び、そしてこの日は17位。

 

そんなヘールをはじめとして、遠い遠いSapporoまで遥々やってきてくれた海外選手たちに敬意を表し、下手な写真ではありますが個人的な好みで何人かをピックアップしてみた。

 


12 アンツェ・セメニッチ(SLO)

 


13 アンドレアス・ヴェリンガー(GER)

 


15 ダヴィド・クバツキ(POL)

 


16 アンツェ・ラニセク(SLO)

 


17 ヤン・ヘール(AUT)

 


21 クレメンス・アイグナー(AUT)

 


23 マニュエル・フェットナー(AUT)

 


 

トップ10選手が勢ぞろいし豪華な陣容となった2年ぶりの札幌大会。
ただ、2013/14シーズンから毎年札幌大会で勝利を挙げてきたぺテル・プレヴツが不在。
エントリーしていたとしても勝つことは難しかったと思われるがペーターのいない札幌大会はやはり寂しい。

 

 過去の札幌大会の表彰者
season 優勝 2位 3位
2009/10 1 トーマス・モルゲンシュテルン ヴァンク 伊東大貴
2 シモン・アマン 葛西紀明 コッホ
2010/11 1 セヴェリン・フロイント モルゲンシュテルン マリシュ
2 アンドレアス・コフラー フロイント モルゲンシュテルン
2011/12 1 伊東大貴 バーダル ストッフ
2 伊東大貴 ストッフ コフラー
2012/13 1 ヤン・マトゥラ ヒルデ クラニエッツ
2 ヤン・マトゥラ クラニエッツ ヴァンク
2013/14 1 ぺテル・プレヴツ ダミヤン 葛西紀明
2 イエルネイ・ダミヤン プレヴツ クラニエッツ
2014/15 1 ぺテル・プレヴツ クラフト コウデルカ
2 ロマン・コウデルカ ストッフ プレヴツ
2015/16 1 ぺテル・プレヴツ ドメン・プレヴツ クラニエッツ
2 アンデシュ・ファンネメル フォルファング 葛西紀明
2016/17 1 マチェイ・コット
ぺテル・プレヴツ
  クラフト
2 カミル・ストッフ ヴェリンガー クラフト

 

 

コメント

  1. こんにちは(^_^)

    豪華なメンツで行った甲斐のある札幌大会となりました。
    2本目は下で観ていましたが、風がめまぐるしく変わるなかであの148.5m。
    この時は雪も混じって凄い風でした(^^;)
    そりゃ飛ぶわなって。

    WFから陵侑は2日間とも運が無かったですね。
    屋外競技ですから仕方ないですけども。

    にしても幸椰の1本目、11.0ってジャッジが出たときはどよめきが起きていました。

    • FAさん、コメントありがとうございます。

      幸椰の11.0も確かにどよめきましたね。
      11.0って転倒したときのポイントですからね。

      Eジャッジは札幌スキー連盟の長南広基さんで、札幌の大会では技術代表なども務めるおなじみの人です。
      スタイルジャッジの経験も豊富な方ですから、なおさらあのジャッジは不可解です。
      単純に押し間違えたとか?
      いずれにしても飛型点には採用されていないので大勢に影響はなかったわけですが・・・
      わざとそれを狙ったとか? でも何のため?

      う~ん・・・