今年3月。大倉山ジャンプ競技場の山頂展望台に新しいフォトスポットが誕生したー
そう聞いて、矢も盾もたまらずに現地に行きたかったのだが、なかなか都合がつかずに2ヵ月余りが過ぎてしまった。
ようやく訪れたのは、好天に恵まれた5月の終わり。
- 探訪日:2023年(令和5年)5月27日
- 大倉山の気温は22℃
程よく風もあり、とても気持ちの良い探訪となりました。
まずは、いつも通り駐車場から展望エスカレーターで登っていく。
駐車場には4台ほどの観光バスが止まっていた。
海外の方の姿も多く見られ、インバウンドが復活してきたことを実感。
やはり、ここに来たなら10人中15人は山頂展望台に行くだろう。
リフトは次々と観光客を展望台へと運んでいく。
初めてここに来た方は、ぜひリフトを使って展望台に行ってみてほしい。スキーの経験のない方にとってはリフトに乗ること自体がアトラクションとなるはず。
ちなみに、乗り降りが難しい方には係の人がリフトを止めてくれる。
見ていると割と頻繁にリフトは止まるので、「迷惑かけちゃうんじゃないか」などと臆する必要はないと思う。
私はリフトを使わず遊歩道を行く。
お金(リフト往復大人1,000円、市民割引500円)がないわけではなく、日ごろの運動不足をこうした機会に少しでも解消したいが為。
前回ここを登った時(ぶらりシャンツェ探訪7 大倉山ジャンプ競技場 奥三角山縦走 編)には遊歩道については “苦も無く展望台までたどり着けた” の一言しか書いていなかったので、今回は少しだけ道中の様子を紹介する。
このような階段や…
…このような山道を登っていく。
途中、こんな景色や…
…こんな景色を楽しめる。
ちなみにこれはカンテとコーチ台。わかりずらいと思うけど。
山頂までは所要15分程度だろうか。
前回は “苦も無く展望台までたどり着けた” けど、今回は結構つらかった。
円山球場で高校野球をやっていたらしく応援団の声援が聞こえてきたが、それにずいぶんと励まされた。
そして、いよいよ ―
いた!
彼らは、下の写真の赤丸の場所にたたずんでいた。
よって、リフトで登っていけば彼らが出迎えてくれるような形になる。
かわいいではないか。
ところでコイツらはいったい何者なのか?
何故ここに座っているのか?
実は、こんなストーリーがあるらしい。
~クマとキツネが大倉山に描く夢~
日本新三大夜景にも選ばれた札幌の素敵な夜景を、こっそり見に来たクマとキツネは、ある日、思いがけなくスキージャンプを目にして、まるで鳥のように空へ舞い上がるその姿に強い憧れを抱きます。
『こんな綺麗な夜景に向かって飛び立てたら 』
その夜、大倉山の山頂には、ジャンプ台からの景色を眺める二匹の姿が。
憧れはいっそうふくらみ、大きな夢になってゆきます。
それから毎夜現れては、憧れのスキージャンパーとなった自分の姿を想像しながら、札幌の素敵な夜景に流れる星たちに願いを込めるのでした。
なんて素敵な!
3月に初めて彼らの姿をネットで見て一目ぼれ。以来、会いたくて会いたくて焦がれていたけど、こうしてストーリーと共に実物を目の当たりにすると、ますます愛おしくて堪らなくなる。
彼らの背負うビブナンバーは19と72。
これはもちろん1972年を表している。
第11回冬季オリンピックが札幌で開催されたのが1972年だ。
大倉山ジャンプ競技場ではスキージャンプ90m級が実施された。
このビブはビニールのような素材でできていて、よく見るとマジックテープで留められている。
つまり脱着可能。
クマ選手が総合優勝争いを繰り広げるほどの大きな番号を背負っているのに対して、キツネ選手は2本目に進むことができるかどうかの番号。
キツネ選手にも、もっと大きな夢を見させてあげたい。西暦縛りだと彼が30番台を付けるのは1,000年先になってしまう。
実はこの日ここに来るにあたって心配事が一つあった。
観光客も多い季節。ひょっとして彼らの前に人だかりができて、撮影がままならないのではないかと。
でもそれは杞憂に終わった。
みなさん割と彼らをスルーしていく。意外と不人気?
一方で、ここに来た10人中20人が撮るであろう下のような写真をパシャパシャ撮っている。
いや、もちろんここに来たらこの写真は絶対に外せない。だからたくさん撮って帰ってほしい。
でも、クマとキツネの写真ももっと撮ってあげてほしい。
そこで提案なのだが、~クマとキツネが大倉山に描く夢~ のストーリーを彼らの傍らに掲示してはいかが?
彼らが何者で、なぜここに座っているのかを知れば、きっと誰もが彼らを好きになると思う。