スキージャンプの結果を下手な写真でお伝えするブログです

ぶらりシャンツェ探訪10 麓郷シャンツェ

2021年3月24日、俳優の田中邦衛さんが亡くなった。
若大将シリーズや網走番外地シリーズ等の名バイプレイヤーとして人気を博した邦衛さん。
でも、その代表作といえば、やはり、なんといってもテレビドラマ「北の国から」

1981年に連続ドラマとして始まった「北の国から」は、その後ドラマスペシャルとしてシリーズ化され、2002年まで8編に渡って放送された。

ドラマの舞台となった北海道富良野市は一躍全国に名を知られるようになり、中でも麓郷ろくごう地区はドラマが終了して20年にもなろうとする現在でも聖地巡礼としてファンが訪れる人気の地となった。

その麓郷地区に、麓郷シャンツェと呼ばれる小さなジャンプ台があることを知る人はどれほどいるだろうか。

  • 探訪日:2013年(平成25年)7月16日
  • そのうち記事にしようと思ったまま8年が過ぎてしまいました。
  • ジャンプ台の写真は8年前のものなので、今とは状態が異なるかもしれません。

麓郷シャンツェがあるのは、麓郷の市街地から西に1kmほどの道道544号線沿いの小高い丘の中腹。
地図上の「麓郷神社」の文字のある地点から西に500mほどのあたり。
(ちなみに、この麓郷神社も「北の国から」の聖地のひとつ)

おそらく農地なのであろう。
小高い丘には、きれいな芝生が広がっており、訪れた時には農業用の車両がその芝を刈っていた。
広い芝生の中央には横長の長方形にそこだけ木が生い茂っており、シェンツェはその茂みの端に隠れるか隠れないかの場所にあった。

農地なのて近くまでは行けない。
道路沿いから望遠で撮ったが、茂みが邪魔をして全体像がつかめない。
それでも確認できたことは、木造であること。そして、どうやらかなり傷んでいるらしいこと。
写真では、丸太を横に並べて作ったアプローチ部分が大きく歪んでいることがわかる。

一方、廃シャンツェマニア(?)の間ではお馴染みの、北海道大学競技スキー部さんのブログに掲載された写真を見ると、アプローチ部分に歪みが無く、また、スタート地点の形状がはっきりと見て取れる。

大きさ的には荒井山のスモールヒル(K25)ぐらいだろうか?
ところで、このシャンツェは、いつ頃ここに作られて、どのような使われ方をしてきたのか。
そしていつ頃まで使われていたのか
いや、ひょっとして修繕されて今も使われているのか

ジャンプ少年団の小学生が使うサイズの台なので、大きな大会が開かれたということはなかったとは思うが、色々と調べてはみたけれど経歴についての詳細は分からずじまい。

撤去されずに此処に存在し続けていることに、何らかのポジティブな意味合いがあるのだと信じたい。
そして “人知れず” で構わないので、今後も此処に存在し続けてくれることを願いたい。

ところで富良野には他にも、富良野シャンツェと呼ばれる台も存在していた。
こちらは富良野の中心街からほど近い朝日ヶ丘公園(通称:なまこ山)にあったとされる。
それゆえに、朝日ヶ丘シャンツェとも呼ばれていたらしい。

富良野市の資料などに記述があるので、1972年(昭和47年)12月に完成した70m級の台であったことは確かなようだ。
1975年(昭和50年)2月の第30回冬季国体(輝く太陽きらめく新雪、人情(なさけ)が招く富良野国体)で使われたようなので、この国体に合わせて作られたということなのだろう。

国体の記録では朝日ヶ丘シャンツェと記載されているので、こちらが正式名称なのかもしれない。
なお、その記録を見るとK点は86m。

ちなみに、この国体の成年男子3部の優勝は笠谷幸生、2位は青地清二、成年男子2部の3位は金野昭次。
彼らがメダルを独占した札幌オリンピックが開かれたのは、この3年前だ。

また、完成した年の冬の終わりである1973年(昭和48年)3月には第1回富良野ジャンプ大会が開催されており、1974(昭和49年)年に第2回大会(優勝は笠谷幸生)、1979年(昭和54年)に第4回大会が開かれたことまでは何とか調べられた。

そこから先は不明なのだが、どうやら大会は開かれなくなっていき、やがてシャンツェは撤去されてしまったようだ。

朝日ヶ丘シャンツェ(富良野シャンツェ)についてまとめると、次の通りとなるであろうか。

  • 1972年(昭和47年)12月に完成
  • 70m級でK点は86m
  • 1975年(昭和50年)2月の第30回冬季国体(富良野国体)で使用された
  • 富良野ジャンプ大会が、1973年(昭和48年)~1979年(昭和54年)の間に少なくとも4回開催された
  • やがて大会は開催されなくなっていき、いつの頃かシャンツェは解体撤去された

なお、富良野には他にも、北の峰カメヤシャンツェと呼ばれる台があったようだ。
1967年(昭和42年)12月に完成した30m級の台で、北の峰スキー場(現在の富良野スキー場 北の峰ZONE)内にあったらしい。

なお、朝日ヶ丘公園と北の峰スキー場は1kmほどしか離れておらず、両者を結ぶ一帯が北の峰町であるため、朝日ヶ丘シャンツェと北の峰カメヤシャンツェを混同して書かれているネット記事も散見されるが、両者は別物であると思われる。

さて、麓郷シャンツェだが―
冒頭で書いた通り、周辺には「麓郷の森」、「五郎の石の家」、「拾ってきた家」など「北の国から」の聖地が点在している。

それらの写真はないのかって?

はい。一切ございません。

ここまで「北の国から」について色々と書いてきたけれど、実のところ私は「北の国から」を一度も見たことがない。
富良野が舞台であることはもちろん知っていたけれど、麓郷という地名が存在することも麓郷シャンツェの存在を知るまで知らなかった。

なので、シャンツェ探訪したこの日も、ここが「北の国から」の舞台となった地であることなど全く知らず、よって、ジャンプ台の写真だけ撮って帰ってきたしだい。

また訪れる機会があれば、今度は聖地の写真も撮ってこようと思う。
でも、いつになることやら。