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岩見沢駅から道道38号線を15キロほど走った山あいにある美流渡。
かつては炭鉱町であり、1985年(昭和60年)までは国鉄万字線が走り美流渡駅があった。
この町で黒山義行さんが50年ほど前に地元の子供を集めてジャンプ少年団を結成。
そして、たった一人で作り上げたのが美流渡シャンツェだ。
- 探訪日:2013年5月26日
- 2015年5月に公開した記事ですが、この度(2020年6月)リライトしました。
画像サイズも大きくし、新たに数枚追加しています。 - 探訪日は、近くにヒグマが出没したと聞いたため、かなりビビりながらの撮影でした。
2009年に、NHKにっぽん紀行「山のシャンツェで大きくはばたけ」で黒山さんと子供たちの交流が紹介されるなどしたが、2012年に豪雪の影響で一番大きなジャンプ台が崩壊。
以後は、札幌などで練習するようになったらしい。
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左から、大、中、小と3つの台が並ぶ。
ただし、大はやぐらが崩壊してしまっている。
中と小の間に見えるのはジャッジタワーか。あるいはコーチ台か。
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崩壊してしまった大と、その横に立つ中。
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中は、それなりに手入れがされているように見える。
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どうやって上るんだろう?
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美流渡ジャンプ少年団の出世頭は西下 和記(岩見沢光陵中-北照高-日本空調サービス-2008年引退)
1999年ノルディックジュニア世界選手権で金メダルを獲得。
なお、同世界選手権での日本人男子での金メダルは2015年大会終了時点で西下ただ一人。
その後も、山田将平(2018年3月引退)、山田勇也(ガーデン鈴木)、渡部弘晃(東京美装グループスキー部)、相生啓佑(2020年3月引退)らがここを巣立った。
中でも渡部弘晃は、2019/20シーズンに頭角を現し、遂に自身初の海外W杯エントリーを果たした。
探訪した2015年当時は、山根和治(当時:岩見沢光陵中3年)と永山莉子(当時:中学1年)が在籍していたはず。
その後、山根和治選手は札幌日本大学高校→日本大学と進み、2019/20には全日本スキー連盟によりU20強化指定選手に選出されるほどに成長を遂げた。
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一番小さな台。
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登れそう。
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登ってみた。
こんな小さな台でも、けっこう怖ろしい。
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ブレーキングトラックは大、中、小が交わる。
カンテらしき構造物は見当たらないので、雪を積んで作るのだろうか?
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管理棟?
壁から煙突が伸び、外には灯油タンク。
どうやら、冬でも中は暖かいらしい。
写真左には朽ちた雪上車。
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もう一台の雪上車。
こちらは動くのだろうか?
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ブレーキングトラックの後端はせり上がっている。
こうした点も含めて、たった一人でこのジャンプ場を作ったということに、ただただ感嘆するばかり。
まさに、フィールド・オブ・ドリームス。
探訪日から7年が過ぎた。
美流渡ジャンプ少年団は、山根和治と永山莉子を最後に活動を終えたものと思われる。
美流渡シャンツェは、今はどのようになっているのだろうか?
いずれにしても、渡部弘晃や山根和治の活躍に、黒山義行さんも目を細めていらっしゃることだろう。