スキージャンプFISワールドカップ2022/23女子個人第1戦ヴィスワ

開幕戦をオプセットが制する 高梨沙羅6位

2022年11月5日(土) ヴィスワ(POL)HS134/K120

1st World Cup Competition

1  シリエ・オプセット(NOR) 251.5pt
2  マリタ・クラマー(AUT) 244.2pt
3  エバ・ピンケルニッヒ(AUT) 243.1pt
 
6  高梨 沙羅(クラレ) 233.1pt
13  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 214.3pt
17  勢藤 優花(YAMAtune) 207.6pt
28  宮嶋 林湖(松本大学) 169.3pt

予選 リザルト


例年よりも早く11月の初旬に開幕を迎えた今シーズンのワールドカップ。
通常は6月から7月に開催されるサッカーW杯が、酷暑の地カタールでの開催ゆえに11月20日から12月18日にかけて開催されることになった。
バッティングを避け今季は変則的なスケジュールとなる。

女子WC初開催となるヴィスワ。男子においては過去に何度も開幕戦の舞台となってきたが、この時期はまだ降雪量が少なく人工雪で何とか体裁を保つということが度々行われてきた。
それゆえかバーンが荒れることも多く、2017年には転倒した伊東大貴が引退に追い込まれるかもしれないほどの重傷を右肩に負ったりもした。

ましてや今年は開幕が早いので今まで以上に降雪量は望めない。それならばとFISは思い切った施策に出た。
史上初の雪のないワールドカップ。助走路はアイストラックを用いるがランディングバーンは夏使用のプラスチックバーンを用いることとなった。

日本の国内戦では、2015年から全日本選手権が秋開催となったことに合わせてアイストラック+プラスチックバーンのハイブリット方式が採用され、あくまでも冬の大会として開催されてきた。
なので、今回のFISの施策には個人的には違和感はない。むしろ、怪我の心配や人工雪のコスト面を考えれば、もっと早くこうしていてもよかったのではと思うくらいだ。

ただし、リスクはある。この時期は日中であれば日差しが強いこともある。事実、アイストラックが溶けてしまい2016年第96回大会NH(蔵王)では男子2本目が、2018年第97回大会NH(白馬)では女子2本目がそれぞれキャンセルされたこともある。また、雨が降ればアイストラックの状態を保つことはより難しくなるだろう。
こうした理由から、2019年以降の全日本選手権はサマートラックが使われるようになった。

この日はまさに雨が降ったが、幸いにして大きな影響はなかったように見える。

思いっきり前傾をかけてアグレッシブに攻めたオプセットが今季最初のウィナー。
昨季オスロでの初優勝以来となる通算2勝目。

昨季の総合優勝者クラマーが2位。
3位は大怪我を負う前の2019/20リュブノ2位以来の表彰台となるピンケルニッヒ。

日本勢は、昨季の開幕戦と同じ6位で発進した高梨沙羅を筆頭に全員がポイント獲得。
中でも宮嶋林湖が、WC初出場にしてポイントを獲得できたことがうれしい。

そして何よりもうれしいのがマーレン・ルンビの復帰。
2021年3月に世界選手権オーベルストドルフLHで金メダルを取って以来1年半ぶりのFIS公式戦。
結果は16位で見事にポイントゲット。

一方、優勝争いに名を連ねてくると思われていたスロベニア勢はクリジュナルの7位が最高位。
もっとも、ヴィスワの後、女子は次戦リレハンメルまで1ヵ月も間隔があく。
今季はマテリアルに関するルール変更も多いので、リレハンメルを真の開幕と睨み今はまだ調整段階にあるというチームや選手もいるのかも。