クラマー驚愕の異次元ジャンプ 高梨沙羅6位
2021年11月26日(金) ニジニ・タギル(RUS)HS97/K90
1st World Cup Competition
1 | マリタ・クラマー(AUT) | 253.5pt |
2 | エマ・クリネツ(SLO) | 211.8pt |
3 | ダニエラ・イラシュコ-シュトルツ(AUT) | 207.4pt |
6 | 高梨 沙羅(クラレ) | 203.6pt |
26 | 岩渕 香里(北野建設) | 158.0pt |
44 | 勢藤 優花(北海道ハイテクAC) | 予選落ち |
45 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 予選落ち |
失格 | 岩佐 明香(大林組スキー部) | 予選/ブーツ |
女子開幕戦はクラマーが驚異的な強さを見せつけた。
予兆はあった。
前日の公式練習でただ一人K点越えを2本揃え2本ともトップ。
予選ではHSに迫る96.0mを飛びトップ。
明けて試合前の試技でも一人だけK点越えでトップ。
そんな凄いクラマーを越えられる選手はいないのではと思われたが、本戦のクラマーは軽々とこれを凌駕してみせた。
1本目でHSを7.5mもオーバーする104.5m
数値上ほぼ同じ条件だった高梨の93.0mとクリネツの92.0mよりも10m以上も遠くへ飛んだ。
その時点で暫定2位クリネツとの間に20.5ptもの差があったが、2本目でも96.0mを飛び、その差を41.7ptにまで拡げてみせた。
飛距離にして20mもの差。NHにおいてこの差は驚異的。まさに異次元の強さだ。
サラ・ヘンドリクソン、高梨沙羅、マーレン・ルンビ。
これまでにも異次元の強さを見せつけてきた選手はいるが、この日のクラマーの勝ちっぷりは、その誰よりも衝撃的なものだと個人的には感じられた。
クラマーはシーズンを跨いでの5連勝。
実はクラマーは、昨シーズンの開幕戦でも公式練習、予選、試技、そして本戦の計6本で全てトップを獲る完ぺきな勝利を挙げている。
それを皮切りにシーズン中盤までイエロービブを維持したが、コロナ陽性の疑いから2試合の欠場を余儀なくされ、その挽回の機会となるはずのRAW AIRも中止となってしまい総合3位に甘んじた。
今季こそはという思いも強いだろう。いずれにしても大本命であることに疑いはない。
2位は又も勝利に届かなかったクリネツ。2位は通算6度目だ。
3位は昨季一度も表彰台が無かったイラシュコ-シュトルツ。彼女が初めてFISのコンペティションに出場したころ、クラマーはまだ1歳にも満たない赤ん坊だった。
日本勢は全体に振るわなかった。
予選2位だった高梨は、1本目こそ3位で折り返したが結果は6位。
ややタイミングが合わなかったように見えたことと、飛距離のわりに着地が上手くいかなかった。
岩渕香里はポイントを獲得してまずは一安心だが、伊藤有希と勢藤優花は残念ながら予選落ち。
2018/19プレマノン以来の海外WC出場となった岩佐明香はブーツの違反により予選で失格となってしまった。