二階堂蓮2位、小林陵侑3位で日本勢11季ぶりのダブル表彰台 内藤智文6位 プレヴツは4連勝

Official Results
| 1 | ドメン・プレヴツ(SLO) | 275.1pt |
| 2 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 262.1pt |
| 3 | 小林 陵侑(TEAM ROY) | 261.0pt |
| 6 | 内藤 智文(山形市役所) | 252.0pt |
| 17 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 225.4pt |
| 27 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) | 207.4pt |
| 小林 朔太郎(雪印メグミルクスキー部) | 予選53位 | |
何から話せばいいのか分からないのでリザルトの順に―
勝ったのはドメン・プレヴツ。
前日に続いて唯一人ヒルサイズオーバーを2本揃えて快勝した。
破竹の4連勝。開幕から第5戦ルカの頃までは本命不在で日替わりに優勝者が出るような状況だったが、それが早くも懐かしく感じられるほどの無双っぷりだ。
プレヴツの勝利を”圧勝”ではなく”快勝”と書いたが、それは2位の二階堂蓮が素晴らしすぎたから。
特にプレヴツと同じ141.0mを飛び、プレヴツよりも高い飛型点を出した1本目のパフォーマンスは、プレヴツより条件が良かったにせよ圧倒された。
二階堂は、第5戦ルカで2位となりワールドカップ(WC)で初の表彰台を獲得。
その時は2本目がキャンセルとなった試合だったが、そこからわずか4戦で今度はしっかりと2本揃えて表彰台を決めて見せた。雄叫びが上がるのも当然だ。
トップ10に入るのが当たり前という段階をすぐに越えて、表彰台争いをすることが当たり前という状態に入ってきている。しかもこれは、一時的な”好調”というよりは、はっきりと”成長”だと感じさせる。
総合で5位につけており、日本チームの第2エースとしての地位を確固たるものにしているが、小林陵侑と並ぶWエースと呼ばれる日もそう遠くないのではないだろうか。
その小林陵侑は3位で今季4度目の表彰台。
チームメート同士の表彰台争いであり優勝争いでもあったが、1.1pt差で後輩を一段高いところに立たせることとなった。
男子において日本勢が二人同時に表彰台立つのは2014/15ルカで伊東大貴が2位、葛西紀明が3位になって以来、実に11シーズンぶり。
もちろん次はワン・ツーが見たい。いや、ワン・ツー・スリーが見たい。
日本勢二人に続いて、4位に”もう一人の日本人” ヴァランタン・フベールが入った。
23歳のフランスの新たなる希望は、第5戦ルカで初のシングルとなる5位だったが、今回は2本飛んでの自己最高位更新。
ヴァンサン・デコム‐セヴォアがそうだったように、なぜかフランス人ジャンパーは日本のジャンプファンの琴線に触れる。
そして、内藤智文―
13番スタートの1本目でヒルサイズに迫る139.5mを繰り出し、何度も何度もガッツポーズを見せた。
下の風をもらえてビックリしてテレマークを失敗したというが、暫定トップの状態をその後20人ほど守り続け1本目を11位で折り返すという胸躍る展開。
2本目で沈んでしまうことが本人も頭をよぎったというが、136.0mを飛び今度はしっかりとテレマークも決めてきた。
2本目はなんと3位の得点。1本目に比べると控えめなガッツポーズだったけど、喜びよりも安堵が勝っただろうか。
10月のコンチネンタルカップ(COC)で薄氷の1ポイント差でWC開幕ピリオドの追加枠を掴み獲った。今季WC第2戦で初挑戦から7年10ヵ月を掛けての待望のWC初ポイントを獲得。
そして、今ここに初のトップ10となる6位。
これにより、正直かなり困難なミッションと思えたSAJのミラノ・コルティナ五輪選考基準を1発でクリア。チーム内順位も4番手に浮上した。
ただ、状況は予断を許さない。
次戦エンゲルベルク終了時点で、現代表6名のうち1人がチームから外れることになる。
選考基準通りであれば上位5名が残ることになるが、しかし、五輪の4枠確保は少しシビアな状況になりつつある。オリンピック・アロケーションリスト上の4番手にいるのは小林朔太郎なので、枠確保のために彼を外すことは考えにくい。
次戦エンゲルベルクは、生き残りを懸けた正に運命の争いが繰り広げられることになる。
なお、五輪選考については、次の2つの記事を参考にされたし。
コンチネンタルカップ(COC)第3ピリオドの2試合がルカで行われ、小林潤志郎が第1戦で3位、第2戦で4位となった。
第3ピリオドは、この2試合のみで形成されているので、潤志郎のピリオド3位が決定。
これにより、WC開幕ピリオドに続いて次のピリオド(ジャンプ週間)においても日本は6枠を派遣できることとなった。
6枠目には、当然に小林潤志郎が収まることとなるだろう。
12/13
FISコンチネンタルカップ第1戦ルカ(FIN)
| 3 | 小林 潤志郎(Wynn.) |
| 16 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) |
| 18 | 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) |
| 36 | 渡部 陸太(東京美装グループスキー部) |
12/14
FISコンチネンタルカップ第2戦ルカ(FIN)
| 4 | 小林 潤志郎(Wynn.) |
| 12 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) |
| 14 | 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) |
| 32 | 渡部 陸太(東京美装グループスキー部) |
なお、COC第4ピリオドも今月27日と28日に行われるエンゲルベルクでの2試合のみ。
ここで誰かがピリオド3位以内に入れば続くピリオド(ザコパネと札幌)も6枠となる。
なお、『選考基準』を見ると、COCエンゲルベルクには今回の4名がそのまま派遣されると読み取れるが、SAJ発表の第6次男子遠征の派遣先にはルカしか明記されていない。
しかないとここに派遣しないという選択はあり得ないので、単に10日空くので一旦帰国するというくらいの意味しかないと思う。



