望洋シャンツェは、1999年(平成11年)の第54回みなとおたる国体の誘致のために、小樽市が約13億円をかけて1998年(平成10年)に建設したK80のノーマルヒルのジャンプ台。
小樽市民でさえその存在をあまり知らないこのシェンツェは、この夏、意外な賑わいを見せた。
- 探訪日①:2013年(平成25年)5月18日
- 探訪日②:2020年(令和2年)8月22日~23日
国体で使われて以降は主要な大会を誘致できず、競技利用は北海道スキー選手権大会や全道高校スキー大会等の、なんと僅かに7回だけ。
2007年(平成19年)以降は全く利用がなく、年間50万円とも100万円とも言われる維持管理費だけを垂れ流していたが、2016年(平成28年)4月1日付けで正式に廃止されたらしい。
廃止されはしたものの、費用が捻出できなかった為に望洋シャンツェは撤去を免れた。
ただ、一方でそれは、朽ち果てていく無残な姿が野ざらしとなることを意味する。
しかし、望洋シャンツェの余生は決して寂しいものとはならなかった。
ここは今、オートキャンプ場として利用されているのだ。
望洋シャンツェオートキャンプ場の営業がスタートしたのは2009年(平成21年)
しかし、これまでは、どちらかというと不人気な、もとい穴場と呼ぶべき知る人ぞ知るキャンプ場。
ジャンプ好き兼キャンプ好きの私も、初めてここを訪れた2013年(平成25)以降、いつかはここでキャンプをしなければならないと、半ば義務のように思ってはいた。
でも、穴場であるということと、家から1時間も掛からない近さから、”いつでも行ける” となってしまい月日は経つばかり。
ところが今年、コロナ禍にあって一気にブレイクを果たし、人気キャンプ場へと生まれ変わった。
折しもキャンプブーム。人気のキャンプ場のいくつかがコロナにより営業を見合わせたり入場者数を制限したりした為に、そこからあぶれた人たちが穴場だった望洋シャンツェオートキャンプ場に集まったのだ。
我が家もご多聞に漏れず。
“いつでも行ける” が “いまこそ行くべし” に変わった。
で、8月に遂にここを訪れることとなった。
結論から言えば、ここは素晴らしいキャンプ場だった。
これまで30ヵ所近くのキャンプ場を訪れている私にとっても、ここは間違いなく上位に入る。
オートキャンプ場なのでクルマの横づけができるし、きちんと区画割もされていて、その区画も必要十分な広さだ。
芝生が気持ち良いし、焚火もオーケー。トイレも水場もきれい。
利用者のマナーも良く、静かで快適なキャンプが楽しめる。
ジャンプ台を眺めながら飲む朝のコーヒーは、ジャンプファンにとって至福のひと時だ。
それにしても、立派な施設だ。
スタートハウスにしてもジャッジタワーにしても、パッと見は宮の森のそれを凌ぐ。
こんな素晴らしい施設が、たった7大会の使用だけで廃墟にされてしまうとは、なんとももったいない話だ。
どうです?
こんな景色を見ながらキャンプできるなんて、ジャンプファンならたまらないでしょ?
はい。たまらないです。
というわけで、2週間後にまた来ちゃった。
来シーズンもヘビロテ決定!