リンビークがスリリングなメダル争いを制し金 接戦を演じたヴェリンガーが2大会連続の銀 小林陵侑は7位

Official Results
金 | マリウス・リンビーク(NOR) | 265.5pt |
銀 | アンドレアス・ヴェリンガー(GER) | 263.2pt |
銅 | ヤン・ヘール(AUT) | 256.3pt |
7 | 小林 陵侑(TEAM ROY) | 250.0pt |
11 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 233.2pt |
22 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 223.8pt |
小林 朔太郎(雪印メグミルクスキー部) | スーツ失格 |
世界選手権という舞台にふさわしいスリリングなメダル争い。
争いを制したのはリンビーク。
まずは1本目で驚愕のパフォーマンス。向かい風を巧みにとらえグングンと108.0mまで飛距離を伸ばした。そして19.5が4つ並ぶ完璧なランディング。
当然の帰結としてトップに立ったが、同じように最高の姿を見せたヴェリンガーが3.3pt差で、ヘールが4.6pt差でこれを追う。
2本目のトップ10ではやや嫌な流れがあったが、最後の2人はまたも最高のパフォーマンスを発揮。
ヴェリンガーは目前で強烈なプレッシャーを与えたが、リンビークもこれに応え逃げ切った。
2週間前のWC札幌では、優勝した小林陵侑に勝るとも劣らない今季随一のパフォーマンスで2位となっていた。世界選手権に向けて着実にピークを合わせてきたであろうことがうかがえる。
2022北京オリンピック個人LHの金、2022フライング世界選手権での金に続く主要タイトルのうち3つ目の金。リンビークのビックマッチにピークを合わせる調整力は凄まじい。
リンビークと3.3pt差の2位で折り返し、2本目はトップの得点で最後は2.3pt差にまで追いつめたヴェリンガーが銀。
今季WCでは第4戦ルカで優勝しているとはいえ表彰台は今のところその1試合のみ。ゆえにこのメダルは望外の結果だろうが、ヴェリンガーはこの種目で2大会連続にして3度目の銀。2大会連続メダルだったガイガーも一歩及ばなかったとはいえ4位。世界選手権NHにおけるドイツ恐るべし。
銅のヘールは初のメダル獲得。
3位で折り返した2本目では、その前の6人が嫌な周期に入ってしまって苦しんだが、この流れに抗って表彰台に踏みとどまることができた。
一方、僚友のチョフェニックには何があったのか。
1本目は28位。憮然としてそのままコンテナハウスに引っ込んでしまった。数値上は彼の時だけ風が悪かったわけではないが、雨が強くなってきていたのでアプローチに影響しただろうか。
2本目はやや向かい風が収まってしまったとはいえ15番手の得点で結果は21位。
今季WCで8勝を誇り総合トップを走るチョフェニックが、まさかここで今季のワースト順位となるなんて。
WCのリーダーが必ずしも勝てない世界選手権とはいえ、何とも解せないパフォーマンスに終始してしまった。
ラージヒルでの起死回生に期待。
日本勢最高位は小林陵侑の7位。
1本目を3位と5.3pt差の7位で折り返し2本目でのメダル争いが期待されたが、2本目では嫌な周期に捕まったこともありジャンプアップはならなかった。
2本ともHSを超えて飛型点もばっちり。ただし上には上がいたというところか。
1本目に101.0mを飛び19点台が並ぶ飛型点で12位で折り返した中村直幹。
2本目も100.0mに届いたものの着地でバランスを崩し飛型点を大きく失ってしまった。
順位を大きく落とすと思われたが、トップ10選手の数名が嫌な周期につかまったこともあり1つ順位が上がって結果は世界選手権最高位となる11位。
二階堂蓮は1本目15位で、世界選手権の個人戦出場3試合目にして初の2本目進出を果たした。
もっとも今の力をもってすれば何の驚きもないが。
小林朔太郎は1本目を飛び終えた後にスーツの違反があり失格。苦い世界選手権デビューとなってしまった。
ところでこの試合。HSオーバーがバンバン飛び出しているのに一向にゲートを下げる気配がなかった。
試合としては非常に面白かったので何を言うものでもないが、HSを超えても19点台が並ぶ ―時には20点もチラホラのー テレマークランディングができている姿を次々と見せられると「HSとは…?」 という気がしないでもない。
男子個人ノーマルヒル歴代メダリスト
金 | 銀 | 銅 | |
---|---|---|---|
2007 | A.マリシュ | H.オリ | T.モルゲンシュテルン |
2009 | W.ロイツル | G.シュリーレンツァウアー | S.アマン |
2011 | T.モルゲンシュテルン | A.コフラー | A.マリシュ |
2013 | A.バーダル | G.シュリーレンツァウアー | P.プレヴツ |
2015 | R.ベルタ | S.フロイント | S.クラフト |
2017 | S.クラフト | A.ヴェリンガー | M.アイゼンビヒラー |
2019 | D.クバツキ | K.ストッフ | S.クラフト |
2021 | P.ジワ | K.ガイガー | A.ラニセク |
2023 | P.ジワ | A.ヴェリンガー | K.ガイガー |
NEW | M.リンビーク | A.ヴェリンガー | J.ヘール |