2017 FISノルディックスキー世界選手権ラハティ 男子個人NH

クラフトがヴェリンガーの追撃をかわし金

2017年2月25日(土) ラハティ(FIN)HS100/K90 

Men Normal Hill Individual 

金 シュテファン・クラフト(AUT) 270.8pt(99.5m 98.0m)
銀 アンドレアス・ヴェリンガー(GER) 268.7pt(96.5m 100.0m)
銅 マルクス・アイゼンビヒラー(GER) 263.6pt(95.0m 100.5m)

 

10 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 249.8pt(95.5m 94.5m) 
20 竹内 択(北野建設スキー部) 238.2pt(94.5m 91.5m)
28 葛西 紀明(土屋ホームスキー部)  221.7pt(90.0m 89.0m)

40 作山 憲斗(北野建設スキー部) 105.7pt(87.5m) 

 

オフィシャル リザルト

 


 

しびれる試合だった。
ラハティなのに風の影響も少なく、それがNHの特性とも相まっての僅差の争い。
わずか1.0ptの違いで順位が入れ替わる緊張感が最後まで試合を支配した。
なかなか味わうことのできない好ゲームだったように思う。

 

クラフトは強かった。
先日も書いたけれど、このところのクラフトは、なんて言うか自然体で飛んでる感じがする。それでいてとんでもない飛距離を出し、おまけにテレマークもバッチリ決める。
こうなっちゃうと、逆に付け入るスキがないというか、いったい誰がこの選手に勝てるんだろうかって思えてきちゃう。

 

勝てるとすればヴェリンガーだった。
最後は2.1pt差まで迫ったけれど勝てなかった。
ヴェリンガーにしてみれば、これ以上どうすればいいのかと言いたい心境だろう。
それぐらい素晴らしい出来だったと思う。

 

アイゼンビヒラーは今シーズン中に初勝利を飾ってもおかしくないパフォーマンスをWCでは見せていたけれど、ややムラがあるのが気になっていた。
でもこの試合ではそれが良い方に出たのか、2本目は最長不倒となるHSオーバー。
個人的には2014年札幌コンチ(こちら)以来の思い入れのある選手でもあるので、この銅メダルはすごくうれしい。

 

 

  世界選手権 男子個人NH 歴代メダリスト
 
2007 アダム・マリシュ ハリ・オリ トーマス・モルゲンシュテルン
2009 ウォルフガング・ロイツル グレゴア・シュリーレンツァウアー シモン・アマン
2011 トーマス・モルゲンシュテルン アンドレアス・コフラー アダム・マリシュ
2013 アンデシュ・バーダル グレゴア・シュリーレンツァウアー ぺテル・プレヴツ
2015 ルネ・ベルタ セヴェリン・フロイント シュテファン・クラフト

 

 

日本勢では、伊東大貴に感心させられた。
1本目は今季一番と言って良い出来だったんじゃないかな?
WCを蹴って国内調整したことが吉と出たと思う。
2本目は終盤で追い風が当たったかストンと落ちちゃったけれど、大貴にしては珍しく悔しさをかなり表に出していたよね。

 

曰く、「出し切れたと思うが、出し切ってこの差。トップ10は評価していいと思うし、ここまで上がれたのはいい傾向だと思う。ただ、悔しい気持ちの方が大きい」とのこと。
タラればを言っても仕方がないけど、あと1.0mあれば大貴は8位だったわけで・・・
ホントにこの試合は、僅かな違いで順位が入れ替わる緊張感あふれる試合だったとつくづく思うよ。