リンビークが攻めて金 佐藤幸椰9位
2022年3月12日(土)ヴィケルスン(NOR)HS240/K200
Flying Hill Individual
金 | マリウス・リンビーク(NOR) | 854.2pt |
銀 | ティミ・ザイツ(SLO) | 844.3pt |
銅 | シュテファン・クラフト(AUT) | 837.5pt |
9 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) | 764.2pt |
13 | 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) | 737.9pt |
33 | 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) | 137.5pt |
37 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 123.4pt |
リンビークはかなり攻めたように思う。それこそリスク覚悟で攻めた。
百戦錬磨のクラフトとの接近戦も、ドメン、ザイツ、ラニセク、ペテルらスロベニア勢が嵩にかかって攻めてきても、守りに入ることなく攻めの姿勢を貫いた。
リンビークはWCで通算7勝を挙げており、そのうち4つは今シーズン。それもシーズン中盤以降に獲っており好調ではあった。
その勢いのままに北京五輪LHで金。追い風でも攻めの姿勢を見せ小林陵侑を逆転して見せた。
とはいえ、フライングではどうか。
フライングに強いというイメージは全くない。
事実、これまでの最高位は10位で、それ以外は2本目に進めない試合が目立つ。
なので、ひょっとしたらリンビーク自身にも苦手意識があったのかもしれない。
それがある種の開き直りにもつながって、ひたすら攻めに徹することができたのではないか。
と、そんなふうに想像してみた。
一方でクラフトの4本目はやや消極的だったように見えた。
初日を終わってトップのリンビークとは僅か6.5pt差の2位。直線的なフライトのクラフトにとってこの台はあっているように思えた。
3本目を飛んで10.2ptの差。まだ全然いける。個人的にはクラフトの逆転勝利を信じていた。
が、4本目は8位。自身も「攻めが足りなかった」と。
リンビークにプレッシャーをかけたのはザイツだった。
3本目は2日間全飛躍中の最長不倒となる243.5m。
4本目でも235.5mを飛び4位から2位に浮上。リンビークを攻め立てた。
これに対し、ラストのリンビークのto beatは219.0m。
守りに入るか攻めに出るか微妙な状況だったかもしれないが、リンビークは攻めた。
こうして最後まで攻め続けたことが勝利を呼び込んだと思う。
また、今季WCで時折みられた飛距離が出ると着地で大勢を乱すようなところがなく、4本全てにおいて見事なテレマークランディングを決めたことも大きかった。
小林陵侑は、4本のジャンプでパフォーマンスの良し悪しがはっきり分かれた。
台に合わなかったのかもしれないが、調子自体が良くないサイクルになっているのかなという気がする。
一方、佐藤幸椰は初出場だった前回のフライング世界選手権での6位に続く2大会連続での1桁順位。
このところのWCでは厳しい成績が続いていたが、良くないサイクルを脱しつつあるか。
この後もフライングが続くが俄然楽しみになってきた。