ジワ 歓喜の絶叫 小林陵侑はメダルを逃す
2021年2月27日(土)オーベルストドルフ(GER)HS106/K95
Men Normal Hill Individual
金 | ピオトル・ジワ(POL) | 268.8pt |
銀 | カール・ガイガー(GER) | 265.2pt |
銅 | アンツェ・ラニセク(SLO) | 261.5pt |
12 | 小林 陵侑(土屋ホーム) | 250.0pt |
16 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルク) | 244.3pt |
21 | 佐藤 慧一(雪印メグミルク) | 236.8pt |
29 | 小林 潤志郎(雪印メグミルク) | 223.2pt |
金メダルに輝いたのは、予想外にもジワだった。
メダルを獲る力のない選手ではない。
今季ここまでのワールドカップの総合は7位。ワールドカップで通算2勝、世界選手権では2017ラハティLHで銅メダルを獲得している。
強豪ポーランドの中心選手で、トップジャンパーの一人に数え上げられる選手だ。
ただし、ややムラがあり成績が安定しないことと、陽気すぎるキャラクターも相まって、チャンピオンになることを想像することが難しい選手だったような気がする。
そんな選手が大舞台で輝いた。
勝利の瞬間に、いつものキャラクター通りの絶叫で喜びを表したジワ。
この男の勝利を祝福しない者などいないだろう。
1本目のラスト10人あたりから条件が良くなった。
その好条件に当たったのが、1本目トップのジワ、2位のラニセク、3位の陵侑、4位のガイガー、5位のクバツキといった面々。
ただし、その条件はすぐに収まり、ラスト4人は完全にハズレを引かされた。
ヨハンソンが13位、ストッフが23位、アイゼンビヒラーが14位、グランネルが16位。
この時点で勝負の行方はほぼついていたのかもしれない。
というのも、2本目は追い風が強まり、しかも、おそらく下の方の風が良くなかったので。
よって、一発逆転を狙って攻めれば攻めるほど墓穴を掘るような感じになってしまうように見えた。
小林陵侑もそんな感じだっただろうか。
1本目はトップと3.1pt差の3位。表彰台だけでなく金メダルも見えていた。
しかし、攻める意識が強すぎたのか踏切を盛大に踏み外してしまい、16番手の得点で12位まで順位を下げてしまった。
1本目のトップ5の他の面々が2本目でも安定していたのに対し、陵侑だけが大きく順位を下げた。ノーマルヒルに対する苦手意識が強く出過ぎた結果なのではという気がしてならない。
銀のガイガー、銅のラニセクは気負うことなく冷静に仕事をこなしたと思う。
特にガイガーはノーマルヒルを得意とするだけに一日の長があったのかもしれない。
ガイガーは前回大会LHでの銀に続く2度目のメダル獲得。
ラニセクは初のメダル獲得。
一方、1本目で下位に沈んだグランネルとヨハンソンは、2本目では本来の力を発揮して上位に上がってきた。
グランネルは金メダルの最有力候補だったけれど、やはり1本目が痛すぎた。
ワールドカップでは破竹の勢いで勝利を重ねてはいるが、ジャンプ週間では4位、フライング世界選手権では銀メダルと、今季ここまでで主要個人タイトルをまだ獲れていない。
3月5日の個人LHは、真価を問われる一戦となる。
男子個人ノーマルヒル歴代メダリスト
金 | 銀 | 銅 | |
2007 | A.マリシュ | H.オリ | T.モルゲンシュテルン |
2009 | W.ロイツル | G.シュリーレンツァウアー | S.アマン |
2011 | T.モルゲンシュテルン | A.コフラー | A.マリシュ |
2013 | A.バーダル | G.シュリーレンツァウアー | P.プレヴツ |
2015 | R.ベルタ | S.フロイント | S.クラフト |
2017 | S.クラフト | A.ヴェリンガー | M.アイゼンビヒラー |
2019 | D.クバツキ | K.ストッフ | S.クラフト |
NEW | P.ジワ | K.ガイガー | A.ラニセク |