小林陵侑がアイゼンビヒラーに0.2pt差で競り勝つ
2022年1月1日(土) ガルミッシューパルテンキルヘン(GER)HS142/K125
12th World Cup Competition
1 | 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) | 291.2pt | ボイドクラウズ |
2 | マルクス・アイゼンビヒラー(GER) | 291.0pt | 小林潤志郎 |
3 | ロブロ・コス(SLO) | 286.0pt | パシュケ |
6 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) | 267.9pt | キトサホ |
21 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 249.0pt | ビルムスタッド |
29 | 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) | 241.4pt | ストッフ |
44 | 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) | 105.8pt | アイゼンビヒラー |
53 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) | 予選落ち |
大偉業の再現を予感させる闘いだった。
小林陵侑がスキージャンプ界を席巻した2018/19シーズン。
第2戦ルカでWC初優勝を遂げたばかりの若者は、ジャンプ週間を史上3人目となるグランドスラムにより日本人として初制覇。その勢いのままシーズン13勝を挙げ日本人初のWC総合優勝に輝いた。
そのシーズンで陵侑とタイトル争いをしたのは2位クラフトと3位ストッフ。
でも、ジャンプファンの多くは、陵侑と直接的な優勝争いを演じることが多かったアイゼンビヒラーを最大のライバルと記憶しているのではないか。
そのシーズンにアイザイは1勝しか挙げていない。
一方で2位は4回。そして、その全てで上を見れば陵侑がいた。しかもそのうちの3回はかなりの僅差で。
- 第8戦オーベルストドルフ 陵侑優勝、アイザイ2位(僅か0.4pt差)
- 第9戦ガル-パル 陵侑優勝、アイザイ2位(僅か1.9pt差)
- 第18戦オーベルストドルフ 陵侑優勝、アイザイ2位(僅か0.5pt差)
- 第22戦ヴィリンゲン 陵侑優勝、アイザイ2位(21.6pt差)
このうちの2戦がジャンプ週間。
そう、このシーズンのジャンプ週間は陵侑とアイザイの闘いだった。
それから3年経ったジャンプ週間第2戦ガルミッシュ-パルテンキルヘン。
陵侑の前に立ちふさがったのはアイザイだった。
予選で陵侑の7連勝を食い止めた。
その勢いのまま本戦1本目でも141.0mのビックジャンプ。
陵侑もHSを1.0m超える143.0mでこれを迎え撃ったが、アイザイは着地がかなり乱れたにもかかわらず高めの飛型点を貰えたことも幸いして3.0pt後方に着け逆転を狙う。
アイザイは2本目でも143.5mのビッグジャンプ。
人差し指を天に突き上げ咆哮したが、ただし着地でかなり尻が落ちて飛型点を大きく失った。
一方の陵侑は、このビッグジャンプでゲートが1段下げられたことで飛距離は正直微妙。
結果は0.2pt差。ゲートが下がったことでむしろ着地が無難に決まったことが勝敗を分けたか。
アイザイにしてみれば、またも陵侑の後塵を拝することとなってしまった。しかもまたも僅差で。
ファンの一人としては、この日の陵侑vsアイザイの接戦に3シーズン前を思いださないわけにはいかない。
2シーズン前のガルミッシュ-パルテンキルヘンでも陵侑はアイザイを僅差で下した。そして、続くインスブルック、ビショフスホーヘンを勝ちジャンプ週間総合優勝とグランドスラムを掴み取った。
今日ここでアイザイを僅差で下したことは、その再現を予感させる。
3位には今季の注目銘柄であるコス。
昨季終盤にWCデビューを果たしたばかりで、まだ出場15戦にも満たない22歳の新鋭の初表彰台。
そればかりか、ジャンプ週間総合でトップと17.7pt差の3位に浮上。
4位のリンビークがトップと13.2pt差の総合2位につける。
ガイガーやグランネルに僅差で追われているのに比べれば、リンビークやコスに陵侑が不覚を取るとはちょっと考えられない。
4HT 暫定順位
1 | 小林 陵侑 | 593.2pt | - |
2 | M.リンビーク | -13.2 | 2↑ |
3 | L.コス | -17.7 | 3↑ |
4 | M.アイゼンビヒラー | -21.1 | 3↑ |
5 | H-E.グランネル | -29.8 | 3↓ |
ガイガーが足踏みをしている間に、陵侑はWC総合でトップに浮上。