2018/19 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第18戦オーベルストドルフ

小林陵侑 6戦ぶりに指定席に還る10勝目

2019年2月2日(土) オーベルストドルフ(GER)HS235/K200

22nd World Cup Competition 

 小林 陵侑(土屋ホーム)  427.0pt  224.0m  234.0m
 マルクス・アイゼンビヒラー(GER)  426.5pt  219.5m  237.5m
 シュテファン・クラフト(AUT)  421.7pt  213.0m  230.0m
 
10  佐藤 幸椰(雪印メグミルク)  403.3pt  211.5m  222.0m
21  葛西 紀明(土屋ホーム)  376.5pt  205.0m 210.0m
25  伊東 大貴(雪印メグミルク)  360.4pt  199.0m 199.0m
27  小林 潤志郎(雪印メグミルク)  350.1pt  198.5m 189.0m
36  中村 直幹(東海大学)  167.3pt  190.5m   

予選リザルト オフィシャル リザルト


 

小林陵侑が指定席に還ってきた。
前日は今季ワーストの14位。しかもその要因が単に風によるものではなく技術的なパフォーマンスに狂いが生じているようにも見えたため、この第2戦の成否が総合優勝に向けての重要な試金石になると私には思えていた。

 

そんな試合に陵侑は勝利した。
前日の結果を受けて修正したのはブーツ。宮平ヘッドコーチの助言により真新しい硬いブーツに履き替えたところスキーが安定し好結果につながったらしい。
実は今季の陵侑の躍進について語る上で、ブーツやその周辺の金具などに工夫を凝らしているらしいという話題はこれまで何度か報道されている。
この日はブーツ以外に技術的なことは何も変えていないらしい。陵侑が言う「企業秘密」って実はこのあたりの事だったりして。

 

陵侑の勝利は6戦ぶり。今季10勝目。
初優勝を遂げたそのシーズンだけで、偉大なる先輩である原田雅彦のWC通算9勝を抜き、葛西紀明の17勝、船木和喜の15勝に次ぐ日本人単独3位の勝利数となった。
陵侑は今季まだまだ勝ち続けるだろう。重要な試金石になる試合に勝利をした今、彼を止める術はもう何もないような気がする。

 

一方、切ないのはアイゼンビヒラー。
今季3度目の2位だが、いずれも小林陵侑に自身初優勝を阻止されている。しかも僅差で。
この日もその差は僅か0.5pt。

 

あぁ、アイザイに勝たせてあげたかった。
うまいこと同点優勝にでもなっていたら言うことなしだったなぁ。

 

前日とは打って変わって大勢の観客が詰めかけたフライング第2戦。
前戦が盛り上がりに欠けるようにも見えたのは観客が少なかったからだけでなく、カメラアングルにもその原因があったのかも。
この日のアングルはフライトの後半の伸びがわかりやすく、フライングはやっぱりこうでなくちゃと思えるものだった。

 


 

さて、Jスポでは今年も札幌大会時に収録した選手のインタビューを紹介してくれた。
興味深かったのは、潤志郎と大貴がいずれも調整の時間が欲しいという趣旨のことを言っている点。
思えば陵侑が札幌大会前にやや低迷したのも、連戦による疲れからくるものだった。

 

日本に帰すかどうかは別としても、じっくりと調整する時間と場所をシーズン中とはいえ用意してあげる必要はあると思う。
事実、アイゼンビヒラーはジャンプ週間前にリレハンメルで合宿をしたことが、ジャンプ週間での好成績につながったとインタビューで答えていた。

 

日本は地理的にどうしても難しい面があるけど、もう少し選手の入れ替えを柔軟に考えてもいいような気がする。フル入れ替えするんじゃなくて必要に応じて一人でも二人でも。
他国はけっこうシーズン中にメンバーの入れ替えを行っているよね。