第60回HBCカップジャンプ競技会

小林陵侑が兄弟対決を制する 女子は勢藤優花がV

2018年2月25日(日) 札幌市 大倉山ジャンプ競技場 HS137/K123

 

小林陵侑、勢藤優花

 

女子組

    決勝・3決 予選
 勢藤 優花(北海道ハイテクアスリートクラブ)   87.9pt(111.0m) 85.2pt(109.5m)2位
 小林 諭果(CHINTAIスキークラブ)  71.5pt(103.0m) 75.1pt(105.0m)4位
 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 145.4pt(141.0m) 128.5pt(130.5m)1位

女子組リザルト

男子組

    決勝・3決 予選
 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 142.2pt(137.0m) 147.6pt(140.0m)1位
 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) 123.9pt(128.5m) 144.1pt(140.0m)2位
 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 98.9pt(116.0m) 119.4pt(126.0m)4位

男子組リザルト


 

国内唯一のノックアウト方式のこの大会。
ここ数年、毎年のようにルールが変わっているが今年も変わった。

 

ノックアウト方式といってもジャンプ週間とは全然違う。 
まずは予選ラウンドを行う。今年のエントリーは女子17名、男子38名。(共に1名ずつ棄権)
本戦に出場できるのはわずかに上位8名ずつ。
まずはこれが昨年との違い。昨年は女子の本戦出場は4名だけだった。

 

この男女8名ずつがそれぞれにトーナメントを行う。
昨年はいきなり準決勝だったけれど、今年はまずは準々決勝。
予選1位vs8位、2位vs7位・・・というように4組に分けての一対一の対戦を行う。

 

で、勝ち上がった男女各4名が準決勝を行い、そこで勝った男女各2名が決勝に進み、敗者は3位決定戦に回る。
これも、昨年までとの大きな違い。
昨年は、男子決勝は1対1の対決ではなく4人全員1本ずつ飛ぶ形で行われていた。
なお、各ラウンドは前のラウンドのポイントを引き継がないのは従来通り。

 

もう一つ大きく変わったのが賞金。
2014年にそれまでの10万円から30万円に上がった女子の賞金が、今年、男子と同じ100万円になった。
でも、男女のエントリー数は倍以上も違うのに賞金を一緒にしちゃうのは、どうかと思うけどね。

 

小林三兄姉弟が揃って本戦に進んだことで、あっちこっちで「小林家で200万獲得か!」なんて囁かれていたけれど、実は本戦開始時点では伊藤家も岩佐家もその可能性があった。
小林諭果が準決勝で伊藤有希を破って決勝に行き、男子も小林兄弟対決となった時点で、ホントに総取りもあり得たけれど、勢藤優花がそれを阻止。

 

しかし、それにしても女子決勝の二人より、3位決定戦の二人の方が高ポイント。
各ラウンドは前のラウンドのポイントを引き継がない単発勝負なので、こういうことも起こりえる。つまり番狂わせが。
「だからこそ面白い!」と思えるかどうかが、このトーナメントを楽しめるかどうかの分岐点。

 

女子組

勢藤優花
① 勢藤 優花 ・準々決勝(鴨田)・準決勝(岩渕)・決勝(小林)

 

小林諭果
② 小林 諭果 ・準々決勝(茂野)・準決勝(伊藤)・決勝(勢藤)

 

伊藤有希
③ 伊藤 有希 ・準々決勝(竹田)・準決勝(小林)・3決(岩渕)

 

岩渕香里
岩渕 香里(北野建設)・予選3位 ・準々決勝(岩佐)・準決勝(勢藤)・3決(伊藤)

 

茂野美咲
茂野 美咲(CHINTAIスキークラブ) ・予選5位 ・準々決勝(小林)

 

岩佐明香
岩佐 明香(日本大学) ・予選6位  ・準々決勝(岩渕)

 

鴨田 鮎華
鴨田 鮎華(下川商業高校) ・予選7位 ・準々決勝(勢藤)

 

竹田 歩佳
竹田 歩佳(デンソー北海道) ・予選8位 ・準々決勝(伊藤)

 

男子組

小林陵侑
① 小林 陵侑 ・準々決勝(伊藤)・準決勝(葛西)・決勝(小林潤) 

 

小林潤志郎
② 小林 潤志郎 ・準々決勝(岩佐)・準決勝(伊東)・決勝(小林陵)

 

葛西紀明
③ 葛西 紀明 ・準々決勝(原田)・準決勝(小林陵)・3決(伊東)

 

伊東大貴
伊東 大貴(雪印メグミルク) ・予選6位  ・準々決勝(佐藤)・準決勝(小林潤)・3決(葛西)

 

伊藤将充
伊藤 将充(土屋ホームスキー部) ・予選8位 ・準々決勝(小林陵)

 

原田侑武
原田 侑武(雪印メグミルクスキー部) ・予選5位 ・準々決勝(葛西)

 

佐藤幸椰
佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) ・予選3位 ・準々決勝(伊東)

 

岩佐勇研
岩佐 勇研(札幌日本大学高校) ・予選7位 ・準々決勝(小林潤)

 

表彰式

勢藤優花
女子優勝 勢藤 優花(北海道ハイテクアスリートクラブ)

 

小林諭果、勢藤優花、伊藤有希
女子表彰 小林、勢藤、伊藤

 

小林陵侑
男子優勝 小林 陵侑(土屋ホームスキー部)

 

小林潤志郎、小林陵侑、葛西紀明
男子表彰 小林潤、小林陵、葛西 

 

小林陵侑、勢藤優花
男女優勝者

 


 

昨年は、決勝まで進む選手は予選から数えて3本を飛ぶことになっていたわけだが、今年のフォーマットでは上位4名は予選から数えて4本飛ぶことになる。
一方で、大半の選手が本戦に進めない。(つまりは予選1本だけ飛んで終わりとなる)
やはり、特異な競技会ではある。

 

2016年開催時にこんなことを書いた。

決勝に進む者は予選から数えて3本飛ぶことになる。
実力のある人気選手だけに焦点を絞ってたくさん中継に載せようといういかにもテレビコンテンツを優先した大会。

そして、昨年もこんなことを書いた。

どのみち他のテレビ局杯だって放送されるのは多くても20~30人の選手たちだけ。
ただし、それは放送でカットされたというだけであって、大会としてはその2倍も3倍もの選手たちが本戦に出場している。
でもHBCカップは、放送でカットするだけでなく実際の大会からもカットしてしまっているわけで・・・
昨年の沙羅を出場させるために宮の森で開催したこととか、今回の葛西の強行出場とかも含めて、どうもHBCって「ジャンプ大会をテレビ中継する」というよりも「テレビ中継のためにジャンプ大会をする」って感じがするんだよね。あるいは「テレビ中継のため”の”ジャンプ大会をする」って感じ。

 

まぁ、個人的にはやはり、すこし違和感のある大会ではある。
今年はさらに先日書いた日程変更の件もあるのでね。

 


 

それと、この大会はやたらと待ち時間が多いのも困りもの。
同じ選手が何度も飛ぶので、各ラウンドの間に10分~15分程度のインターバルを取らざるを得ないのだ。
黙って待っているときが一番寒い。そして何よりも間が悪い。
同じラウンドでも男女でゲートを変えるので、その待ち時間もある。しかも、そのたびごとにテストジャンプが入るので・・・

 

この日のテストジャンパーは余市紅志高校の黒川龍くんただ一人。
飛んでは登り、飛んでは登りの繰り返し。
「テストジャンプを行います」と青野さん。言ったはいいが、「ただいまテストジャンパーがリフトで上がっているのでしばらくお待ちください」「今、ようやくリフトを降りてスキーを履いています」って。
ホント黒川くんはご苦労さんだったね。

 

黒川 龍
黒川 龍(余市紅志高校)

 


 

前日のTVh杯と同じく、この日も五輪メンバーに花束が贈呈された。

 

オリンピックス

 

 

 

 

勢藤優花