アイゼンビヒラー吠える ガイガーと開幕ワンツー
2020年11月22日(日)ヴィスワ(POL)HS134/K120
2nd World Cup Competition
1 | マルクス・アイゼンビヒラー(GER) | 267.6pt |
2 | カール・ガイガー(GER) | 258.6pt |
3 | ダニエル・フーバー(AUT) | 255.7pt |
7 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルク) | 244.0pt |
15 | 小林 潤志郎(雪印メグミルク) | 218.5pt |
17 | 佐藤 慧一(雪印メグミルク) | 215.3pt |
27 | 小林 陵侑(土屋ホーム) | 193.6pt |
41 | 伊東 大貴(雪印メグミルク) | 90.1pt |
52 | 中村 直幹(東海大学札幌SC) | 予選落ち |
3位となった金曜の予選、アンカーを務めて2位に貢献した団体戦。
アイゼンビヒラーが良い状態でシーズンインしたのは明らかで、その帰結として個人開幕戦のウィナーに輝いた。
アイゼンビヒラーにとっては、産みの苦しみの末にやっとつかんだ2018/19プラニツァでの初優勝以来となる通算2勝目。
追い風傾向だった前日とは打って変わって向かい風。しかも、そこそこ強めに吹く。直前のトライアルはキャンセルされた。
試合が始まってみてもこの風が曲者。
数値上は向かい風なのだが、グラフィックを見る限りは横からの風も多く、それが僅かに下から吹くので向かい風として数値化されてしまう。
終始その状態であれば問題はないのだが、時折本物の向かい風が吹くものだからゲート設定をシビアにせざるを得ない。
5番ゲートで始まった試合ではあるが、すぐさま下げられ最も多く使われたのが2番ゲート。アプローチスピードは85km前半にまで抑えられた。
こうなると風をもらえないと飛べない。
82.0mに終わったペデルセンを筆頭に、45位ヨハンソン、42位シュミット、41位伊東大貴、36位タンデ、32位クラフトといった名手が1本目で涙を飲み、2本目に進んだものの30位プレヴツ、27位ストッフ、同27位小林陵侑らに挽回の為の風は吹かなかった。
でも、この試合が風のアタリハズレによる福引試合に終始したかというと、個人的には不思議とそういう印象は少ない。
それはおそらく、表彰台の顔ぶれに意外性が無いからだろう。
自ら「好調なのは自覚していた」と語るアイザイだけでなく、昨季に最後まで総合優勝争いを演じたガイガー、団体戦で目覚ましい活躍を見せたフーバーといった顔ぶれは極めて順当といえる。
たしかに、セカンドグループを見ると、4位グランネル、6位ラニセク(1本目1位)、9位ボイド-クローズといった顔ぶれが見られる。
けれど、グランネルは2018/19札幌で4位は経験済みだし、ラニセクに至っては昨季の開幕戦ヴィスワで2位、続くルカで3位となっており、決して今日の結果は意外ではない。(もっともラニセクの表彰台はいずれも色々な意味で荒れた試合ではあったけれど)
ただ、ボイド-クローズだけは意外性ありかな。
彼がシングルを取ったのは2013/14タウプリッツ/バートミッテルンドルフの9位だけだからね。
ちなみにその試合は葛西紀明が10シーズンぶりの勝利を挙げたあの試合。
さて、アイザイ。
表彰式で自身初めてとなるイエロービブを身にまとった。
「子供のころからの夢だったので、クリスマスを迎えた子供みたいな気分」なのだそうだ。