フライターク/ヴェリンガー連続ワンツー 潤志郎4位
2017年12月10日(日) ティティゼーーノイシュタット(GER)HS142/K125
8th World Cup Competition
① リヒャルト・フライターク(GER) 128.4pt(145.0m)
② アンドレアス・ヴェリンガー(GER) 126.0pt(139.5m)
③ ダニエル-アンドレ・タンデ(NOR) 122.5pt(135.5m)
4 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) 120.9pt(137.5m)
10 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 112.6pt(130.0m)
23 竹内 択(北野建設) 94.4pt(111.5m)
43 作山 憲斗(北野建設) 65.1pt(104.5m)
49 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 43.6pt(91.5m)
クシシュトフ・ビエグンが起こした2013/14クリンゲンタールでの奇跡の再現はなるか―
激しいみぞれと風で1時間半も待たされて始まった試合は、予想通りの1本勝負となったけれど、予想に反してワクワクできる面白い試合だった。
まずは、ビブナンバー1番で飛んだドイツの18歳コンスタンティン・シュミットがワクワクをもたらしてくれた。なんと37番のヨハンソンに抜かれるまで35人の選手に対してリーダーボードの前を譲り渡すことは無かったのだから。
シュミットは2017ジュニア世界選手権の個人銅メダリストではあるものの、WC本戦出場はこれが3戦目で最高位は47位の選手。
不振のジーゲルに代わって抜擢されたようだが、最も条件が良かった1番初めに飛ぶことができたことが幸いした。
残念ながらビエグンの奇跡の再現はならなかったけれど見事に8位でフィニッシュ。
角度によってはアマンに似ているようにも見える風貌もあって、今後は人気出るんじゃないかなぁ。
葛西紀明もワクワクさせてくれた。
10番ビブで飛んでシュミットに次ぐ2位を得ると、ヨハンソンに抜かれるまでその位置をキープし続けたし、44番ダミヤンに抜かれるまで表彰台の可能性を残し続けた。
結果は今季初ポイントゲットとなる10位。条件も良かったけど、助走姿勢を少し変えたことが奏功したとのこと。でもまだスピードが出ていない。
次のワクワクは小林潤志郎。
42番手で飛び、しっかりカレントリーダーに収まった。続くアイゼンビヒラー、ダミヤン、ストッフ、フォルファンをリーダーボードの前で見送る。
いやがうえにも期待が高まったけれど、ラスト3人に次々とやられて優勝はおろか表彰台まで失ってしまった。
それでも潤志郎の強さは本物だ。こうなるとホントにニジニ・タギルが悔やまれる。
この試合は今季初めて全員が予選を通過し、潤志郎、葛西、竹内で計84ptを獲得した。対してニジニ・タギル2戦でのポイントはゼロ。やはり悔やまれる。
最後のワクワクは異次元ジャンプを見せたフライタークとヴェリンガー。
特にフライタークはヴェリンガーと比べても一段高いところを飛んできた。しかも終盤になっても高度は下がらない。おかげてドスンと落ちるような感じでテレマークは入らなかったけれど、それを補って余りある飛距離。
フライタークは今季2勝目、通算7勝目。
ヴェリンガーが2位となったことで、ドイツは2試合連続のワンツー。
それにしても16シーズンも成し得なかったことを2戦続けてやってしまうとはね。
ドイツ国内は大いに盛り上がっているようで、ジャンプ週間のチケットが売れまくっているそう。
ところでビエグン。
彼がクリンゲンタールで奇跡を起こしたのはWCデビュー2戦目のこと。その3か月前の2013白馬GPでも優勝しているけど、彼が輝いたのはこの2試合だけ。WCの出場はその後は今日に至るまで11戦のみ。そのうちポイントゲットは4戦のみで最高位は15位。現在の主戦場はCOCで、昨冬のCOC札幌3連戦にも出場している。
まだ23歳。是非また這い上がって来てほしい。