スキージャンプFISグランプリ2025男子スーパーチーム戦バルディフィエンメ

ストッフ/クバツキのポーランドが快勝 二階堂蓮/小林陵侑の日本はスーパーチーム戦で過去最上位の2位

9th Grand Prix Competition
  • 2025年9月21日(日)
  • バルディフィエンメ(ITA)
  • Large Hill Super Team
  • HS143/K128

Official Results

1 ポーランド 786.6pt
カミル・ストッフ
ダヴィド・クバツキ
2 日本 765.7pt
二階堂 蓮
小林 陵侑
3 スロベニア 764.7pt
ドメン・プレヴツ
アンツェ・ラニセク

リザルト


カミル・ストッフとダヴィド・クバツキで組んだポーランドが優勝。
ワールドカップ(WC)とグランプリ(GP)を通じて、ポーランドのスーパーチーム戦での勝利は2022/23 WCレークプラシッド以来となる2勝目。
その時はピオトル・ジワとクバツキのコンビだったが、今回はストッフが素晴らしく、3本全てで同巡1位。

2位は二階堂蓮と小林陵侑が組んだ日本。
WC・GPを通じて日本男子のスーパーチーム戦における2位は最高位となるはず。

スーパーチーム戦の日本の成績

Date Place Position Name
1 2022.09.17 GPルシュノフ LH 3位 清水礼留飛/二階堂蓮
2 2023.02.11 WCレークプラシッド LH 3位 中村直幹/小林陵侑
3 2023.02.19 WCルシュノフ NH 8位 竹内択/佐藤慧一
4 2024.01.13 WCヴィスワ LH 5位 二階堂蓮/小林陵侑
5 2024.02.10 WCレークプラシッド LH 4位 二階堂蓮/小林陵侑
6 2024.02.23 WCオーベルストドルフ FH 4位 二階堂蓮/小林陵侑
7 2024.12.13 WCノイシュタット LH 5位 二階堂蓮/小林陵侑
8 2025.03.23 WCラハティ LH 3位 二階堂蓮/小林陵侑
9 2025.09.21 GPバルディフィエンメ LH 2位 二階堂蓮/小林陵侑

3位はドメン・プレヴツとアンツェ・ラニセクが組んだスロベニア。
スロベニア男子は、この夏のGPで初表彰台。

4位にフェットナー/クラフトのオーストリア、5位にガイガー/ライムントのドイツと強豪国が続くが、6位にはインサム/プレサドーラのイタリア、7位にはアイグロ/VAGULのエストニアが続いた。
イタリア、エストニアといった国がファイナル・ラウンドまで進めるのはスーパーチーム戦ならではの醍醐味か。

強い向かい風で始まった試合は、1本目の途中で強い追い風に変わった。
大きなウィンドファクターの数値もさることながら、基本ゲートから10段も上がったために、これまた大きなゲートファクターの数値。
2本目以降は強い追い風で、ゲート自体は安定。

今年5月の読売新聞の記事によると、渡部暁斗は改修前のこの台への印象として「風の影響を受けやすいジャンプ台なのは間違いない」と語り、時間によって風向きが急に変わる地形が特徴といい、どの順番で飛ぶかもカギになりそうだとある。

まさにこの日はそんな試合だったかも。
本当に一筋縄ではいかない台だと感じさせる。

さて、これにて2026ミラノ・コルティナ五輪のプレ大会と位置付けられたバルディフィエンメ大会は全日程を終了。
日本は全5試合で6つの表彰台を獲得するなど上々の結果を得た。

一方で、大会全体で見るとピンケルニッヒとルティトという五輪本番でもメダル争いに絡むであろう二人の選手が大怪我を負ってしまったことで、五輪本番に不安が残る。

台のプロフィールの変更やスーツの仕様変更なども取りざたされているけれど、果たして-

GP国別総合順位


【追記】
上記の記事をアップした後に、20日(土)にここバルディフィエンメで行われた複合女子の試合で転倒した葛西春香も、右膝前十字靱帯損傷の大怪我であることが明らかとなった。

この週末だけで3人の選手が前十字靱帯を痛める大怪我を負うという異常事態。
その原因と解決へのアプローチについては、直感的なものではあるが別の記事に書いた。
ただ…

もちろん個人としては、五輪本番に向けて台のプロフィール変更やスーツのルール変更をしてでも安全な競技運営となることを望みたい。
でも、このプレ大会で上々の結果を得た日本ジャンプチームがそれを望むのかどうか。

日本チームが考えを示す前から(考えを示すことがあるのかどうかは分からないし、示すとしてどのような考えを示すかもわからないけれど)、本心からの考えを示しにくい雰囲気を作り出してしまうようなことは避けたい。
なので、今は個人の気持ちだけで先走ることがないように自重したい。