2017/18 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第12戦タウプリッツーバートミッテルンドルフ

ストエルネンWC初優勝 アマン表彰台 葛西5位

2018年1月13日(土) タウプリッツーバートミッテルンドルフ(AUT)HS235/K200 

15th World Cup Competition 

 アンドレアス・ストエルネン(NOR)  407.6pt  229.0m  226.0m
 ダニエル-アンドレ・タンデ(NOR)  405.1pt  210.5m  240.5m
 シモン・アマン(SUI)  399.9pt  218.0m  227.5m
 
 葛西 紀明(土屋ホーム)  395.0pt  216.0m  227.0m
22  竹内 択(北野建設)  343.0pt  191.0m  200.0m
28  小林 陵侑(土屋ホーム)  325.7pt  195.5m  184.0m
31  小林 潤志郎(雪印メグミルク)  158.5pt 186.0m  

予選リザルト
オフィシャル リザルト


 

今季最初のフライングで、アンドレアス・ストエルネンがWC初優勝を飾った。

 

思えば2016/17札幌で最も感銘を受けたのがストエルネンのフライトだった。
そのときに、【低い軌道で、そのまま100mより手前で落ちると思いきや、重力に抗いながら粘って粘って130mまで持ってくる。軽飛行機のようなドメン・プレヴツの滑空とは全く違う重爆撃機のようなエネルギッシュさがそこにあった。あまりいないタイプの選手なのでもっと活躍してほしいなぁ。昨シーズン、好調ノルウェー勢の中で勝利に届かなかったことが悔やまれるね。】と書いたが、ようやくその日がやってきた。

 

ストエルネン

2017WC札幌大会でのストエルネン

 

これまで、2位2回、3位2回の表彰台があるが、そのうち2回がフライング(2012/13オーベルストドルフ2位、2015/16ヴィケルスン3位)
加えて今回のクルムでの初優勝。完全にフライング向きの選手だ。

 

2本目で爆飛びしてリーダーボードの前にいた僚友タンデとの差が微妙だったこともあり、飛び終えた時には何とも微妙な表情だった。
優勝が決まるとタンデと抱き合いチームメートたちの祝福を受けたけれど、それでもなんとも微妙な表情。
喜びを爆発させる感じでもなく意外とクールだったね。

 

ストエルネン

2012年COC札幌大会(STVカップ)で優勝した時のストエルネン

 

 

対照的に、表彰台で無邪気な子供のように喜びを爆発させたのはシモン・アマン。
1本目で派手に何度も何度もガッツポーズ。2本目も何度も何度もガッツポーズ。
まぁ、アマンは割と普段からガッツポーズをする選手ではあるけれど、ここまで激しいのは久しぶり。見ていてこっちも思わずガッツポーズをしちゃったよ。
アマンの表彰台は2014/15クオピオでの悪天候NH1本勝負3位以来。トップ10に入るのでさえ2015/16最終戦プラニツァでの8位以来のこと。

 

負けじと葛西紀明も今季最高位の5位。
今季、転機があるとすればここからのフライング5連戦だと思っていたけれど、まさかホントにそうなるとは。
昨季までは、予選や試技を飛ばない調整方法を採っていたが、奥様の助言もあって久々に試技を飛ばない形に戻したことが奏功したのかな。

 

現地でゴルトベルガーやシュリーレンツァウアーら600人もが集まって、功績をたたえる祝賀会が開かれたとか。
ここクルムは、2013/14に10シーズンぶりの優勝を飾り、ソチ銀へとつながった験が良い場所でもある。
それにしても、アマンといい葛西といい、五輪前になるとしっかりとワクワクさせてくれる。
本物のスターだね。

 

小林潤志郎は、今季出場全試合で続いていた、そして全選手中唯一続いていたトップ10内記録がついに途絶えてしまった。しかも、31位で2本目に残れないという要らないおまけつき。

 

ところで、試合を見終わった時点で葛西は6位だったのに、翌朝の新聞を見ると5位と書いてあって驚いた。
5位だったダミヤンがスーツ失格となり繰り上がったのだが、同じくスーツ失格となったフォルファングも含めて、その発表は試合終了後1時間以上も経ってからのこと。
私の知る限り、こんなに時間が経ってから一度確定した公式リザルトの改訂版(リザルトにはREVISEDの文字がある)が出るなんてことはあまり例がないことのように思う。
何か裏があるのかなと勘ぐってしまう。