2015/16 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第29戦プラニツァ

ペテル・プレヴツ有終の美の15勝目 葛西紀明は1.0m差の4位

2016年3月20日(日) プラニツァ(SLO)HS225/K200

① ぺテル・プレヴツ(SLO) 435.0pt(238.0m 241.5m)
② ロベルト・クラニエッツ(SLO) 420.4pt(234.0m 233.0m)
③ ヨハン・アンドレ・フォルファング(NOR) 405.4pt(226.0m 245.0m)

4 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 404.2pt(227.0m 231.5m)
14 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 377.2pt(209.5m 229.0m)
17 竹内 択(北野建設スキー部) 369.2pt(217.0m 215.0m)

 


 

総合上位30人だけが出場を許される最終戦。
昨季は総合優勝決定戦だったけれど、今年はフライングも含めてすべてのタイトルが既に決定してしまっている。
でも、2位以下は局地的にまだまだ熾烈な争いが残っているし興味は尽きない。
何よりも最終戦はどの選手だって有終の美を飾りたいだろうし飾って欲しいし。

 

で、やはり有終の美を飾ったのはペテル・プレヴツ。
今季15勝目で、08/09シーズンにシュリーレンツァウアーが記録した13勝を2つ上回る記録と、同シーズンにシュリーリが達成した最多表彰台記録も2つ上回り22としてシーズンを締めくくった。

 

そのプレヴツの勝利を変な被り物で祝ったクラニエッツが2位。
これにより、フォルファング、ガングネスとのフライング総合2位争いを制した。

 

葛西紀明は1本目3位で表彰台の期待がかかったけど、フォルファングに逆転され4位。
1.2pt差、距離にしてちょうど1.0m。
245.0mも飛んでテレマークが入らなかったフォルファングに対し、葛西は飛距離こそ231.5mと上位陣の中ではやや控えめだったけれど19点台の綺麗なテレマークを入れて見せた。
ジャンプの完成度としては圧倒的に葛西の方が上だったけれど・・・ 
そんなこと言っても始まらないんだけれど、とにかくこれほど悔しいことは無いって程にホントに悔しい最終戦だった。

 

伊東大貴も最後の最後に229.0mでオール19点のみごとなジャンプを見せてくれた。
ここに来て調子が上がってきていたからね。
大貴にしてみれば、まだシーズン終わって欲しくないんじゃなかろうか。

 


 

さて、これで今シーズンのWCはすべて終了。
開幕前は「プレヴツvsフロイント」のシーズンになると思っていたけれど、終わってみれば印象としては「プレヴツvsノルウェー勢」というシーズンだったように思う。
まぁ、それでもプレヴツの強さは圧倒的。
まさに、プレヴツのプレヴツによるプレヴツのためのシーズンだった。

 

今シーズンの個人的3大うれしかったニュースは、

  • 葛西紀明が500戦出場という金字塔を打ち立てたこと。
  • ロベルト・クラニエッツが2勝を挙げフライング総合でも2位に入り、まだまだやれることを証明して見せたこと。
  • ロマン・コウデルカが1勝を挙げ、昨年4勝が単なる確変ではなかったことを証明してみせたこと。

 

逆に個人的3大がっかりニュースは

  • セヴェリン・フロイントが3勝し総合2位になったわりに存在感が薄かったこと。
  • カミル・ストッフとシモン・アマンが一度も表彰台に立てなかったこと。
  • グレゴア・シュリーレンツァウアーが休養してしまったこと。

 

日本勢は、伊東大貴が5シーズンぶりに一度も表彰台に上がれずに終わるなど全体的には昨シーズンよりはちょっと低調だったかな。
そんな中で気を吐いたのが小林陵侑と中村直幹。
小林陵侑はデビュー戦ザコパネでいきなり7位。プラニツァでのフライングも含め5戦中3試合でポイントゲット。
中村直幹はデビュー戦となった札幌第1戦で25位に入り見事ポイントゲット。
また、竹内択は、2月のラハティNHで2013年12月リレハンメルNH以来2シーズぶり4度目の表彰台に上った。

 

葛西紀明は、優勝が無く、総合で昨年より2つ順位を落とし、ジャンプ週間で3つ落とし、フライングで一つ落とした。
それでも、この3つのタイトルともに3季連続となるシングル。
5度の表彰台、500戦達成・・・と、常に主役の一人であり続けた。

 

 

個人総合順位 
ぺテル・プレヴツ(SLO) 2303 15勝
セヴェリン・フロイント(GER) 1490 3勝
ケネス・ガングネス(NOR) 1348 1勝
ミハエル・ハイベック(AUT) 1301 3勝
ヨハン・アンドレ・フォルファング(NOR) 1240 1勝
シュテファン・クラフト(AUT) 1006 1勝
ダニエル・アンドレ・タンデ(NOR) 985 1勝
葛西 紀明(土屋ホーム) 909 最高位3位
リヒャルト・フライターク(GER) 680 最高位4位
10 アンデシュ・ファンネメル(NOR) 670 1勝
11 ロマン・コウデルカ(CZE) 650 1勝
13 ロベルト・クラニエッツ(SLO) 603 2勝
16 伊東 大貴(雪印メグミルク) 476 最高位5位
18 竹内 択(北野建設) 398 最高位3位
42 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 55 最高位7位
47 作山 憲斗(北野建設) 43 最高位20位
55 栃本 翔平(雪印メグミルク) 22 最高位24位
59 伊藤 謙司郎(雪印メグミルク) 16 最高位23位
61 小林 潤志郎(雪印メグミルク) 13 最高位21位
67 中村 直幹(東海大学) 6 最高位25位

 

個人戦 大会別優勝者
2015.11.22 クリンゲンタール ダニエル・アンドレ・タンデ(NOR)
2015.11.27 ルカ 開催中止
2015.11.28 ルカ 開催中止(2.19に振替)
2015.12.05 リレハンメル セヴェリン・フロイント(GER)
2015.12.06 リレハンメル ケネス・ガングネス(NOR)
2015.12.12 ニジニ・タギル セヴェリン・フロイント(GER)
2015.12.13 ニジニ・タギル ぺテル・プレヴツ(SLO)
2015.12.19 エンゲルベルク ぺテル・プレヴツ(SLO)
2015.12.20 エンゲルベルク ぺテル・プレヴツ(SLO)
2015.12.29 オーベルストドルフ セヴェリン・フロイント(GER)
2016.01.01 ガルミッシュ
パルテンキルヘン
ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.01.03 インスブルック ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.01.06 ビショフスホーフェン ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.01.10 ヴィリンゲン ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.01.24 ザコパネ シュテファン・クラフト(AUT)
2016.01.30 札幌 ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.01.31 札幌 アンデシュ・ファンネメル(NOR)
2016.02.07 オスロ 開催中止(2.12に振替)
2016.02.10 トロンハイム ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.02.12 ヴィケルスン(オスロ代替) ロベルト・クラニエッツ(SLO)
2016.02.13 ヴィケルスン ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.02.14 ヴィケルスン ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.02.19 ラハティ(ルカ代替) ミハエル・ハイベック(AUT)
2016.02.21 ラハティ ミハエル・ハイベック(AUT)
2016.02.23 クオピオ ミハエル・ハイベック(AUT)
2016.02.27 アルマトイ ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.02.28 アルマトイ ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.03.04 ヴィスワ ロマン・コウデルカ(CZE)
2016.03.05 ヴィスワ 開催中止
2016.03.12 ティティゼーーノイシュタット ヨハン・アンドレ・フォルファング(NOR)
2016.03.13 ティティゼーーノイシュタット 開催中止(3.17に振替)
2016.03.17 プラニツァ(ノイシュタット代替) ぺテル・プレヴツ(SLO)
2016.03.18 プラニツァ ロベルト・クラニエッツ(SLO)
2016.03.20 プラニツァ ぺテル・プレヴツ(SLO)

 

ジャンプ週間総合順位 
ぺテル・プレヴツ(SLO) 1139.4 3位-1位-1位-1位
セヴェリン・フロイント(GER) 1112.9 1位-3位-2位-2位
ミハエル・ハイベック(AUT) 1081.6 2位-5位-5位-3位
ケネス・ガングネス(NOR) 1073.5 6位-2位-3位-5位
シュテファン・クラフト(AUT) 1036.2 7位-9位-11位-4位
葛西 紀明(土屋ホーム) 1013.2 5位-12位-7位-9位
13 伊東 大貴(雪印メグミルク) 967.3 24位-10位-8位-10位
26 竹内 択(北野建設) 680.1 18位-40位-18位-32位
30 作山 憲斗(北野建設) 622.5 34位-26位-30位-44位
37 栃本 翔平(雪印メグミルク) 400.0 33位-38位-41位-48位
54 小林 潤志郎(雪印メグミルク) 203.4 45位-×-36位-×

 

フライング総合順位 
ぺテル・プレヴツ(SLO) 530 4位-1位-1位-1位-2位-1位
ロベルト・クラニエッツ(SLO) 400 1位-3位-35位-3位-1位-2位
ヨハン・アンドレ・フォルファング(NOR) 348 8位-2位-7位-2位-3位-3位
ケネス・ガングネス(NOR) 305 2位-4位-6位-5位-5位-5位
葛西 紀明(土屋ホーム) 248 3位-7位-10位-6位-7位-4位
13 伊東 大貴(雪印メグミルク) 107 19位-13位-21位-14位-9位-14位
16 竹内 択(北野建設) 82 39位-18位-11位-20位-13位-17位
33 栃本 翔平(雪印メグミルク) 18 24位-27位-24位-45位-34位-×
38 小林 陵侑(雪印メグミルク) 8 ×-×-×-×-23位-×

 

団体戦 大会別優勝国
2015.11.21 クリンゲンタール ドイツ 日本4位
2016.01.09 ヴィリンゲン ドイツ 日本は出場せず
2016.01.23 ザコパネ ノルウェー 日本8位
2016.02.06 オスロ スロベニア 日本3位
2016.02.20 ラハティ 開催中止  
2016.02.22 クオピオ(ラハティ代替) ノルウェー 日本3位
2016.03.19 プラニツァ ノルウェー 日本4位

 

ネイションズカップ 
ノルウェー 7202
スロベニア 5760
ドイツ 5409
オーストリア 4652
日本 3088
ポーランド 2154
チェコ 1881
スイス 793
フィンランド 256
10 フランス 228