FISスキーフライング世界選手権2026オーベルストドルフ 団体

歴史的勝利! 小林陵侑、内藤智文、中村直幹、二階堂蓮の日本がフライング世界選手権で初の金メダル

Flying Hill Team
  • 2026年1月25日(日)
  • オーベルストドルフ(GER)
  • Flying Hill Team
  • HS235/K200

Official Results

日本 1569.6pt
小林 陵侑(TEAM ROY)
内藤 智文(山形市役所)
中村 直幹(Flying Laboratory SC)
二階堂 蓮(日本ビールスキー部)
オーストリア 1560.0pt
シュテファン・エンバッハ―
シュテファン・クラフト
マニュエル・フェットナー
ヤン・ヘール
ノルウェー 1483.7pt
ヨハン-アンドレ・フォルファン
クリストファー-エリクセン・スンダル
ベンヤミン・オストヴォル
マリウス・リンビーク

リザルト


小林陵侑、内藤智文、中村直幹、二階堂蓮の4人が歴史に名を刻んだ。

1972年に始まったスキーフライング世界選手権において、団体戦が開催されるようになったのは2004年から。
過去10回開催されてきたが(2014年は中止)、日本はこれまで一度もメダルを獲得したことがなかった。

その日本が初のメダルを獲得。しかも、それは最も輝く色のメダル。
これまでは、ノルウェー、オーストリア、スロベニアとフライングヒルを持つ国しか金メダルを獲ったことがなかった。
日本チームの技術の高さと層の厚さを示した歴史的大勝利だと言える。

フライング世界選手権団体戦のメダル獲得国一覧

  日本
2004 ノルウェー フィンランド オーストリア 5位
2006 ノルウェー フィンランド ドイツ 出場せず
2008 オーストリア フィンランド ノルウェー 7位
2010 オーストリア ノルウェー フィンランド 出場せず
2012 オーストリア ドイツ スロベニア 5位
2014 強風のため中止
2016 ノルウェー ドイツ オーストリア 出場せず
2018 ノルウェー スロベニア ポーランド 出場せず
2020 ノルウェー ドイツ ポーランド 5位
2022 スロベニア ドイツ ノルウェー 6位
2024 スロベニア オーストリア ドイツ 5位
2026 日 本 オーストリア ノルウェー

雪が降りしきり、アプローチにも着地にも高い技術が求められる試合。
そんな展開の中、日本の4選手は一人も欠けることなくその持てる力をいかんなく発揮した。

1本目。一番手に起用された小林陵侑がエンバッハーに次ぐ同巡2位で、まずはチームに勢いと安心をもたらした。
この大会でフライングデビューを飾ったばかりの内藤智文がクラフトに喰らい付く2位で、しっかりとこれを繋ぐ。

続く三番手の中村直幹が同巡1位でオーストリアに5.0pt差まで詰め寄った。
そしてアンカーを任された二階堂蓮が、個人戦でメダルを争ったリンビークに次ぐ同巡2位で逆転。

これにより日本は1本目をトップで折り返すこととなる。
2位オーストリアとの差は3.9pt。3位ノルウェーとの差は27.5pt。

この1本目でハプニングが起きた。
リンビークがゲートに着きスタートを待っているときに、彼の背後から2本のスキーが流れ落ちてきてアプローチを滑り落ちた。
これはドメン・プレヴツのスキー。立てかけておいた場所が本来は置くべきではない場所だったために、雪で滑って勝手に滑り落ちしまったということのようだ。

急いでスキーを回収し届けるも間に合わず、プレヴツは棄権扱いとなってしまった。
1本少ない状態でもスロベニアは2本目に進めたが(そこでも多少のドタバタがあったが)、これで優勝候補の一角が消えた。
もっとも、プレヴツが棄権とならなくてもメダルは厳しかったかもしれないが。

2本目。1本目と同様に小林陵侑がエンバッハーに、内藤智文がクラフトに続く同巡2位。
二人とも見事なパフォーマンスではあったが、約9ptずつ離され、オーストリアに18.6pt差の逆転を許してしまった。

この時点で、2位日本と3位ノルウェーとの差は62.1pt。日本の銀メダル以上は堅い。
ただ、ここまでくれば目指すは金。その争いは日本とオーストリアの一騎打ちの状態となった。

ここで中村直幹が、またも同巡1位でオーストリアに傾きかけていた流れを取り戻す。
股関節に痛みを抱えての出場だったようだが日本の窮地を救う1本だった。
この日フェットナーがややピリッとしなかったこともあって、日本は0.4pt差にまでオーストリアに詰め寄った。

金メダルの行方は二階堂蓮vsヤン・ヘールの二人の対決に委ねられた。
「めっちゃ面白い。戦いがいがある」という恐ろしくも頼もしきメンタルでこれに挑んだ二階堂蓮。届いた先はこの試合の全体3位の飛距離となる229.0m。ただ、積る雪に足を取られたか着地でよろめいて飛型点を失った。果たして ―

一騎打ちのラスト1本。ヘールは緑のラインの明らかに手前に着地した。
得点を見るまでもない。
勝った! 金メダルだ!

4人の選手が歓喜の輪を作った。
コーチボックスでは作山ヘッドコーチとバータイネンコーチが抱き合った。
結果は9.6pt差。歴史に残る名勝負は、大逆転による日本の歴史的勝利で幕を閉じることとなった。

表彰台には晴れやかな表情の4人がいた。
君が代が流れる中、コーチングスタッフも肩を組み合った。
ここには姿が見えなかったが佐藤幸椰も陰ながらチームを支えたという。

チーム一丸となって掴んだ金メダル。
ヒーローは一人じゃない。みんなだ。
そして、それこそが4人制団体戦の醍醐味。

夢のような結果をもたらしてくれた日本チーム。
スキージャンプファンの一人として、「おめでとう」と同時に「ありがとう」という思いでいっぱいだ。