スキージャンプFISグランプリ2025男子個人第10戦ヒンツェンバッハ

安定感抜群のヘールが快勝で2勝目 小林陵侑はこの夏3度目の表彰台

11th Grand Prix Competition
  • 2025年10月19日(日)
  • ヒンツェンバッハ(AUT)
  • Normal Hill Individual
  • HS90/K85

Official Results

1  ヤン・ヘール(AUT) 241.5pt
2  ダニエル・チョフェニック(AUT) 235.5pt
3  小林 陵侑(TEAM ROY) 235.3pt
 
19  佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) 216.4pt
20  小林 朔太郎(雪印メグミルクスキー部) 212.2pt
22  中村 直幹(Flying Laboratory SC) 208.4pt
25  二階堂 蓮(日本ビールスキー部) 207.1pt

本戦リザルト


ヤン・ヘールが安定感抜群のパフォーマンスを2本揃えて快勝。
今季の出場はここまで4試合だけだが、2勝目かつ3度目の表彰台。
少し突き抜けぬ強さを持っており、おそらくワールドカップ(WC)の開幕が最も待ち遠しいと思っている選手なのではないだろうか。

2位は2戦連続となるダニエル・チョフェニック。
彼もまた出場は4試合だけだが2位が3度。

3位は、これまた出場4試合で3度目の表彰台となる小林陵侑。
日本勢は全員ポイント獲得。

グランプリ(GP)個人戦は残り1試合。
総合優勝の可能性が残るのは上位4人。
そこには小林朔太郎と中村直幹の名前もある。

  1. 410 P.ライムント(GER)
  2. 368 小林 朔太郎(JPN)
  3. 362 N.バッハリンガー(AUT)
  4. 315 中村 直幹(JPN)

GP総合順位


正直、終わったと思った。

COC第2ピリオドの最終戦。
前戦の記事でお伝えした通り、内藤智文にとって悲願のオリンピック出場のためには、是が非でもここでピリオド総合3位以内を獲る必要がある。

最終戦を前にして内藤は2位に付けていた。

  1. 212 K.トマシアク(POL)
  2. 195 内藤智文(JPN)
  3. 170 J.シュスター(AUT)
  4. 126 G.デシュバンデン(SUI)
  5. 121 F.ホッフマン(GER)

ところが1本目で、どうにもならない横風を引いてしまった。
それでも何とか121.0mまで伸ばしたが、まさかの30位。
デシュバンデンは1本目トップ。2位にホッフマン、4位にトマシアク、14位にシュスター。
ああ、万事休すか…

2本目。
条件はそう変わらず、またも横風を引いてしまった。
7人捲ったものの結果は23位。
やはり厳しいか。

10/19
FISコンチネンタルカップ第6戦クリンゲンタール(GER)
12  小林 潤志郎(Wynn.)
23  内藤 智文(山形市役所)
41  竹内 択(team taku)
42  中村 優斗(COOTS SC)

リザルト

デシュバンデンが優勝し100tを加算。
ホッフマンが2位で80ptを加算。
トマシアクが4位で60ptを加算。
シュスターは8位で32ptを加算。
23位の内藤の加算は8ptだけだ。

ああ、やはりダメだったか…

ん?

  1. 262 K.トマシアク(POL)
  2. 226 G.デシュバンデン(SUI)
  3. 203 内藤智文(JPN)
  4. 202 J.シュスター(AUT)
  5. 201 F.ホッフマン(GER)

ん!
ん!!!
ん!!!!!!!!!
なんと1pt差で3位を死守しているではないか! なんとドラマチックか!

結果的にデシュバンデンが優勝してくれたこと、ドメン・プレヴツやペデルセン、そしてスイスの二人がシュスターを押さえてくれたことが大きかった。
内藤智文後援会は山形牛でも贈った方がいい。

これでWCの開幕ピリオドにおいて日本は1枠増やして6人を送り込むこととなった。
増えた1枠には当然に内藤智文が収まるものと信じている。(こちら

内藤の次なるミッションは、基準日(2026年1月19日)までに以下の❶~❸の成績を満たすこと。
この基準を満たした選手のうち、基準日時点の2025/2026 WCスタンディング上位者がオリンピックに出場することとなる。

  1. 8位以内の成績を1回以上
  2. 10位以内の成績を2回以上
  3. 15位以内の成績を3回以上
  4. 基準日時点の2025/2026シーズン ワールドカップスタンディングス上位者

ドラマはまだまだ続く ー