N.プレヴツが圧勝の今季3勝目でリーダービブ奪取 伊藤有希は4位で総合3位に浮上
Official Results
1 | ニカ・プレヴツ(SLO) | 262.7pt |
2 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | 236.7pt |
3 | アビゲイル・ストレイト(CAN) | 233.6pt |
4 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 232.1pt |
9 | 高梨 沙羅(クラレ) | 219.5pt |
17 | 勢藤 優花(北海道エネルギースキー部) | 211.1pt |
27 | 丸山 希(北野建設SC) | 199.7pt |
一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ) | 予選41位 | |
宮嶋 林湖(松本大学) | 予選46位 |
ニカ・プレヴツがHS98のノーマルヒルでありながら2位に26ptもの大差をつけて圧勝。
第4戦エンゲルベルクでのWC初優勝から僅か4試合で3勝を挙げ、2試合連続でトップ10から外れたパニエからリーダービブの奪取に成功した。
最長不倒となる96.5mを飛んだ1本目は圧巻。2位ルプレヒトに19.7ptもの大差をつけた。
2本目は、不安定なジャンプで8位と出遅れたピンケルニッヒが猛追したが、ゲートが一段下がったことと追いい風が少し強まったこともあって緑のラインはK点より上にあった。
80mを飛べば優勝できる余裕の場面ではあったが、ここでも92.0mを飛び飛距離にして13mの差で大勝した。
接戦が多かった今季にあって、ここまでの大差での勝ちっぷりはなかったこと。しかもノーマルヒルなのに。
パニエに替わって纏うこととなったイエロービブ。もちろん自身初のことだ。
2位ピンケルニッヒは復帰3試合で4位→1位→2位で、あっという間に総合8位に上がってきた。
ストレイトは3試合連続の表彰台。
クバンダルがエントリーせず、ルティトが転倒により2本目に進めなかった。
更にはノーマルヒルであること、過去に一度しか開催されていないフィラハであること、テーブルが短めで少し下がり目ゆえにタイミングを合わせるのが難しい台であること、そして追い風の厳しい条件だったこと。
これらが影響したかどうか1本目のトップ10の顔触れはいつもとはやや趣が異なっていた。
2位で折り返したルブレヒトは2016/17リレハンメルでの3位以来となる表彰台も見えたが結果は9位。
2 Night ツアーの開催国枠で出場しオーベルストドルフで11位となりチャンスをつかんだライシュは7位で折り返したが結果は23位。
今季WCにデビューした注目株のシーフは8位で折り返したが、トップ10にはわずかに及ばず結果11位。
一方、地元オーストリア勢のトップとなる5位で折り返したミュールバッハ―は、2本目はK点に届かなかったものの結果は5位。
10位で折り返したエダーは、今初のシングルとなる7位。
そんな中で安定感を見せたのが伊藤有希。
インタビューでも「良い印象がない」と言っていたフィラハでの過去の成績は20位と17位。
それが、今季は予選で3位、本戦でも2本とも上手くまとめて表彰台まで僅か1.5pt差の4位と上々の結果となった。
伊藤はこれまで、第5戦ガルミッシュ-パルテンキルヘンの13位を除けば他はすべてシングル。
クバンダルとルティトがポイントを加算できなかったことも手伝って総合5位から3位に浮上した。
一方、高梨沙羅はどうだろう。
9位という結果は決して悪くないが、1本目は19位と出遅れた。
本人も語っているように今季はなかなか2本揃わない。
1本目 | 2本目 | 結果 | |
---|---|---|---|
第1戦 | 10位 | 23位 | 12位 |
第2戦 | 5位 | 4位 | 6位 |
第3戦 | 16位 | 23位 | 21位 |
第4戦 | 14位 | 10位 | 11位 |
第5戦 | 7位 | 3位 | 6位 |
第6戦 | 24位 | 9位 | 19位 |
第7戦 | 19位 | 6位 | 9位 |
まあ、それはある程度は仕方がないことだとして、良い方と悪い方の差が大きいのがやはり気になる。
ラウンドごとに見ても20位台というのは、これまでほとんど見たことのない順位だ。
とはいえ、7試合が終わった時点でのポイントは昨季の173に対して今季は177と僅かながらではあるが上回っている。総合順位も昨季の11位に対して13位と大きな違いはない。
このように、昨季との比較で言えばそれほど悪いわけではない。もっとも昨季が良かったわけではないが…
昨季は日本シリーズが終わったあたりから世界選手権に向けて調子が上がりだした。
今季もどこかで噛み合ってくる時が来るはず。
シーズンはまだ4分の1を過ぎただけ。