ジルベスター・ツアー開幕 ピンケルニッヒが初戦を制する
2022年12月28日(水)フィラハ(AUT)HS98/K90
7th World Cup Competition
1 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | 257.9pt | メシコワ |
2 | アンナ-オディヌ・ストローム(NOR) | 248.4pt | インドラツコバ |
3 | ニカ・クリジュナル(SLO) | 243.5pt | グレイスリ |
11 | 高梨 沙羅(クラレ) | 238.0pt | トロッツア |
17 | 丸山 希(北野建設SC) | 225.3pt | コマール |
20 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 216.3pt | ブティッツ |
26 | 勢藤 優花(YAMAtune) | 212.1pt | ミツ=コスカ |
35 | 宮嶋 林湖(松本大学) | 96.4pt | クラマー |
昨シーズンから始まったジルベスター・ツアー。
ジルベスターとはドイツ語で大晦日の意。昨季はリュブノにて年末から年始にかけての2試合で行われたが、今季はフィラハでの2試合が加わって計4試合での開催となった。
男子のジャンプ週間と同様にKO方式が採用されており、よって本戦出場はいつもより10人多い50人。
4試合の総ポイント数でタイトルが決まる。
初の試みとなった女子のKO方式。
通常より10人多い出場ということもあって上位と下位のレベルの差が大きく、よって番狂わせは起こりにくいかなとは感じられた。
また、2試合計4本しかなく、かつ点差の付きにくいHS94の台であることから2戦目での逆転が難しく、初日で大勢が見えてしまうところもやや難があるようにも思えた。来年以降も同じ形で開催されるのかどうかは知らないが、改善すべきところは改善して良い大会に育って欲しいと思う。
スキージャンプFISワールドカップ2021/22女子個人第9戦リュブノ
今年4月に、FISが2023/24から女子版のジャンプ週間を実施する方向でドイツ、オーストリアの両協会と合意したという報道があったが、その後に2024/25までは開催の予定はないという話もあり、やや状況は混とんとしているようだ。
仮に、開催されるとなった場合はジルベスター・ツアーが発展的に解消されるということなのだろうか? なんだかリュブノがかわいそうな気もするが…
さて、初戦を制したのはピンケルニッヒ。
HSが100mに満たないこの台で10pt近い差をつけて危なげなく勝利した。
今季2勝目。通算5勝目。
ストロームは今季2度目の2位。
クリジュナルは今季初表彰台。
北京の混合団体でカナダに銅メダルをもたらした18歳のルティトが初のシングル。
ストレイトと共にカナダ女子チームの躍進が目覚ましい。
ツアーを引っ張る一角と思われたアルトハウスは9位と出遅れ、空中でのフォームが昨季までの形に戻りつつあるように見えたクラマーもかろうじて5位に踏みとどまった。
フィラハは女子ワールドカップとしては初開催の台。
テーブルが短めで、かつ、少し下がり気味ゆえに踏切を合わせるのが難しいらしく、全体にバランスを崩して着地でお釣りが来る選手が目立つ。
しっかりとテレマークランディングができるかどうかがいつも以上に重要になる台とみた。
宮嶋林湖などは、まさにこの台の術中に填まってしまったようで、アプローチから着地に至るまで全てがバラバラな印象のパフォーマンスとなってしまったように見えた。
今季ここまで日本勢は出場した全ての試合でポイントを獲り続けてきたが、初めてポイントを獲り逃してしまった。
日本勢は、かろうじてラッキールーザー5番手で生き残った伊藤有希をはじめとして、全体にやはりまだ低調な状態が続いている。
巻き返しに期待したい。
ジルベスター・ツアー暫定順位
1 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | 257.9pt |
2 | アンナ-オディヌ・ストローム(NOR) | -9.5 |
3 | ニカ・クリジュナル(SLO) | -14.4 |
4 | アレクサンドリア・ルティト(CAN) | -14.8 |
5 | マリタ・クラマー(AUT) | -15.0 |