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スキージャンプFISワールドカップ2021/22男子個人第10戦オーベルストドルフ

ジャンプ週間開幕 小林陵侑が逆転で勝利の雄叫び

2021年12月29日(水) オーベルストドルフ(GER)HS137/K120

11th World Cup Competition

1 小林 陵侑(土屋ホームスキー部)302.0pt伊東大貴
2 ハルヴォア-エグナー・グランネル(NOR)299.2ptマンコフ
3 ロベルト・ヨハンソン(NOR)298.6pt小林潤志郎
 
11 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部)261.2ptヨハンソン
16 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部)252.8ptシュミット
20 中村 直幹(Flying Laboratory SC)248.1ptブレサドラ
34 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部)123.4pt小林陵侑
46 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部)104.7ptヘール

予選リザルト

1st Start List

オフィシャル リザルト


小林陵侑が2本目に141.0mかつ19.0が5つ並ぶスーパージャンプを見せ、1本目5位からの逆転でジャンプ週間初戦に勝利した。

今季の陵侑は予選で無双している。
開幕戦こそ4位だったが、失格を挟んでの第3戦以降は隔離欠場した2試合を除いて6連勝と他を圧倒している。

予選1本目2本目最終
1ニジニ・タギル4位3位2位2位
2ニジニ・タギル失格
3ルカ1位2位1位優勝
4ルカ欠場
5ヴィスワ欠場
6クリンゲンタール1位3位14位7位
7クリンゲンタール1位1位1位優勝
8エンゲルベルク1位4位1位2位
9エンゲルベルク1位2位1位優勝
10オーベルストドルフ1位5位1位優勝

ところが、本戦1本目にこの勢いを持ち込めない。
1本目でトップを獲ったのは1試合のみ。一方で2本目に1位となったのは5試合ある。
ここまで挙げた4勝のうち3試合が逆転勝利。1本目をトップで折り返せなくても動じずに2本目でひっくり返す勝負強さがある。

この日も正にそうした展開。
雨が降り続き重くなるアプローチにも動じない。同じような条件でライバルたちが手こずったクリンゲーンタールで勝利したときには、あの2019ゼーフェルト世界選手権NHの経験が「役に立った」ことで「惑わされずに自分のジャンプができた」と言ってのけていた。

そんな難条件で見せたこの日の2本目は今シーズンの白眉ともいえる完成度だったように思う。
ブレーキングで何度も雄叫びを上げた姿からも、本人にとっても納得の1本だったことがうかがえる。

アプローチ不良に強さを発揮したのはノルウェーもだ。
クリンゲンタールで2位~6位に5人が名前を揃えたほどではなかったが、この日も2位から4位に
グランネル、ヨハンソン、リンビークの3人が顔を揃えた。
ノルウェーは普段からこういった条件下での練習を行っているとのことで、それが功を奏したようだ。

グランネルは相変わらず右に曲がるが、それでも2本揃える確実性は戻ってきているようだ。
1本目でトップを獲ったヨハンソンは今季初表彰台。ヒゲを剃ったことが効いたか。
リンビークは飛距離は出せるものの着地が危うい。もったいないしハラハラさせられる。

5位にガイガー、6位にコス、7位にアイゼンビヒラー。ここまででトップと約20pt差。
それ以上離された選手たちにとっては逆転でタイトルを獲るのはやや難しいだろうか。
特に、4HTの主役を飾るにふさわしいクラフトがトップと41.9pt差の12位、ストッフに至っては188.0pt差の41位に沈んでしまったのは残念だ

なお、今季WCデビューを果たしたトルコのイプチオールがサドレーフをKOし2本目に進出。
29位でトルコ人として史上初のWCポイントを獲得した。

4HT 暫定順位
1 小林 陵侑302.0pt
2 H-E.グランネル-2.8
3 R.ヨハンソン-3.4
4 M.リンビーク-5.7
5 K.ガイガー-6.1

4HT総合順位

小林陵侑は、ジャンプ週間で6勝目。
2度目の4HT総合優勝はもちろん、グランドスラムも期待してしまう。
少なくとも陵侑は、現時点でその権利を持った唯一の選手だ。

過去5シーズンのジャンプ週間総合優勝者
2016/17カミル・ストッフ(POL)2位‐2位‐4位‐1位
2017/18カミル・ストッフ (POL)1位-1位‐1位‐1位
2018/19小林 陵侑(JPN) 1位-1位‐1位‐1位
2019/20ダビド・クバツキ (POL)3位‐3位‐2位‐1位
2020/21カミル・ストッフ (POL) 2位‐4位‐1位‐1位

なお、陵侑はWC総合で首位のガイガーに対し43ptまで詰め寄った。
次戦での逆転も十分に考えられる。

WC総合順位