2020/21 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第11戦ビショフスホーヘン

圧巻のストッフ 3度目のジャンプ週間制覇

2021年1月6日(水)ビショフスホーヘン(AUT)HS142/K125

12th World Cup Competition

1  カミル・ストッフ(POL) 300.7pt ソークアップ
2  マリウス・リンビーク(NOR) 280.4pt フェットナー
3  カール・ガイガー(GER) 277.3pt ステカラ
 
9  佐藤 幸椰(雪印メグミルク) 270.5pt ムランカ
14  小林 陵侑(土屋ホーム) 265.8pt ライナー
16  佐藤 慧一(雪印メグミルク) 262.7pt バルトル
17  小林 潤志郎(雪印メグミルク) 261.9pt ヨハンソン
34  中村 直幹(東海大学札幌SC) 108.9pt クラフト

予選リザルト オフィシャル リザルト


第69回ジャンプ週間はカミル・ストッフが総合優勝を果たした。
最終戦で逆転した2016/17シーズン、史上二人目のグランドスラム達成となった2017/18シーズンに続く3度目の制覇だ。

第3戦終了時点で2位クバツキとは15.2ptの差。タイトル候補と目されていたグランネルとガイガーとは20pt以上の差が開いていた。
彼らにとって、逆転は不可能ではないとはいえ、そのためには失敗しない男の失敗を待たねばならない。

第3戦終了時点の順位
1 K.ストッフ809.9pt
2 D.クバツキ-15.2
3 H-E.グランネル-20.6
4 K.ガイガー-24.7
5 M.アイゼンビヒラー-33.4

どうしてもタイトルを獲りたいグランネルは、1本目でコーチリクエストを使う賭けに出た。20pt差を詰めるにはこうするしかなかった。
先月のフライング世界選手権団体ではこの作戦が見事にはまったが、この日はGFの加点に1.5m届かず万事休す。
結果的にジャンプ週間総合3位の座も失うことになってしまったけれど、非常に見ごたえのある場面だったように思う。

しかし、仮にリクエストが成功していたとしても、あるいはリクエストを使わなかったとしても、いずれにしてもストッフを超えることはできなかっただろう。
この日のストッフは完璧すぎた。

総合優勝へのプレッシャーなど微塵も感じさせずに、139.0mと140.0mmの大飛躍を、58.5ptと59.0ptという高い飛型点でまとめて見せた。
終わってみれば、この日の2位リンビークに20.3pt差をつける圧勝。そして、ジャンプ週間総合では2位ガイガーに48.1ptの差をつけた。

4戦2勝。
ライバルたちの誰もが自滅ともいえる失敗を犯したのに対して、8本のジャンプを高いレベルでまとめ上げ、唯一シングル順位を4戦揃えての盤石な勝利。
オーベルストドルフで予選から除外されたときに、この結果を予想できたものは誰もいなかった。

そして、この日の勝利で通算38勝となりマリシュにあと1つと迫った。
この記録はすぐに塗り替えられることになるだろう。

ジャンプ週間総合順位
1  カミル・ストッフ(POL) 1110.6
2  カール・ガイガー(GER) -48.1 2↑
3  ダヴィド・クバツキ(POL) -52.8 1↓
4  ハルヴォア-エグナー・グランネル(NOR) -53.2 1↓
5  ピオトル・ジワ(POL) -73.4 3↑
6  小林 陵侑(JPN) -78.1 1↑
13  佐藤 幸椰(JPN) -121.9 4↑
14  佐藤 慧一(JPN) -125.6 1↑
18  小林 潤志郎(JPN) -254.0 6↑
41  中村 直幹(JPN) -634.2 4↓

4HT総合

日本勢にとっては、3シーズンぶりに勝利も表彰台もないジャンプ週間となってしまった。
でも、随所に光るものはあった。
なによりも小林陵侑に光明が差しつつある。
これからのチーム・ニッポンに期待したい。