2017/18 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第11戦ビショフスホーフェン

ストッフ ジャンプ週間で史上二人目のグランドスラム

2018年1月6日(土) ビショフスホーフェン(AUT)HS140/K125 

14th World Cup Competition 

 カミル・ストッフ(POL)  275.6pt  132.5m  137.0m vsコジセック
 アンデシュ・ファンネメル(NOR)  272.4pt  130.0m  139.0m vsボルネ
 アンドレアス・ヴェリンガー(GER)  270.5pt  129.0m  139.5m vsトリンガー
 
 小林 潤志郎(雪印メグミルク)  255.4pt  126.5m  134.5m vsコット
20  小林 陵侑(土屋ホーム)  221.5pt  120.0m  125.0m vsポッピンガー
35  竹内 択(北野建設)  97.9pt  116.0m   vsP・プレヴツ
43  作山 憲斗(北野建設)  85.4pt 111.5m   vsフォルファング
48  葛西 紀明(土屋ホーム)  61.2pt   97.5m    vsライエ

予選リザルト
オフィシャル リザルト


 

カミル・ストッフがジャンプ週間で全勝優勝を達成。
66回の歴史の中で全勝優勝を果たしたのは2001/02スヴェン・ハンナバルト以来となる史上二人目。

 

優勝を決めたストッフのもとに、なんとハンナバルトが祝福に駆け付けた。
自分の記録に並ばれたり抜かれたりしたことを快く思わないスポーツ選手はたまにいるが、ハンナバルトは心からストッフを祝福しているように見て取れた。
「カミルはこのクラブにふさわしい事を証明した。そして今、限定会員2人目となった」 
これがどれほどの偉業なのかを知ってる唯一の男からの最大限の賛辞。

 

3連勝で完全優勝に王手をかけたにもかかわらず4戦目を落としてしまった選手は過去に7人。この日のストッフも決して簡単な勝利ではなかったと思う。
行く手を阻んだのはチームメートのクバツキ。予選をトップ通過し初優勝に手が届きそうな仕上がりを見せていたクバツキは「ストッフには遠慮なく行く」
事実、1本目をストッフの背後2.5ptの2位にピタリと付けた。

 

2本目ラスト10人は条件も整っていて非常に見ごたえがあった。
でも、それが布石となった。ヨハンソンが140.0m、ヴェリンガーが139.5m、ストエルネンが138.5m、ファンネメルが139.0mとHS級の飛距離が連発したのを見てホルンガッハーはクバツキに対しコーチリクエストを使ったのだ。
これがグランドスラムへの何とも言えない妙味となった。

 

優勝を意識しすぎたか、あるいはHSの95%を意識しすぎたか。クバツキはGFの加点に5.5mも足りず、コーチリクエストは完全に裏目に出てしまった。
すかさずホルンガッハーはストッフのゲートを戻した。
ファンネメルがすぐ背後に迫っていたにせよクバツキの脱落はストッフをかなり楽にさせたことだろう。彼は傍から見る限りはいつも通りに踏切り、飛び、着地した。そこにはプレッシャーなどまるで無いように見えた。

 

ストッフのジャンプ週間総合優勝は2年連続2度目。ジャンプ週間に関しては昨季のビショフスホーフェンから5連勝中でもある。
今季4勝目。通算26勝目。この日の勝利でリヒャルト・フライタークを抜いてWCスタンディングのトップに立った。

 

1998/99葛西紀明2位・宮平秀治3位以来のジャンプ週間総合での表彰台が掛かっていた小林潤志郎は0.2pt足らずに4位に終わった。
傾斜が緩くテーブルが長い特徴的なこの台に公式練習、予選、試技と苦しめられた。最後の1本こそガッツポーズも出たが、まさか8本飛んで0.2ptの差とは。

 

さて、チーム・ニッポンはこれでオリンピックの選考対象試合がすべて終わったことになる。
男子の代表枠は5で、選考基準を満たしているのは葛西、伊東、竹内、潤志郎、陵侑の5名。
代表メンバーは女子とともに11日に発表されるらしい。

 

 

4ヒルズ・トーナメント 総合順位
Rank Name Nation Total
1  カミル・ストッフ POL 1108.8 279.7 283.4 270.1 275.6
1 1 1 1
2  アンドレアス・ヴェリンガー GER 1039.2 254.0 261.2 253.5 270.5
10 11 3 3
3  アンデシュ・ファンネメル NOR 1021.3 255.3 270.2 223.4 272.4
7 3 16 2
4  小林 潤志郎 JPN 1021.1 257.1 269.2 239.4  255.4
6 4 6 7
5  ロベルト・ヨハンソン NOR 1009.4 253.4 250.5 237.3 268.2
11 17 7 5
22  小林 陵侑 JPN 815.9 252.4 231.1 110.9  221.5
12 29 31 20
25  竹内 択 JPN 786.7 236.5 237.2 215.1  97.9
21 23 21 35
40  葛西 紀明 JPN 350.7 69.4   220.1  61.2
46   18 48
64  作山 憲斗 JPN 85.4        85.4
      43

総合リザルト