2016/17 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第11戦ビショフスホーフェン

ジャンプ週間第4戦 カミル・ストッフが総合優勝

2017年1月6日(金) ビショフスホーフェン(AUT)HS140/K125 

12th World Cup Competition 

① カミル・ストッフ(POL) 289.2pt(134.5m 138.5m)⇔フェットナー
② ミハエル・ハイベック(AUT) 283.3pt(130.5m 142.0m)⇔グランネル
③ ピオトル・ジワ(POL) 275.8pt(131.0m 137.0m)⇔アッシェンバルド

 

14 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 253.6pt(130.0m 128.0m)⇔ビックナー
21 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 240.1pt(120.5m 129.5m)⇔フラバ
28 竹内 択(北野建設スキー部) 228.3pt(126.5m 125.0)⇔シッフナー

39 作山 憲斗(北野建設スキー部) 96.7pt(115.5m)⇔クリモフ
42 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 94.4pt(111.0m)⇔ライエ

 

オフィシャル リザルト

 


 

第3戦終了時点での1位タンデと2位ストッフの差はわずかに1.7pt。
迎えた最終戦の1本目。
135.0ptを積み上げたタンデに対し、ストッフは139.5ptを積み上げ逆に2.8pt差をつけて王手をかけた。
飛距離にして1.5m。風も安定していないしまだまだわからない。

 

ところが決着は意外な形でついた。
タンデのラストジャンプは空中で大きくふらつき、完全にバランスを失ったまま唐突に落ちた。
飛距離はたったの117.0m。飛型点は5人とも14点台。積み上げたポイントはわずかに96.5pt。
万事休す。

 

目前でこれを見たストッフはタイトル獲得を確信したことだろう。
あとは、普通に飛びさえすればいい。
でも、そんな状況でも138.5mのビッグジャンプと3人が19点台を出す完璧な着地で149.7Ptを積み上げた。
まぁ、未勝利でのタイトル獲得は画竜点睛を欠くから何としても勝ちたかったんじゃないかな。その意味ではすごくプレッシャーのかかるラストジャンプだったろうと思う。

 

これで、ストッフは2013世界選手権LH、2014ソチ五輪NHとLH、2013/14WC総合優勝に加えてジャンプ週間総合優勝を獲得し、見事グランドスラムを達成した。
おめでとう!

 

ところで、シュトックルによると、タンデの不可解な失敗ジャンプはタイトルへの重圧などではなく空中でビンディングが外れたものであるとのこと。
映像を見返してみると、確かに空中で右のビンディングが外れている。
あの状態で転倒もせずによく着地できたものだ。

 

でも、そんなことがこんな場面で起こるとはね。
個人的にはストッフ推しだったんでタイトル獲得は素直にうれしいけれど、こういう形での決着のつき方はちょっと複雑な心境にも正直なっちゃう。
いずれにしても、今季は近年稀にみる面白いジャンプ週間だったことに変わりはないけれど。

 

 

4HT総合順位
Rank Name Nation Total  1  2
1 カミル・ストッフ POL 997.8 305.2 286.0 117.4 289.2
2 2 4 1
2 ピオトル・ジワ POL 962.5 291.9 278.1 116.7 275.8
7 6 7 3
3 ダニエル-アンドレ・タンデ NOR 941.8 295.4 289.2 125.7 231.5
4 1 1 26
4 マチェイ・コット POL 934.3 278.9 269.6 117.0 268.8
12 7 6 5
5 マニュエル・フェットナー AUT 926.8 294.9 259.5 116.7 255.7
5 12 7 12
25 伊東 大貴 JPN 711.4 260.2 111.8 99.3 240.1
23 40 31 21
29 葛西 紀明 JPN 608.7 127.1 113.7 114.3 253.6
31 37 10 14
34 竹内 択 JPN 512.4 110.0 90.3 83.8 228.3
41 50 45 28
43 小林 陵侑 JPN 305.3 104.1 106.8   94.4
46 45   42
58 作山 憲斗 JPN 96.7       96.7
      39

 

オフィシャルリザルト

 

 

タンデは結局総合3位。WC総合でも2位に後退。
もう一人の主役だったクラフトは3戦・4戦での体調不良が響き6位まで落ちた。
逆に安定してポイントを積み上げてきたジワが2位でポーランドが総合ワンツー。
コットも4位でポーランドおそるべし。
ドイツは4戦で一度も表彰台に立つことなく終わった。

 

日本勢にとっては厳しいジャンプ週間ではあった。
でも、復調の兆しは見えた。
葛西が第3戦でトップ10、第4戦は14位と上り調子。
大貴は総じて悪くなかったように見えた。
最終戦は作山と陵侑も予選通過で久々に全員揃い踏み。本戦でも、この4戦で初めて複数名が2本目に残った。

 

5人はいったん帰国し、その後再び、ヴィスワ、ザコパネ、ヴィリンゲン、オーベルストドルフを転戦する。
今季はAチームをスキップさせることなく参戦させ続ける方針なのかな。
でも、それをやるなら今季ではなく昨季かその前の年にすべきだったように思うのだが・・・