2020/21 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第8戦オーベルストドルフ

ジャンプ週間開幕 ガイガー 地元で勝利をつかむ

2020年12月29日(火)オーベルストドルフ(GER)HS137/K120

9th World Cup Competition

1  カール・ガイガー(GER) 291.1pt
2  カミル・ストッフ(POL) 288.3pt
3  マリウス・リンビーク(NOR) 285.2pt
 
14  小林 陵侑(土屋ホーム) 265.2pt
16  佐藤 慧一(雪印メグミルク) 263.8pt
18  佐藤 幸椰(雪印メグミルク) 260.7pt
20  中村 直幹(東海大学札幌SC) 259.0pt
28  小林 潤志郎(雪印メグミルク) 243.3pt

オフィシャル リザルト


ジャンプ週間の開幕戦は変則的な形での開催となった。

事の起こりは、27日(日)にポーランドチームのムランカにコロナ陽性反応が出たこと。
これにより、チームは28日(月)の公式練習と予選から除外されてしまった。
これはつまり、29日(火)の本戦出場が叶わなくなってしまったことを意味する。

ディフェンディングチャンピオンのクバツキ、グランドスラム達成者のストッフらがいないジャンプ週間はとても寂しいが、こればかりは仕方がない。

と思いきや、28日に、ムランカに2度目の検査を行ったところ陰性であったことから、チーム全体をもう一度検査し、全員の陰性が確認されれば、本戦の参加を認めるということが発表された。
この場合は、既に成立済みの予選をキャンセルし、ポーランドチームを含む62人全員で、KO方式を採らずに本戦1本目を開始するという。

結論が出たのは、本戦開始のわずか6時間半前。
全員が陰性。ポーランドチームの参加が認められた。
かくしてKO方式を採用しないジャンプ週間開幕戦が開催される運びとなった。

なお、直近のジャンプ週間では、2018/19ビショフスホーヘンで小林陵侑がグランドスラムを達成した試合が、天候不良によるスケジュール変更によりKO方式を採っていない。


優勝したガイガーもまた、この試合の参加を危ぶまれていた。
金メダルに輝いたフライング世界選手権後にコロナ陽性となり隔離。
参戦許可が下りたのは予選前日の27日。

そして見事に優勝。
WC通算7勝目は、地元での格別な勝利。
さらに、この勝利は、2001/02にグランドスラムを達成したスヴェン・ハンナバルト以来のドイツ人総合優勝に向けての好スタートを切ったことを意味する。

1本目は追い風がきつく、中でもラスト数名のトップランカー達はこぞって苦しんだ。
優勝候補筆頭の5連勝中のグランネルは9位と出遅れ、対抗馬であるアイゼンビヒラーに至っては27位。

ゲートを1段上げ、さらには徐々に追い風が弱まっていった2本目。
万事休すと思われていたアイゼンビヒラーが、ヒルレコードに迫る142.0mの大ジャンプで5位まで爆上げ。
グランネルも4位まで順位を上げ、ふたりとも総合争いに踏みとどまった。
なお、グランネルの連勝は5でストップ。

ほんの数時間前まで参戦できるかどうかわからない状態にあったストッフは、最高の結果を手にした。
また、昨季のジャンプ週間で一躍その名を世界に知らしめることとなったリンビークも、その再現に期待がかかる。

このピリオドからクォーター数を1つ減らした日本。
伊東大貴が帰国し、20代の5名でこのトーナメントに挑んだ。
今季初めて全員がポイントを獲得。
過去2シーズンに渡り、ジャンプ週間初戦を制してきた小林陵侑は、前日の予選で5位となるなど、調子は明らかに上がってきている。

4HT 暫定順位
  1. ガイガー 291.1pt
  2. ストッフ (-2.8)
  3. リンビーク (-5.9)
  4. グランネル (-11.0)
  5. アイゼンビヒラー (-16.8)

ところで、予選トップだったアッシェンヴァルド。
前述の通り記録は無効となるが、賞金はちゃんと支払われるのだとか。

予選(キャンセル)