チョフェニックが頂点に返り咲く6勝目 2位ラニセクは今季初表彰台 小林陵侑は7位
Official Results
1 | ダニエル・チョフェニック(AUT) | 288.9pt |
2 | アンツェ・ラニセク(SLO) | 284.9pt |
3 | マキシミリアン・オルトナー(AUT) | 275.9pt |
7 | 小林 陵侑(TEAM ROY) | 259.2pt |
24 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) | 233.2pt |
25 | 小林 朔太郎(雪印メグミルクスキー部) | 232.9pt |
30 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 196.5pt |
佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) | 予選53位 | |
中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 失格 |
スポーツにおいて、しばしば「再現性」という言葉が使われる。
良いパフォーマンスを発揮できたとして、次もそれを再現できるかどうか。次の試合でも、その次の試合でも再現し続けることができるかどうか。
スキージャンプにおいても当然に再現性は求められる。でも、アプローチの姿勢がミリ単位で狂っただけで影響が出てしまうがゆえに、極限の繊細さが求められる中でいかに再現していくか。
しかも、風向、風速、降雪といったコントロールの効かない条件が容赦なく再現性を阻もうとする。
小林朔太郎はWCに昇格してから最高の、そしてダヴィド・クバツキとハルヴォア-エグナー・グランネルはかつての栄光を取り戻したかのパフォーマンスを1本目で見せた。
これにより朔太郎は6位、クバツキは8位、グランネルは3位で2本目に進むこととなった。
1本目と同じパフォーマンスを再現できれば今季最高のリザルトが手に入る。
しかし、彼らは2本目で容赦なく圏外に弾き飛ばされた。グランネルは11位に。クバツキは14位に。小林朔太郎に至っては25位に。
この要因が強い追い風のせいだったかどうかは分からない。実際グランネルの条件はそこまで悪くはなかった。
全体として1本目と2本目で順位の乖離が大きい選手が目立つので、風向風速が要因であることは間違いない。
でも、そればかりとも言えないのがこの競技。
上位の選手たちは外的要因を最小限に抑えながら同レベルのハイパフォーマンスを再現し、それを数試合に渡って続けている。
今やその第一人者であるダニエル・チョフェニックが今季6度目の優勝を再現。
フライングでは主役の座をスロベニアとノルウェーに一旦は引き渡したが、再現性の高さゆえにすぐに取り返すこととなった。
2位はアンツェ・ラニセク。
1本目はチョフェニックを0.6pt上回るトップ。
2本目でも1本目のパフォーマンスを再現し、大きなミスはなかったがチョフェニックの飛距離の前に屈した。
それでも今季初表彰台。
3位はマキシミリアン・オルトナー。
怪我のダニエル・フーバーの代役として今季開幕から出場。いきなり表彰台に立ちアッと言わせたが、それをフロックとして終わらせることなく高い再現性で8回のシングル入り。
そしてついに二度目の表彰台をも再現。
激しい順位変動の中、1本目9位から2本目でも同様のパフォーマンスを再現したケビン・ビックナーが、自身初のトップ10入りとなる10位。
出迎えた若いベルショーとフランツの表情にはリスペクトのようなものも感じられ、チームの雰囲気も良好なのであろうことが見て取れた。
女子にだいぶ後れを取ったが、男子アメリカチームがようやく存在感を表してきたように思う。
日本勢の最高位は小林陵侑の7位。
1本目10位から、周りが脱落していく中で崩れることなく順位を上げることに成功した。
佐藤慧一が今季2度目のポイント獲得をしたこともあり、日本は今季初めて4人の選手がポイントを獲得した。
COCで自ら勝ち取った6枠目に収まった佐藤幸椰は、2023年4月のプラニツァ以来となるWCの舞台。
53位で予選を通過できず、2023年3月のリレハンメル以来となるWC出場はお預けとなった。
日曜の16時過ぎまで札幌でCOCに参戦し、中4日でドイツで試合。時差ボケもあったことだろう。
なお、同じく札幌から移動してきた選手の中での最高位はマルクス・ミュラーの21位。
続いてロビン・ペデルセンが22位、シュテファン・ライエが38位、マルクス・アイゼンビヒラーが48位、ルカ・ロートが予選54位。
COCピリオド1位のペデルセンと2位のミュラーが、ここでも競い合っているのが面白い。