スキージャンプFISワールドカップ2021/22女子個人第10戦ヴィリンゲン

強風の中クラマーが6勝目を挙げる 伊藤有希 今季最高の4位

2022年1月29日(土) ヴィリンゲン(GER)HS147/K130

15th World Cup Competition

1  マリタ・クラマー(AUT) 80.2pt
2  カタリナ・アルトハウス(GER) 77.1pt
3  エマ・クリネツ(SLO) 72.0pt
 
4  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 71.6pt
15  岩渕 香里(北野建設) 28.6pt

プロローグ リザルト オフィシャル リザルト


ラージヒルとしては最大級のヒルサイズを誇るヴィリンゲン。
下の方の風を貰うとまるでフライングのようにバーンを這い飛距離が伸びる不思議な台。

WC・GPを通じて初めてここを飛ぶこととなった28人の女子選手の中で、最初にそれを体現してみせたのが伊藤有希。
公式練習の1本目で144.5mを飛び、2本目にはHSを7.0mも超える154.0mを飛んで見る者の度肝を抜いた。
公式練習ゆえにヒルレコードとして記録されることはなかったが、男子のレコードを1.0m上回る驚愕の大ジャンプ。

その伊藤有希は余程この台と相性が良いのか、予選に代わって行われたプロローグで139.5mを飛び1位。混合団体でも2本とも同組トップ。
そして、この試合でも1本目で123.5mを飛びを4位で折り返すことに。

しかし、この日のヴィリンゲンは大荒れの天候。
レッドが頻発し遅々として進まない難試合となり2本目はキャンセル。
伊藤有希は3位との0.4pt差を逆転する機会を失い、今季初の表彰台は成らなかった。

でも、個人的には残念さよりは喜びが勝る。
今季ここまでの最高位は11位。2度の予選落ちも喫している。
そんな有希が、この大きな台で水を得た魚のごとく久々に躍動する姿を見せてくれたことが何よりもうれしい。

クラマーは6勝目。
踏切が遅れ決して良いパフォーマンスではなかったけれど、こんな日にそんなことをいうのは野暮というもの。
フライタークが転倒し右肩を激しくバーンに打ち付けた。幸いにして自ら立ち上がり、歩き、サムアップで怪我のないことをアピールしたが、全ての選手が無事に怪我無く試合を終えられたことを唯々喜びたい。

なお、高梨沙羅と勢藤優花は五輪に向けてヴィリンゲンでの3試合をスキップしている。

WC総合順位