クバツキvs小林陵侑 僅か0.3ptの争い
2020年1月19日(日)ティティゼーーノイシュタット(GER)HS142/K125
18th World Cup Competition
1 | ダヴィド・クバツキ(POL) | 283.3pt |
2 | 小林 陵侑(土屋ホーム) | 283.0pt |
3 | ティミ・ザイツ(SLO) | 271.6pt |
7 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルク) | 262.1pt |
20 | 伊東 大貴(雪印メグミルク) | 243.7pt |
23 | 小林 潤志郎(雪印メグミルク) | 232.3pt |
28 | 佐藤 慧一(雪印メグミルク) | 220.9pt |
30 | 中村 直幹(東海大学札幌SC) | 196.2pt |
前日の穏やかさに比べると赤い風と降雪もあり運も試される試合ではあった。
それでも、クバツキは強かった。
1本目は終盤にもう一度浮き上がったかに見えるほどうまく風をとらえて、HSオーバーとなる143.0mでトップに立った。
しかし、小林陵侑も負けてはいない。
数値上この日2番目に強い向かい風を受けてHSを5.0mも超える大ジャンプ。
この時、to beatのラインが出なかった(…私にはそう見えた)が、陵侑は恐らくトップに立ったと確信したのではないだろうか。
結果は3.3pt差の2位。陵侑は得点を見て少し意外そうだったけれど、それほど際どい勝負だった。
この鳥肌もののビックジャンプの応酬に比べると2本目の二人の飛距離にはやや物足りなさが残った。
2本目だけを見れはクバツキ9位、陵侑4位。数値には表れない風が悪さをしたか。
それでも二人は他者を寄せ付けなかった。終わってみれば二人の差はわずか0.3pt。
クバツキの着地はやや足が左右に開きすぎていたように見えたが、自らガッツポーズをしたことでジャッジが惑わされたかも。
いずれにしても際どい勝負。どちらが勝っても文句のつけようがない。
前日は12位に沈んだカール・ガイガーは巻き返してこの日は5位。
1本目は数値上は良い向かい風を受けたが、クバツキや陵侑に比べると前へ進む力が弱く、向かい風が抵抗になっているように見えた。
シュミットやライエが良いジャンプを見せたのに対して、ガイガーのノイシュタットは今季これまでのパフォーマンスと比較するとどうも冴えなかった。
佐藤幸椰が1本目を3位で折り返した時にはワクワクとさせられた。2本目は18位と上手くいかなかったが、何とか踏みとどまって7試合ぶりのシングル。
昨シーズンは実質的にスロベニアのエースだったティミ・ザイツが今季初の表彰台。
さて、初開催となった『ティティゼーーノイシュタット5』のタイトルは小林陵侑の手に渡った。
2勝したクバツキに対して陵侑が5.4pt上回ったわけだが、金曜の予選で13.0ptの差を付けていたことが大いに活きた。
昨季の陵侑は個人タイトルを総なめにしたけど、ここにもう一つ新たなタイトルが加わったことになる。
- 2018/19 シーズン総合優勝
- 2018/19 ジャンプ週間 総合優勝
- 2018/19 Willingen 5 総合優勝
- 2018/19 RAW AIR 総合優勝
- 2018/19 Planica Seven 総合優勝
- 2018/19 Ski Flying 総合優勝
- 2019/20 Titisee – Neustadt 5 総合優勝
Titisee – Neustadt 5 総合成績 | ||
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1 | 小林 陵侑(JPN) | 709.9 |
2 | ダヴィド・クバツキ(POL) | 704.5 |
3 | シュテファン・ライエ(GER) | 686.4 |
4 | シュテファン・クラフト(AUT) | 676.3 |
5 | カール・ガイガー(GER) | 664.5 |
13 | 佐藤 幸椰(JPN) | 640.4 |
16 | 伊東 大貴(JPN) | 632.2 |
22 | 小林 潤志郎(JPN) | 605.7 |
24 | 佐藤 慧一(JPN) | 600.5 |
34 | 中村 直幹(JPN) | 415.7 |
まぁでも、やはり2試合とも勝ったのにタイトル取れないというシステムは、なんとも釈然としないなぁ。
予選と本戦が同じ価値を持つというのが、どうしても気になる。
せめて予選のポイントは1/2にするとか。
それと、昨季のWillingen 5もそうだったけれど、日曜日の予選がないんだよね。
これって、金曜の予選を通らないと2試合とも出場できないということだよね。
今季のエントリーが少ないのもそのせいなのかな。だって、金曜の予選に通らなかったら荷物まとめて帰るしかないわけでしょ?
予選の当落線上にいる選手にとってはリスキーすぎてエントリーしにくいよね。