ゾグラフスキーが母国に初の勝利をもたらす 内藤智文は初ポイント獲得
2023年7月30日(日)クーシュベル(FRA)HS132/K125
2nd Grand Prix Competition
1 | ウラジミール・ゾグラフスキ―(BUL) | 262.6pt |
2 | グレゴール・デシュバンデン(SUI) | 246.2pt |
3 | マルコ・ヴォエルゲッター(AUT) | 246.0pt |
5 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 239.8pt |
20 | 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) | 204.1pt |
27 | 竹内 択(team taku) | 196.1pt |
28 | 内藤 智文(山形県スポーツ協会) | 195.9pt |
30 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) | 190.8pt |
前日にデシュバンデンがWC・GPを通じて初優勝を飾ったばかりで、この日は、みんな大好きゾグラフスキーがWC・GPを通じて初優勝。
今月14日に30歳となったスキージャンプ界の名バイプレーヤー。この競技では後進国であるブルガリアに初めての勝利をもたらした。
同じく30歳の内藤智文がWC・GPを通じて初のポイント獲得。
2018年の初挑戦から5年半。ついに掴んだ。
- 2018.02.03 WCヴィリンゲン 予選不通過
- 2018.02.04 WCヴィリンゲン 55位
- 2018.08.24 GP白馬 31位
- 2019.01.26 WC札幌 45位
- 2019.01.27 WC札幌 スーツ失格
- 2023.01.20 WC札幌 44位
- 2023.01.21 WC札幌 51位
- 2023.07.29 GPクーシュベル 37位
- 2023.07.30 GPクーシュベル 28位
日本勢は全員ポイント獲得。
前日は表彰台まで0.2pt差に迫る4位だった二階堂蓮は、この日も5位。
しかも予選トップ!
クーシュベルと次戦シュチルクの派遣選手は、次の選考基準に則り選考されている。
男女いずれも、記載順序(①、②)は優先順位を示す旨が明記されている。
実際に選考されたメンバーを見ると男女ともに①に該当する選手の何名かの名前がないが、これは辞退をしたと考えるのが自然だろう。(GPではよくあること)
残るルシュノフ、ヒンツェンバッハ(男子のみ)、クリンゲンタールの選考基準でも①の基準が最上位にあるので、今回辞退した選手のうちの何人かはそこで参戦してくるのではないだろうか。
②の「選考会」は7月2日に宮の森で行われた。
派遣選手は、この選考会の上位選手と①の基準に該当する選手(辞退者を除く)が順当に選ばれていることが分かる。
これまでもGP白馬やCOC札幌の開催国枠の選考会が開かれることはあった。現に昨季のCOC札幌の開催国枠も選考会が行われている。
でも、WCやGPの海外派遣そのものの選考会が開かれる事は今までそんなにはなかったはず。
WCとGPの派遣選手は、前年度のWCなど国際大会の成績をもとに選考されてきていることがその理由だが、今回のような形での選考会の開催は国内組の選手にもチャンスが広がるということを意味し、たいへん意義深いことであると思える。
しかし、この『選考基準』がSAJのサイトを通じて発表されたのは7月21日。選考会が開催されて3週間近く経ってからだ。
事前情報は何もなく、選考会は誰にも知られることなくひっそりと行われた。
事後情報も何もなく、派遣選手がようやく発表されたのは選手が日本を発つ前日の24日。開幕戦の僅か5日前だ。
とにかく、事前も事後も選考会と派遣選手については箝口令でも敷かれたかのように誰もが口をつぐんでしまっていた。SNSなどを見ても情報は皆無と言っていいほどだった。
なぜか?
これは憶測にすぎないのだが、おそらくは7月20日の理事会承認を得るまではオープンにできなかったためではないだろうか。
だとすれば、公明正大さが求められる組織としては仕方のなかった部分もあったのだろうと、ある程度は理解できる。
いずれにしても憶測にすぎないのでこれ以上は言わないでおく。
ただ願わくば、世界最高峰の舞台で戦う我らが日本代表選手の選考を「結果」としてだけではなく「過程」も含めて楽しみたかった。
前述の開催国枠の選考会なども、今までも告知もなくひっそりと行われることが多かったが、今までがそうだったから今後もそれでいいということにはならないと思う。
代表選考というファンにとっても注目の高いコンテンツが、組織運営上の都合からオープンにできなかったのだとしたら、これほどもったいないことはない。