開催国スロベニアが大団円の金 日本は7位
2023年3月4日(土)プラニツァ(SLO)HS138/K125
Men Large Hill Individual
金 | スロベニア | 1178.9pt | ||
コス、イエラル、ザイツ、ラニセク | ||||
銀 | ノルウェー | 1166.0pt | ||
フォルファン、スンダル、リンビーク、グランネル | ||||
銅 | オーストリア | 1139.4pt | ||
チョフェニック、ハイベック、ヘール、クラフト | ||||
7 | 日本 | 1011.0pt | ||
中村直幹、小林潤志郎、二階堂蓮、小林陵侑 |
開催国スロベニアがスキージャンプ種目の最終戦を勝利で飾った。
1982年大会から採用された男子団体戦において初の金メダル。
これまでは2005オーベルストドルフ大会NHと2011オスロ大会LHでの銅メダルが最高位だった。
初の自国開催となったスロベニアは、大会前半のNHにおいては個人戦はクリジュナルの11位とラニセクの9位が最高位で女子団体は4位。完全に出鼻をくじかれた感じだった。
それでも混合団体で銅メダルを獲り一矢報いることができたことでLHでの攻勢に期待がかかった。
そして遂にザイツが金メダルを獲得。チームにとっても自国の大観衆にとっても、勇気と希望をもって最終戦を迎えることができた。
試合はスロベニア、ノルウェー、オーストリアを軸に進み、そこにポーランドとドイツが絡む展開。
僅差の戦いでスロベニアは途中で一時的にリードを奪われる場面もあったが、すぐに順位を取り返し、最終的には2位に12.9ptの差をつけて白熱の戦いにけりをつけた。
スロベニアは金メダリストのザイツではなくラニセクをアンカーに据えたことが効いたように思う。
今季WCにおいて現在総合3位のラニセク。押しも押されもせぬチームのエースではあるが、このところややパフォーマンスに陰りが見えていた。
それでもあえてアンカーに置いたことにラニセクは奮い立っただろうし、ザイツも後ろにラニセクが控えていることで変にプレッシャーを受けずに力を出すことができたように思う。
4人制団体はやはりこういうところが面白い。
他にも、何としてもメダルを獲りたいドイツとポーランドがコーチリクエストで勝負をかけてくるなど采配の妙もあり試合はより面白いものとなった。
ただ、結果的にどちらも裏目に出てしまったけれど。
ノルウェーはWCでの2試合しか団体戦の経験がないスンダルが1本目で同組3位、2本目で4位と繋ぎ役を見事に果たし銀メダル獲得に貢献。
調子がうなぎのぼりのフォルファンに加え、グランネルとリンビークにようやくらしさが見られた。
フォルファンとグランネルしか計算ができないのでメダルは難しいと思っていたので、この結果は正直驚きだ。
手ぶらで帰ることになりかけていたオーストリア男子チームは何とかメダルを確保。
クラフトは2015年大会から続いていたメダル獲得が、個人においては4大会で途絶えてしまったけど、団体においては5大会連続を更新。
なお、オーストリアの団体戦でのメダル獲得は2005年から10大会連続となる。
日本チームは7位。
今季は序盤からマテリアルの変更への対応に苦労し低迷が続いたが、この大会までに大きく改善するには至らなかった。
それでも小林陵侑は個人LHで銀の勢いのままにこの団体戦でも最後の1本は2本目全体でトップ。凄みを見せて大会を終えることができた。
男子団体 歴代メダル獲得国
金 | 銀 | 銅 | 日本の成績 | |
---|---|---|---|---|
2005 | AUT | FIN | NOR | 10位(葛西、岡部、宮平、東) |
2007 | AUT | NOR | JPN | 3位(栃本、岡部、伊東、葛西) |
2009 | AUT | NOR | JPN | 3位(栃本、岡部、伊東、葛西) |
2011 | AUT | NOR | SLO | 6位(竹内、湯本、葛西、伊東) |
2013 | AUT | GER | POL | 5位(清水、葛西、伊東、竹内) |
2015 | NOR | AUT | POL | 4位(小林潤、伊東、竹内、葛西) |
2017 | POL | NOR | AUT | 7位(竹内、小林陵、葛西、伊東) |
2019 | GER | AUT | JPN | 3位(佐藤、伊東、小林潤、小林陵) |
2021 | GER | AUT | POL | 4位(佐藤幸、中村、佐藤慧、小林陵) |
2023 | GER | AUT | POL | 7位(中村、小林潤、二階堂、小林陵) |
さて、これにて世界選手権ジャンプ種目はすべて終了。
休む間もなく舞台はスロベニアからノルウェーに移り週末からRAW AIRが始まる。