2023 FISノルディックスキー世界選手権プラニツァ女子団体NH

ドイツが強さを示し金 エースを欠くも日本は5位

2023年2月25日(土)プラニツァ(SLO)HS102/K95

Women Normal Hill Team

ドイツ 843.8pt
ルプレヒト、ゲーリッヒ、フライターク、アルトハウス
オーストリア 831.1pt
クロイツァー、ミュールバッハ、ザイフリーズベルガー、ピンケルニッヒ
ノルウェー 942.1pt
ルンビ、クバンダル、ビョルセット、ストローム
 
5 日本 804.2pt
丸山希、勢藤優花、宮嶋林湖、伊藤有希

リザルト


前日の公式練習中に高梨沙羅が転倒し病院に運ばれた。
当初は頭や膝を打ったなど情報が錯綜したが、その後の検査により頭部と膝には異常がなかった模様。ただし脛に痛みがあるらしい。
これにより高梨は団体メンバーから外れ、代わって初の世界選手権となる宮嶋林湖が出場することとなった。

僅差の1本目。
この時点でのドイツと2位ノルウェーの差は僅かに1.5pt。
ノルウェーと3位オーストリアの差も5.8ptと近い。
宮嶋が同組4位と健闘した日本とオーストリアの差は5.0pt。十分にメダルを狙える。

しかし2本目になってドイツがじりじりと強さを示し引き離しにかかる。
3人目までは計算できたドイツチームにあって未知数はゲーリッヒ。1本目は同組7位だった。
ところが2本目では3位。これが効いた。
最終的には2位に12.7ptの差をつけ、世界選手権では3回目の開催となる女子団体で2度目の金メダルをつかみ取った。

猛追を見せたオーストリアがピンケルニッヒの最後の1本で逆転し銀。
好調ビョルセットが引っ張ったノルウェーは、最後のストロームが2日前の個人戦のリプレイを見るかのように伸ばせず逆転されての銅。

日本は5位。
試合後のインタビューで充実感漂う表情だった宮嶋に対して、勢藤優花は途中で涙ぐんでしまった。
札幌大会あたりから調子は上向きで本人にとっても期待感は大きかったと思う。しかし口を突いて出た言葉は「準備不足」 2本目では大きく空中でバランスを崩してしまい同組7位。チームに勢いをもたらすことができなかった。

伊藤有希は「(丸山、勢藤、宮嶋、高梨)と気持ちは一緒に、5人で飛ぶことができた。今日の成績は満足しています」と勢藤や高梨を慮るコメントを残した。
これぞチーム戦の醍醐味。特に五輪や世界選手権においては、こうした「結束力」を感じられる場面が観る側にとっても欠かせない。

この醍醐味を2人制チームでも味わうことができるだろうか。少し心許ない。
だから団体戦はやはり4人制であってほしいと願う。特に五輪や世界選手権においては。

女子団体 歴代メダル獲得国

  日本の成績
2019 GER AUT NOR  6位(伊藤、岩渕、丸山、高梨)
2021 AUT SLO NOR  4位(伊藤、勢藤、丸山、高梨)
2023 GER AUT NOR  5位(丸山、勢藤、宮嶋、伊藤)