クラフト 連勝でガイガーをじりじりと引き離す
2020年2月28日(金)ラハティ(FIN)HS130/K116
29th World Cup Competition
1 | シュテファン・クラフト(AUT) | 284.1pt |
2 | カール・ガイガー(GER) | 279.1pt |
3 | ダニエル-アンドレ・タンデ(NOR) | 273.3pt |
14 | 小林 陵侑(土屋ホーム) | 254.2pt |
=21 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルク) | 244.2pt |
=21 | 伊東 大貴(雪印メグミルク) | 244.2pt |
24 | 佐藤 慧一(雪印メグミルク) | 241.4pt |
小林 潤志郎(雪印メグミルク) | スーツ失格 | |
中村 直幹(東海大学札幌SC) | 予選落ち |
12月1日に悪天候によりキャンセルとなったルカの代替試合。
風は極めて穏やかで、余計なことに惑わされずにじっくりと試合を楽しめた。
クラフトは2連勝で今季5勝目。
今シーズンのクラフトは常に高い水準を保っていて、もっと勝利を重ねていても全然おかしくなかったのだが、その時々でほんのちょっとの差で上をいく者がいて勝ちきれなかった。
それがここにきて、自身の調子もライバルたちとの力関係もすべてが噛み合ってきた。
飛型点がやや贔屓目に見られている気がしないでもないが、そう評価したくなるほどに全体の印象が増してきているということなのだろう。
2位ガイガーは、いつも通りの高いフライトで文句のつけようのないパフォーマンスを見せたけれどクラフトには敵わなかった。
それでも2戦連続の2位。何とかクラフトに食らいついている。
2本目はリーダーボードの前で最後のクラフトの結果を待ったけど、身支度を整えるばかりでクラフトのジャンプには目もくれなかった。人事を尽くして天命を待つの心境だったのか。それとも単にとっとと着替えてしまいたかっただけなのか。
3位のタンデは今季インスブルック以来の表彰台。開幕2連勝を果たして以降は冴えなかったが、ここ2戦はシングル。RAWAIRをかき回す存在になるかもしれない。
シュテファン・フーバーはWCキャップ15戦目にして初のシングル。これまでの最高位が先日のルシュノフでの20位なので、一気にジャンプアップを見せたことになる。
今季COC札幌大会初戦で13位だったが2戦目で31位となったことが響いたか、WC札幌大会にはエントリーされなかった。
その時にエントリーされたのがデビュー戦となるヴォエルゲッターであったことにオーストリアの層の厚さが感じられるが、その中から抜け出すのはホントにたいへん。その意味からも、この日のS.フーバーはかなりのインパクトを残せたのではないか。
小林陵侑は、特に悪いようには見えなかったけれど結果を残せなかった。特に悪いようには見えないのに結果が出ないというのが一番たちが悪い。強いてあげれば空中で多少左右のバランスを欠いていたように見えただろうか。
本人としてもまだ総合優勝をあきらめているわけではないようだ。 SAJはとっくにあきらめているのかもしれないが…
早ければ次戦の結果次第で総合2連覇の可能性が消えてしまう。がんばれ陵侑!
それにしても、ここのカメラアングルはとても見やすい。
特にスロー再生のアングルが秀逸で、着地をほぼ真横から撮ってくれるので細かい点までよくわかる。
テレマークの良し悪しはもちろん、最後の最後までフライトを粘る選手と、割と早めに着地態勢に入る選手の違いなどが見えてすごく楽しい。